第1935話 214日目 スミスとエイミーに報告。(タケオ、やっとクリームコロッケを作る気になる。)
寄宿舎にて。
「エリカ様に4時に訪問する約束を取り付けました。」
「普通なら約束を取るだけでも数日かかってもおかしくないのに・・・。
まぁジーナならおかしくはないのだけど・・・一応言っておくけど、タケオさんの部下であるジーナは特例なんだからね?
いつも会いに行けば対応してくれると思わない方が良いからね?
他の貴族とかは出来ないんだからね?」
エイミーが注意してくる。
「はい、ご主人様の影響力のおかげです。
これが第1皇子一家ではこうもすんなりいかないだろうとは想像つきます。」
「そうだね。
僕達もすぐに他の貴族と会えると思わない方が良いだろうね。」
ジーナとスミスが頷く。
「・・・王家は問題なくジーナには会いそうだけど・・・
間違っちゃダメだからね?
面倒な貴族だったら1回無礼があったら2度と会わないとかいう噂がある貴族もいるんだからね?
スミスは次期当主だけど正式にはまだ生徒なんだから変に目を付けられるわけにはいかないのよ?」
「「は~い。」」
エイミーの言葉に2人が返事をする。
「で・・・えーっと・・・
エリカさんはなんと?」
「概要はお伝えしていますが、明日もう一度スミス様の方から話を聞きたいと。
それとやり方は何通りかあるので一番しやすいものを選びましょうと言ってくださいました。」
「さ・・・流石、第3皇子一家の相談役ね。
何通りもすぐに思いつくなんて、タケオさんと比べられるわけだわ。」
エイミーが感心する。
まぁもちろんエリカが何通りも考え付いている訳もなく、大人達によって1つのシナリオしか用意されてないのだが。
協力者の第3皇子一家の相談役の株を上げておいて損はないだろうという事と少しの間とはいえ、一緒に旅をしたエリカを褒めるのは励ましにもなるだろうと思い、ジーナが何事もなく言ってのけている。
「まぁ・・・エリカ様は教養がありますしね。」
「教養だけでその発想力が付くなら我が国は発展しまくっているはずなんだけどね。
・・・そういえばエリカさんもタケオさんが連れて来ていましたね。
はぁ・・・優秀な人材ばかり集めるんだから・・・」
エイミーが呆れている。
「・・・エイミー殿下は明日はどうしますか?」
「どうって・・・ん~・・・
なんとなく・・・レイラお姉様が何かしでかすんじゃないかと思うのよね。」
エイミーが考えながら言う。
ジーナは「正確には王家の大人達ですよ」と思っている。
「どう考えてもエリカさんの話を隣で楽しそうに聞くレイラお姉様の姿が払しょくされないのよね。
レイラお姉様の事だからスミスに無理難題は言わないだろうけど、たぶんそれなりに面倒な事をさせようと考えると思うのよ。」
エイミーが考えながら言う。
ジーナは「まぁ相手はスミス様ではなく、エイミー殿下とパット殿下なんですけどね」と思っている。
「レイラ殿下は何をスミス様にさせるとお思いですか?」
「それは・・・わからないわ。
たぶん、私が考えられるような事ではないと思うのよ。
でも理由を聞けば納得できるような事をさせると思うわ。」
「はぁ・・・とりあえず僕は王城に行くと面倒な事が待っているのは確定のようですね。」
スミスが少し落胆する。
「ジーナ、とりあえず私も明日は王城に行くわ。
スミスがエリカさんと話している間はレイラお姉様やアルマお姉様と話をしている事にします。」
「畏まりました。」
ジーナが頷くのだった。
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エルヴィス家の客間。
「あ~♪」
「食べ過ぎました・・・苦しい・・・」
「きゅ・・・」
「ニャニャ。」
ビエラ、ミア、クゥ、タマが夕食を満喫してソファに一塊になって動けなくなっていた。
「ミアちゃん、クゥちゃん、食べ過ぎよ・・・」
アリスが呆れながら言う。
「カレーが・・・カレーがいけないんです・・・」
「きゅ~・・・」
2人は苦しみながら答えている。
「タケオ、チキンカレーは問題なさそうね。
料理長には肉の大きさは指示したんだけど、問題ないみたいだし、今後食卓にあがりそうね。」
客間の机に居るチビコノハが言ってくる。
「ええ、美味しかったですね。
コノハ、今度作ってみたい物があるのですけどね?」
「うん、なに作る?」
「1つはクリームコロッケですね。」
「タケオの考える方法は?」
「具を入れたホワイトソースを凍らせて、固まっているうちに衣をつけて揚げる。」
「うん、それで問題ないと思うわよ。
他にも作るの?」
「カレー味のコロッケとかは出来ますかね?
タネのジャガイモに練り込んでとかで。」
「うん、それも問題ないと思うわよ。
個人的にはコロッケのカレーはジャガイモの甘みが出るから少し多めに入れた方が良いと思うわ。」
「わかりました。
なら・・・料理長と話し合って今度作ってみますね。」
武雄が頷く。
「タケオ様、コノハ、コロッケがカレー味というのはどんな感じなんですか?」
「コロッケのカレー味よ。」
コノハが真面目に答える。
「うん、それはわかりますけど・・・はぁ・・・タケオ様が作るのを期待して待っていることしか出来ないのですね。」
アリスが諦めながら言う。
「まぁ・・・変な物はでないわよ。
アリスはとりあえずジェシーの宿題でもしていなさいよ。
タケオもすぐに作るとは言っていないんだからさ。
のんびり宿題を片付けようね。」
「はぁ~い。」
アリスが不貞腐れながら返事をするのだった。
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