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第1918話 昼食会はおわりました。(さ、報告や買い物に行こう。)

シモーナ一行が去ったエルヴィス家では。

「疲れたのぉ。」

「疲れましたねぇ。」

「気疲れですね。

 ふふ・・・まぁ最後の瞬間が楽しかったですが。」

武雄がクスクス笑っている。

「あ~・・・タケオ、ああいった危険な賭けをする物ではないの。」

「でも、一目見たいというのは希望が出ていましたし。

 あのぐらいが良いのではないのですか?」

エルヴィス爺さんが呆れ、アリスは武雄を擁護していた。


武雄が何をしたかというと玄関でのお見送りに子供達を同席させたのだ。

ヴァレーリとブリアーニは一瞬目を見張り、子供達が奴隷の首輪はされていたが、雰囲気に陰りは見えず、目が生き生きとしていた事を確認し「今後ともよろしくお願いします」と深々と頭を下げて出て行った。


「まぁ、どうだろうの。

 してしまった事を悔いてもしょうがないのは確かだが。

 2人の反応を見れば大事にはなるまい。」

「あれが何かしらの牽制になるのでしょうか?」

エルヴィス爺さんとアリスが言う。

「牽制とまでは行かないまでもちゃんと対応しているとわかってくれているだけでも今後のお付き合いは穏便になるでしょう。

 それに・・・シモーナさん達、いつ出立なんでしょうかね?」

「うむ・・・それはヴィクターが聞いてくるじゃろう。

 わしらはそこを聞く必要はないし、聞いても意味がないのだから聞いてはならぬの。」

「そうですね・・・小麦等の輸出に向けてはエルヴィス家が動きますし、スミスには正式に依頼が行きますから・・・

 タケオ様の報告ももうすぐジーナちゃんに着きますね。」

アリスが言う。

「そうですね。

 まぁジーナの事ですからしっかりと陛下に伺ってから行動してくれるでしょう。

 あ、それとレイラさん宛の手紙は陛下の許可後に渡されるでしょう。

 許可が出なければ、頃合いを見て陛下が渡してくれると思います。」

「はい、それで結構です。

 要は慣例の戦争の対魔王国側の戦力が判明し、王都に正式に報告が行った際に取り乱さないおよび不安にならなければ良いので今の段階で知る必要はないのですから。

 それとジェシーお姉様の方は陛下からゴドウィン伯爵に向けて命令が出て、この地に避難してくるというのが前の話でしたよね?」

「そうですね。

 陛下として今回のダニエラさんの報告という脅しをどう受け止めるのか・・・

 そこで多少は指示が変わる可能性はありますけど、ジェシーさんの避難は前々からの指示ですし、今回の対魔王国の兵士数の問題を加味すればなおの事避難を指示するでしょう。

 万が一はこの地の精霊達に出番が回ってしまいそうではありますが・・・少なくともテイラーさんにはお願いしています。

 あと研究所のトレーシーさんも使えるでしょうね。

 テトは・・・鈴音が非戦闘員なのであまり助力は出来ないかもしれませんが使えるでしょう。」

武雄が言う。

「そう言った事態にならないようにしないといけませんね。」

「まぁ夕霧達が監視していますからね。

 多くが集まる前に少数の内に撃破しておくというのが理想ですね。」

「ん~・・・まぁ今から考えても仕方ないですね。」

「ええ、どうなるかはなってみないとわかりませんよ。

 と、私はステノ技研に行ってきます。

 王都での例の契約の話をしてきます。」

「うむ、わかった。

 わしらはのんびりとしておこうかの。」

「はい、お爺さま。

 タケオ様、いってらっしゃいませ。」

エルヴィス爺さんとアリスが「家でマッタリしています」と見送るのだった。


------------------------

シモーナ一行はというと。

「キタミザト殿からは許可が出ました!店長殿!」

ラルフの仕立て屋にてブリアーニが頑張っていた。

「・・・こちらが技術提供をした場合の一式のお見積りです。」

ラルフが諦めながらブリアーニの前に見積もりを出す。

その様子を店内の従業員達は「店長、凄い」と先の見通しの的確さに驚いて見ていた。

「・・・はい・・・」

ブリアーニがそういって見積書を見始める。

「・・・」

ラルフが何も言わず、何も微動だにせずその様子を見ている。


「・・・カールラの負けだな。

 これでは向こうからの要求を飲むしかないだろうし、こちらから別の要求するなら断られる可能性もある。

 時間を置いた事が仇になったか。」

離れた場所から見ているヴァレーリが呟く。

とヴィクターが店内に入ってくる。

「はぁ・・・宿に居ないと思ったらここでしたか。」

ヴィクターがヴァレーリの下にやってくる。

「あぁ、例のトレンチコートの製造、販売許可の交渉だ。

 ここの店長殿が先に見積もりを出して、今カールラが確認中だ。

 シモーナさんは奥に行っている。」

「そうですか・・・ラルフ様は切れ者ですので、損はないでしょう。」

「さぁてどうなるのやらな・・・あ、ヴィクター、スポーツブラとか目新しい下着があったんだがな?」

「・・・それを私に言ってどうするのですか?」

ヴィクターが訝しがりながら聞く。

「すぐではないがシモーナさん経由で後々、輸入して貰う事になるだろう。

 先程、カタログと試供品を貰ってしまったのでな。

 この肌触りの下着なら女性陣が食いつく可能性もある、近い者達に自慢しておくからな。」

「はぁ・・・私に調整をしておけと?」

「そうは言っていない。

 輸出品目になるから頭に入れておけという事だ。

 シモーナさんが今下着の選び方の講習を受けている。」

「・・・はぁ・・・」

ヴィクターが深いため息を吐くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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