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第1917話 ちょっと遅めの昼食。(皆は満足そうだ。)

「ど・・・どう?」

ヴァレーリがチキンライスを食べているブリアーニに聞く。

「うん、美味しい。

 似たような物は王城で食べた時はもっと酸っぱかったんだけど甘く感じるわ・・・これはどれが起因かな?」

ブリアーニがレシピ本を見ながら確認している。

「そうなのですか。」

「・・・なんでダニエラがホッとするの?

 まさか!これを!?」

「いや試作はしましたけど、料理として作っているのはカールラの所の料理人とここの料理人。

 さっさと覚えて作っていましたし、どれも同じ味でした。

 私の味覚的にも問題なかったのですけど、カールラが一番トマト系は食べていますから・・・違いがあるのかなと思って。」

「そう・・・前にお城で食べた時はもっと酸っぱかったわ、それに水加減なのかなぁ・・・もっと米同士がくっついていて、ここまで混ざってはいなかったなぁ。」

「ふむ・・・なるほど。

 となるとキタミザト殿の指摘は間違いないか。」

「ん?どうかしたの?」

「いや、料理中にキタミザト殿やここの料理人、カールラの所の料理人と雑談もしながらしていたんですよ。

 その中で炊き込みご飯と今回の炒めご飯の違いの話もあったんですよ。

 ちなみにこのチキンライスは炒める方。

 普通に炊いて、後で具材と一緒に炒めるという手法なんですよ。」

「うんうん。」

「キタミザト殿的には一緒に炊く際は味は薄めの出汁を基本に。

 炒める際は追加する味を濃い目でするのが基本だと考えているという事でね。

 カールラの所は一緒に炊く際もトマトの味を濃い目という事で、ムラが出来たか、むしろ長時間米と炊いた事で味に変化があったのでは?

 と推理していたんです。」

「うんうん。」

「キタミザト殿的には考えていなかったけど、味が変化する事がわかっているのならそうなる事を前提に味付けすると良いのでは?とも言っていてですね。

 自分の考えのみがという事を押し付けずに柔軟に料理の幅を出そうと考えているというのが今回の料理でわかった事です。」

「うん、うちの料理人大丈夫だった?」

ヴァレーリの言葉に頷きながらブリアーニが聞く。

「感銘を受けていた・・・いや、あれは感心していた感じですかね。

 自身が作り出した料理に固執せず、皆が好きにしても良い。

 でも基本的な事は教えて米の料理としての王道は残させる。

 そんな感じですね。

 あの感じで料理を教えているのなら昔気質の料理人達はこぞって頭を下げるでしょう。

 キタミザト殿の柔軟な料理の教えはまさに考えもしなかった教育方法でしょう。

 これで少しは伝統的なレシピを固持しなくなれば良いんですけどね。」

「柔軟な発想かぁ・・・まぁとりあえず今後はこのチキンライスの亜種がどんどん出来ていくんですね。」

「まぁなぁ、なんでも入れる食材を変えるとまた違った味になるはずだという事で、今後は各種ソーセージや干し肉を使ってみたり、肉の種類も変えてみようと話していてですね。

 何種類も出来るだろうと話していました。」

「はぁ・・・楽しみが増えますね。」

「うんうん、で・・・このチキンソースカツ丼なのですが・・・」

「ええ・・・売り込みだね。」

ヴァレーリとブリアーニがチキンソースカツ丼を恨めしそうに見る。

「輸入・・・何とかして貰おうな。」

「ええ、少量で良いからこっちにもね。」

ヴァレーリとブリアーニが呟くのだった。


「ん~♪美味しいですね。

 これで我が家の料理が1つ増えました♪」

「たまにはこういう物も良いな。

 キタミザト殿、良くやった。」

アリスとエルヴィス爺さんが喜んでいる。

「ありがとうございます。

 まぁ、ブリアーニ王国の料理人とも話せましたので、再現可能な向こうの料理も近日作ってみる予定になりました。」

「ほぉ、この地に居てブリアーニ王国の料理とな。

 うんうん、どんなのが出るのだろうな?」

「魚の香草の包み焼きらしいですね。

 ですが、香草なので蒸すのもありかなぁとは思います。

 ちょうどプリンで似たような事していますし。」

「うむ・・・わからぬが、タケ・・・キタミザト殿がしたいというならしてみるのが良いだろう。

 そのプリンの作り方も教えたのだな?」

「はい、料理人の方に驚いて貰いました。

 一応、普通のプリンとはちみつプリンはお教えしましたよ。

 その話の延長で魔王国で少量しか流通していないはちみつがあるので入手したらこっちに輸出してくれると約束してくれました。」

「ほぉ、それは楽しみだな。」

「ええ、はちみつは地域や花の種類によって味や風味が違いますからね。

 楽しみです。

 あと料理長がアズパール王国内のはちみつを集めてみると言っていましたのでそちらも楽しみです。」

と武雄が楽しそうに言う。

「タケオ様、楽しそうですね。」

アリスがにこやかに言う。

「楽しいですよ。

 国内国外問わずに美味しい物を集められるんですからね。

 同じ料理でも毎日味が変われば飽きも少なくて済みますし。」

武雄が言う。

「あの~・・・キタミザト殿?

 そのはちみつの輸出は可能ですか?

 シモーナさん経由で魔王国の王都に卸して貰いたいんですけど?」

ヴァレーリが言ってくる。

「ん~・・・シモーナさんと話すか。

 それか向こうとこっちからのはちみつの輸出入に同じ規格の小瓶を使えば輸送が楽になるか。

 シモーナさん、魔王国側の調査出来ますか?

 出来ればこっちで使っている物が理想ですが、魔王国で普通に使用している物に合わせる事もしないといけないかもしれませんので。」

「わかりました。

 明日、この地のはちみつを数個買いますから、戻って魔王国内で流通されているはちみつとの違いを確認します。

 あとブリアーニ王国との取引も私がいたしますのでご心配なく。」

「動きが早くて助かります。

 よろしくお願いします。」

武雄はなんだかんだとシモーナは大手輸出入業になり始めるのではと思うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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