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第1940話 時短労働者雇い入れします。(シモーナは今後の輸出入品目を探しています。)

ベッドフォードの青果店にて。

「へぇ~・・・ラルフとローチの所も大変そうだな。」

武雄から今日の2つの工房の話を聞いてのベッドフォードの感想がこれだった。

「やる気になってくれたようで何よりですよ。

 それにしても大将、4樽も増産するなんて言っちゃダメですよ。

 向こうは確定だとして言ってきましたからね。

 出来れば事前にこっちに教えておいて貰って、この場でははぐらかし、個数の決定権は私と向こうとでしたかったです。」

「いや~・・・すまん。

 何とかするから!」

「まぁ、大変なのは大将なんですから大将が良いと言ってくれるならそれまでなんですけど。

 品質管理はしっかりとお願いします。」

「わかっているし、そこは絶対だからな。」

「で・・・今後の見通しと言うか、なんで4樽も増産出来るんですか?

 この街分の仕入れと仕込みで手一杯と聞いた気がするのですけど?」

「それは人手的な話だな。

 今募集をかけていて数名雇う事にしたんだ。

 一番忙しい仕込みの時に来てくれる人員だな。

 原料の方はあと6樽は仕込めるだけの余力があるな。

 毎月魔王国向けに4樽は問題ない、残りはローの爺さんがゴドウィン伯爵邸とテンプル伯爵邸に1樽ずつ送るそうだ。

 あとは夏まで待たないと増産は出来ないだろうというのが総監部の考えのようだぞ。」

「無理のない範囲で出来るなら良いです。

 ・・・で、その雇用する人達の守秘義務契約はお済みですか?」

「総監部の文官がしてくれたよ。

 面接にも立ち会ってくれて、選別の時にも助言をくれたな。

 その流れで採用時の守秘義務の説明もしてくれた。」

「どんな流れですか・・・まぁエルヴィス家は手厚いなぁ。」

「ありがたい、ありがたい。」

「それだけ大将のウスターソースがこの領地の主力商品という事ですからね?」

「わかってる。

 『品質は落とさずに量産する事』だろう?

 俺達の中のキタミザト様からの指令はこれのみが共通だからな。」

「・・・そんな指示を出していませんが・・・あれ?でも毎回言っている気もしますね。」

武雄が首を傾げる。

「皆集まった時に『言われた、言われた』と頷いているんだよ。」

「・・・酒飲み話の種になれば良いですよ。」

「お~、これが大きく咲くんだわ。」

「何を言っているかは気にはなりますが、聞いて良い話ではないでしょう。

 精々、鬱憤を晴らしてください。

 と、モニカさんとラルフさんに伝えておいてください。」

「了解しました!」

ベッドフォードが良い笑顔で頷く。

「それにしても守秘義務がかかるのにそれなりの人数が一気に雇えるのですね。

 身元もしっかりしている人達なんですか?」

「?・・・キタミザト様、聞いてないのか?」

「何がです?」

「雇う内の2名が試験小隊の奥方だぞ?

 総監部の文官が書類を見て即採用を勧めてきたくらいだ。

 確か・・・『この方々は守秘義務の意味をわかっていますから問題ないです』だったかな?」

「それは・・・聞いていませんね。

 まぁ・・・関係者といえば関係者ですかね。

 私の部下の奥さんだからといって甘くする必要もないですし、もしそれを盾に何か言って来たら報告してください。

 さっさと叱りに行ってきますからね。」

「面接した感じそういう風には見えなかったなぁ。」

「ええ、ですが、やり始めて見ないとわからない事もあるでしょう。

 作業を滞らせる訳にはいきませんからね。

 何か問題があったら私や文官にすぐに言ってください。」

「わかった。」

ベッドフォードが頷くのだった。


------------------------

シモーナ一行はというと、人工湖の予定地の端で早めの昼食としてサンドイッチを食べていた。

「ふむ・・・だだっ広い広場ですね。」

ヴァレーリが食べながら広場を見ている。

「あ~・・・ここ湖にするらしいですよ?

 皆さんと別れて買い出しに行っている時に小耳に挟みました。」

シモーナが言ってくる。

「「湖?」」

ヴァレーリとブリアーニが同時に答える。

「ええ、なんでも南の領地とのやり取りを馬車以外で出来るようにするとか言っていましたね。

 店主さんの話だと、魚の干物が手に入りやすくなるかもと言っていました。」

シモーナが言う。

「・・・そこはかとなくキタミザト殿の関与があると思ってしまうのは私が考えすぎなのでしょうか。」

ヴァレーリが眉間に皺を寄せ、手を額に当てながら苦々しい顔をさせて言う。

「突拍子もない物は大体キタミザト殿がやっているしね。」

ブリアーニが苦笑しながら言う。

「ん~・・・魔王国に輸入出来る物が作られればいいのですけどね。」

シモーナが考えながら言う。

「ん?シモーナさん、魔王国の南でも魚の干物はありますよ?」

ヴァレーリが聞いてくる。

「種族によって味が違うかもしれませんからね。

 味の違う干物を取り扱えばそれだけでも価値はあると思いますよ。」

「なるほど。

 確かに種族や地域によって同じ素材でも味が違う事がありますか。

 なら逆に魔王国で作った物もアズパール王国に輸出出来そうですね。」

「そうなると私の商売が潤うのでしたいのですけどね。」

シモーナが笑いながら言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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[気になる点] >「わかってる。 > 『品質は落とさずに量産する事』だろう? > 俺達の中のキタミザト様からの指令はこれのみが共通だからな。」 ・・・・・ん~~~・・・・・ 他の話(過去か未来かは忘れ…
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