第1939話 再び横暴主と打ち合わせ。(コンテナ搭載馬車の製品化を要望します。)
工房主ローチ工房の客間。
武雄とローチ、キャロルがお茶をしていた。
「進捗は確認していますが・・・あの2人どうでしたか?」
「敢えて私達は同席しませんでしたが、本音は聞けましたでしょうか?」
ローチとキャロルが武雄に聞いてくる。
「・・・2人とも天才なんですかね?
良くもまぁ・・・あそこまで模型やら図面を用意出来ましたね。」
武雄が呆れながら言う。
「頑張っていましたよ?」
キャロルが言う。
「それはあの図面と模型を見せられればわかりますよ。
一応、両方とも軽くは図面を見ましたけど・・・まぁ素人の私が見ている限りでは大きな問題は無いと思います。
監督と指導、お疲れ様です。」
「「ありがとうございます。」」
「で・・・クレーンの方ですけど・・・
費用は私も少し見ますからローチさんの所で作りません?
さっき雑談で聞きましたけど、コンテナの荷台への搭載・・・今荷台上で組んでいるんでしょう?
コンテナは折角、取り外しが出来るんですから工房内で作って、吊り上げて荷台に乗せた方が効率良いですよ。」
武雄が言ってくる。
「あ~・・・それはやはり思いますよね。
試作機としても使えますよね。」
「わかってはいるんですけど・・・最近図面が出来たばかりで何も決まってはいないんです。
私としてもやりたいですけどね。」
キャロルとローチが頷く。
「実機があった方がエルヴィス家としても採用しやすいと思いますしね。」
「「そうですね。」」
2人が頷く。
「試作とは言っても結構な費用が必要になるでしょう。
・・・個人としては投資という形を取っても良いのでしょうけども。
一応、コンテナも船も契約上、発案料が発生する契約になっています。
ここで私からまた新たにとなるとちょっと面倒ですね。
なので、お仕事をローチさんに依頼します。
値引きは結構です。」
武雄が試作機の為に少し盛ってくれと言ってくる。
「わかりました。
それで、ご依頼はなんでしょうか?」
「キタミザト家の馬車についてです。
エルヴィス家と共用する事にしましたのでとりあえず1台追加します。
現在、エルヴィス家に納入している仕様と同じでお願いします。」
「はい、わかりました。」
ローチが頷く。
「それと・・・先ほどのコンテナ搭載の荷馬車・・・コンテナ搭載馬車ですかね。
これを下さい。
もちろん今作っているあの試作で結構ですよ。
あ、窓の所は改造してくださいね。」
武雄が言う。
「・・・いや、キタミザト様、流石に試作機をお売りは出来ません。」
「いろいろと手を加えていますし、使用強度も考えずにまずは乗せる事を考えています。
お売りするなら現在決まっている事を詰め込んだ新しい物を用意します。」
キャロルとローチが新たに作ると言い出す。
「・・・ん~・・・馬が引けるかの試験はしているんですよね?」
「それはしていますし、問題ありません。」
「ベアリングの試作も第1段階は終わっていて、スズネさんの言ったオイル系も今の所、問題なく出来ています。」
「試作機で良いですよ。
私に現行の試作機を売って貰って、ローチさん達は新しい試験機作ってください。」
武雄が動けば良いと言ってくる。
「・・・いや、やはり試験機は売れません。
ローチさんの言う通り、今の段階で決まっている物を組み込んだ新品をお売りします。」
キャロルが言う。
「そうですか?・・・ん~・・・そこは製造工房のいう事は聞かないといけないのかなぁ・・・
なら見積もりはヴィクターまで、研究所の3階にいますのでよろしくお願いします。」
「わかりました。」
「ちなみにそれで耐久試験をしますかね。
あ、結果が良ければ王城に1台売るつもりですよ。
もちろん何の原材料を使っているのかは秘密でね。」
「キタミザト様・・・また王都で何かしてきたのですか?」
キャロルがジト目で聞いてくる。
「・・・その・・・みんなして私が王都に行くと何かしてくると思うのはどうかと思うのですよ。
私は真っ当に話をしてくるだけですよ。
まぁ今回は宰相とかと話して、王都の研究部門が1台使ってみたいと言ったのでね。
とりあえず、耐久性を出して報告して内容が良ければ購入いただける運びになっています。
なのでボコボコにする気でやるので、新品でなくても良いんですけどね。」
武雄が言う。
「そうですか・・・では、新品の方が割と正確な評価が出来るでしょう。
新品を売ります。」
キャロルが言うとローチも頷く。
「はぁ・・・わかりました。
それと後々ですけど、1台購入して改造しますからその際はお手伝いお願いしますね。」
「キタミザト様がご購入を?
何をするのですか?」
「え?・・・簡易的な厨房セットを入れようかと。」
「うん、何を考えているんですか?」
「いや、旅とかで料理がしたくなった時に料理する場がなくて・・・作りますから!
これは趣味の領域ですからね!
文句は言わせませんよ!
というわけでさっさと作りたいので早々に仕様を確定させてくださいね!」
武雄が言い放つ。
「はぁ・・・わかりました。
出来るだけ、早く第1弾として製品化出来るように動きます。」
キャロルがため息交じりに言う。
「なんだか、その納得の仕方に不服がありますが・・・作ってくれるのを待っています。」
武雄が渋々頷くのだった。
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