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第1927話 まずは少量購入をしよう。(ヴィクター、頑張れ。)

試飲を終えて。

「「ん~・・・」」

ローと武雄が腕を組んで悩んでいた。

「難しいですか?」

シモーナが聞いてくる。

「味は問題ないと思いますけど・・・炭酸が強いですよね。」

「白ワインの味はしっかりと出ていますね、でも後味が炭酸でかき消されている感じでしょうか。

 残り香は白ワイン特有の甘い匂いなのですけど・・・ん~・・・」

武雄とローが飲み終えたグラスを見ながら言う。

「総じるとどうでしょうか?」

「味は問題ない、けど人を選ぶ・・・ツマミを選ぶのかな?」

「ほほほ、そうですね。

 このワインだけで飲むというのは考えづらいですね。

 という事はこれにあったツマミを用意すればそれなりな注文は頂けるでしょうか。

 キタミザト様、如何しましょう?」

「とりあえずエルヴィス家と研究所で試飲すればいいから・・・4本・・・5本かなぁ。

 ローさんはどうしますか?」

「私は20本は頂きたいですね。

 お得意様に紹介して反応を見たいです。」

「あ~・・・贈答用として考えれば珍しさから適しているかもか・・・

 王家とオルコット宰相、王城の料理長には送っておくかな。

 なら11本にしようかな。」

武雄が考えながら言う。

「ふむ・・・シモーナ殿、会わせて35本にしましょう。

 見積もりは・・・キタミザト殿?」

「今回は試飲なんですから貰ってないですし、これからですよ。

 シモーナさん、とりあえず見積もりください。

 35本は最低でも買いますのでそれは先行手配して構いません。」

武雄が言う。

「では、戻り次第、35本を買えるように手配します。見積もりと注文書を送付しますから依頼してください。

 ・・・まぁ同行頂いているカールラさんに事前に言っておくだけですけ・・・あれ?

 兄さんはどこに?

 先ほどまで居たと思いましたが?」

シモーナが辺りを見回す。

「あぁ、ちょっと用事をね。

 削り節器と玄米精製機の見積もりを作ってくるように言ったんですよ。

 今日にでもシモーナさんに渡すようにしようと伝えたら、すぐにでも見積書を作って持ってくると言ってね。

 まぁヴィクターは今日中には渡すと言っていましたので少々外れました。

 この後の雑貨屋は私が随行しますよ。」

武雄が言った事は半分は嘘で今ヴィクターが作っている最中だった。

ちなみに削り節器と玄米精製機のキタミザト家宛の見積もりは昨日のうちに精霊通信にて鈴音に伝達済み、一応、客観性が必要だと考え、テイラーがステノ技研の見積もりを作成していて今頃、サリタが研究所に持ち込んいるはずなのだ。

ちなみに粗利はステノ技研が15%、テイラーはさらに5%、キタミザト家はさらに10%となっている。

納得するかわからないが、「受注生産としているし、初回だしね」と武雄が決めていた。

「そうですか。

 なら今日中には手に入るのですね。」

「ええ、シモーナさんへの売値ですよ。

 今回は初回で個数も少ないので少し割高です。

 個数がそれなりな数になれば割引も出来たのでしょうけどね。」

「わかりました。

 それはしょうがありません。

 えーっと・・・私の方は用事が終わったのですけど・・・」

シモーナがとある酒盛りしている人達を見る。

良く見るとローの息子が毎回会計をしているようだった。

「ダニエラさん、カールラさん、そろそろ移動しますよ。

 飲んで買う物買ってくださいね。」

「「え!?」」

2人は驚き、すぐにグラスに残っていたワインを飲み干すと部下達を焚き付けて飲み終わらせ、次々に買う物を決めて行く。

「・・・ローさん、在庫あります?」

「ほほほ、大量購入ありがとうございます。

 この程度、さして問題もありませんよ。

 これでワインも少々輸出出来れば良いんですけどね。」

「それはなんとも・・・向こうから輸入する量が増えるかもしれませんよ?」

「それはそれですよ。

 大量には出回らせませんが、もしそれで領内のワイナリーのワインが売れなくなるのなら売れる商品を作らないといけないという事がわかったという事でしょう、ほほほ。

 まぁ少しずつ味を変えていくしかないとも思いますよ。」

「今でも十分美味しいですからね。

 隣国と競い合って皆が求めるワインが出来れば良いですね。」

武雄とローが頷くのだった。

・・

「はぁはぁはぁ・・・一気に買ったわね。」

「在庫があって良かった良かった。

 これで皆の土産も出来たし、今日の夕方には宿に持って来てくれると言っていたし、問題ない。」

「宿まで持って来てくれるのは良心的な店でしたね。」

「うんうん、ウォルトウィスキーが無かったのにはガッカリとしたが、まだ一般向けには売っていないという事なんだろうな。」

「そうだね。

 それでも意外と種類を置いていたよね。

 うちのワインとかも頼めば置いてくれるかな?」

「カールラ、そもそも魔王国内にもブリアーニ王国のワインは少ないんだぞ?

 まずはそっちを多くしてくれると助かるんだがな?」

「え~?・・・結構な量を出していると思っているんだけど・・・足らないの?」

「足らないなぁ、ウォルトウィスキーに比べればあるが。

 キタミザト殿から増産はこれからとも聞いているし・・・待つしかないだろうが。」

ブリアーニとヴァレーリが話し合っている。

武雄はその様子を横目で見ていたのだが、「あれ?ローさんの所でウォルトウィスキーを取りまとめていると知らないみたいですね、まぁ言う気はないですけど」と思っていたりするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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