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第1928話 国によって味が違うそうです。(まぁ土地が違えば味も変わるよね。)

雑貨屋にて。

皆が思い思いに物色しているのだが、武雄はというとカウンターで店長やヴァレーリの護衛の大隊長、ブリアーニの護衛長と雑談をしていた。

ちなみに毎回武雄が店員と思っていたのが店長だったのはこの時発覚するのだった。


「・・・パイプの葉が違うと?」

「はい、私どもが日常使っているのとは吸った感じが違います。

 まぁ大きくは違いませんがね。

 こちらの方が薄い感じですね。」

「私共の方とも違いますね。

 我が国のはもっと辛くて爽やかですよ。」

武雄がヴァレーリとブリアーニの護衛から聞き出していた。

「店長・・・パイプの葉の個人購入は良いんですよね?」

「まぁ旅先で買うなとは誰も言いませんよ。

 ただし母国に持ち込んでの転売は専売局から厳禁とお達しがきています。」

「でしょうね。

 その為の専売局ですし、ちなみにその変わり種のパイプの葉はありますか?」

「ええ、少々ありますが・・・帰りの分もと考えるとあまり多くは・・・」

「あ、私のパイプは3口程度で終えるので少々頂けるとありがたいのですが。」

「まぁ・・・良いでしょう。」

ブリアーニの護衛が少量を武雄と店長の前に置く。

武雄と店長が少量を掌に載せて囲うようにして匂いを嗅ぐ。

「・・・なんと言うか独特ですね。

 香草のような香りがします。」

「・・・」

店長はそう言うが武雄は眉間に皺を寄せて考えている。

ちなみに武雄の感想は「あ、これメンソールだ」だった。

「キタミザト様?」

店長が聞いてくる。

「いえ・・・私は予備のを使うとして・・・店長、確かキセルの残りありませんでしたか?

 残っていたら店長はあれを使ってください。

 私が火種を作ってあげますよ。」

「悔しいですけど・・・まだ売れ残っているんですよね・・・キタミザト様、買いませんか?」

「あと3個でしたか?」

「1個は私が今日使うので売れないですからね。

 あと2個です。

 専用の携帯ケースも付けますよ。」

「予備はいくつあっても良いとは思いますけど・・・不良在庫なんでしょ?

 まぁ・・・これからもパイプの葉を売って貰えるのでしょうから・・・しょうがありませんね・・・」

「ありがとうございます!

 では、持って来ますね。」

店長が小走りに奥に行くのだった。

・・

「うぇ・・・なんですかこれ?

 やけにスースーしませんか?

 これが香草の味なんですかね?」

店長が武雄が作った火種でブリアーニ王国のパイプの葉を試しての感想がこれだった。

「・・・うん・・・辛いというか少し痛いですね。

 辛味が強いという風に言えば良いですかね。」

武雄も眉間に皺を寄せてしまう。

「ははは、これに慣れていますからこの国のはあまり吸えませんね。」

ブリアーニの護衛が言う。

「「ん~・・・」」

武雄と店長が悩む。

「では、魔王国内のも試してください。」

ヴァレーリの護衛が言いながらパイプの葉をカウンターに出す。

「味が変わるんですよね?

 これ洗わないと。

 店長のも洗いますから桶とタオルください。」

「はい。」

武雄と店長はすぐに作業をし出す。

「いや、1回じゃ味は移りませんよ?」

ブリアーニの護衛が苦笑するのだった。

・・

「「濃厚・・・」」

武雄と店長が項垂れていた。

「貴国のは薄いでしょう?

 私はこっちに来て買ってみましたが、薄いので何回も吸ってしまいました。」

ヴァレーリの護衛が笑っている。

「キタミザト様、葉の種類が違うのでしょうね・・・」

「魔王国はそうでしょうね。

 ブリアーニ王国の方は配合ですかねぇ・・・

 ん~・・・」

「キタミザト様、輸入しての販売は専売局から禁じられてますよ。」

店長がボソッと言ってくる。

「そこまではしませんが・・・ん~・・・

 お二方とも、これは魔王国に行けば買えますか?」

「我が国のは国内に入れば手に入りますね。

 あとは地方領主の所だと種族的に好まれている物が別々に作っているはずです。

 確実に買うとなると王都に来て頂くのが一番でしょう。」

ヴァレーリの護衛が言う。

「魔王国にもパイプの葉が数種類あるんですね。

 ちなみにこの葉はランク的にはどのくらいなんですか?」

「我が国の王都で買える中では最上位ですね。

 貴国のと同じような味となると上から3つ目です。」

「お高い葉だったのですね。

 すみません頂いて。」

「構いませんよ。

 貴国の葉のような味が好きな者もいますし、私のように貴国のと比べると濃いのが好きという者もいます。

 まぁ・・・役職が上がると高ランクの物を買わないといけない雰囲気があるのは確かではありますがね。

 私だって最初は貴国の味を良く吸っていたんですが、今ではこの葉でないと満足しなくなってしまいましたよ。」

ヴァレーリの護衛が笑いながら言う。

「そうなるとキタミザト様、3種類の内で真ん中を買っているのですけど・・・最上位にしますか?」

「私の周りにはタバコの葉の値段で役職を見る人はいませんよ。

 いつもどおり真ん中で良いです。

 ブリアーニ王国のは魔王国の王都で買えますか?」

「ん~・・・魔王国でも好まれないので・・・

 カールラ様が何かキタミザト殿に送る際に一緒にお送りしましょうか?

 銀貨1枚分からお送りしますよ?」

「あ、そうしようかな。

 シュワシュワな白ワインを頼むのでそれの見積もりなり現物を送ってくれる際に乗せてくれますか?

 銀貨3枚分送ってください。

 贈答用に使いたいので。

 お代は・・・先払いしておきます。」

「わかりました。」

武雄が銀貨3枚を渡すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] メンソール系……目覚ましに良かったりするんだろうか?
[一言] メンソールは風邪ひいたとき便利だったな
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