第1894話 ベルテ一家にご訪問。(オムライス美味しいよね。)
武雄達はベルテ一家の家に到着していた。
「はい、キタミザト様。」
ジルダが武雄にダンディ茶を出して席に着く。
「はい、ありがとう。
ドナートさん、ニルデを借りてすみませんね。
アスセナさんの補助をお願いしてしまいました。」
「いえいえ、私達もキタミザト様の部下です、お好きにお使いください。
それにやる事はアスセナの手伝いで力が必要な事ではないと伺っていますので問題はないでしょう。
今日の畑仕事は雑草取り程度ですから1人居なくても問題はありません。」
ドナートが言ってくる。
「そう言ってくれてありがとうございます。
魔王国一行の監視をお願いしているんです。
約2名程フラッとどこかに行きそうでね。」
武雄が苦笑しながら言う。
「ん~・・・私達も女王陛下に会ったこと自体はありますが、そこまで詳しくはわからないので・・・国のトップがそんなにフラッと居なくなるのでしょうか?」
ドナートが聞いてくる。
「わざわざアズパール王国まで遊びに来るような人ですよ?
ブリアーニ王国からすれば魔王国経由しているから相当遠いはずなんですけどね。」
「それだけ米の事が気がかりなんでしょう。
事実、私達も米の美味しさに驚きましたし、それが国のトップという立場では相当な衝撃だったのではないでしょうか?」
ドナートが言う。
「それでわざわざ外遊に?」
「足を運んで美味しい物を食べたいという感じなのではないですか?
それだけの我が儘を言える立場でもありますし・・・キタミザト様に料理でも教わりに来たんではないですかね?」
「ははは、まさかぁ~?
そんな手紙で済むような・・・そうか、レシピは秘匿されるような物でしたか。
・・・え?・・・じゃあ、米料理食べに来たのかな?
街中にはないんだけど・・・他に何か美味しい物でも探しているのかなぁ・・・」
武雄が段々不安になりながら独り言を言う。
「この街というかキタミザト様にしか提供できないといえばカレーですよね。
米にカレーをかけて食べるの美味しいですよね。」
「美味しいよねぇ~。
キタミザト様、明日の喫茶店の昼食は初のカレーだそうですよ?」
エンマとフローラが言ってくる。
「え?そうなのですか?
じゃあ、今日か明日のエルヴィス家はカレーが出てきますね。
いつも同じじゃ悪いからちょっと変えるか・・・」
「「新しいカレーが出来るんですか?」」
エンマとフローラが目を煌めかせながら聞いてくる。
「新しいというか、食材変えるだけですよ。
いつもと違った肉を使うとか野菜を変えるだけでも味が違いますからね。
あ、それにタマネギのみじん切りと鶏肉の小さいぶつ切りをフライパンで炒めてからバターとカレーを少々入れて混ぜて炊いた米と一緒に再度炒める、カレーのチキンライスとか美味しそうですよね。
あ~・・・思ったら食べたくなって来たなぁ。
上にトロッとした半熟状態の卵のオムレツを乗せようかなぁ~。」
武雄が途中から料理を考案し始めてしまう。
「タケオ様、美味しそうなのですけど、今は違いますよ。」
アリスが言ってくる。
「おっと!そうでしたね。
エンマさん、フローラさん、明日カレーは入手出来るのですか?」
「いえ、明日の当番の者達の昼しか出ません。
明日は私が行くんですけどね。」
フローラが言う。
「そうですか。
・・・うん、じゃあ、今日のニルデのお手伝いのお礼にカレーを人数分持って帰って良い事にしましょう。
私から言っておきます。」
「「「やったぁ♪」」」
エンマとフローラ、ジルダが喜ぶ。
ちなみに今日はボーナお母さんが喫茶店に行っている。
「カレーですか、良いですね。
牛乳風味のパンを用意しなきゃいけませんね。」
「あ、ナンですね。
あれも牛乳の分量によって味が変わるのでそこで家の味が変わるかもしれないですね。
と、話を戻しましょうか・・・というか何の話でしたっけ?」
武雄が当初の話の流れを見失っていた。
「えーっと・・・それで・・・女王陛下は来られるのでしょうか。」
ドナートが思い出しながら聞いてくる。
「そこは未定ですね。
まずは今日の午後お会いしてお話合いをします。
こちらから積極的に言う事ではありませんが、聞かれたら答えます。
まぁご一家には何度も言っていますが、申し訳ないですが、25年はこの地でお願いします。
何とか米の収穫量を増やしていきたいんですよ。」
「はい、そこはわかっております。」
「「任せてください。」」
ドナート、エンマ、フローラが頷く。
「あ、米を1袋頂けますか?」
「ウカから聞いて、用意してあります。」
エンマが言う。
「ええ、ありがとうございます。
ウカは大人しくしているようですね。」
「はい、ウカ達は大人しいですよ。
今も姿を消してはいますが、この会話も聞いていますし。
あ、ウカから伝言です。
『カレーのチキンライスとオムレツプリーズ』だそうです。」
エンマが苦笑しながら伝言を伝える。
「ははは、それはまた今度ね。
まぁとりあえずそこは魔王国一行が帰ったら食べましょう。」
武雄が答えるのだった。
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