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第1890話 キタミザト家内の情報伝達の速さ。(・・・異様に早いよね。)

レストランを出たヴィクターが辺りを見回している。

「ヴィクター様、お疲れ様です。

 お客様にご説明は終わりましたか?」

「お疲れ様です。」

アスセナとニルデが近づいてきて声をかける。

「ええ、ニルデ様、ダキニ殿にお願いして、パナ殿とコノハ殿に連絡を。

 行程は予定通り、進んでいますが、どうもダニエラ様が懐中時計に感づいているようだと。

 それと9時半以降にベッドフォード様の青果屋に向かわれるともお伝えください。」

「はい!・・・連絡取りました。

 キタミザト様とアリス様は一緒に午前中はベッドフォードさんの店に行ってからベルテ一家に寄って、研究所を経由して伯爵様の屋敷に戻る予定だそうです。

 当初の予定よりも早めに屋敷を出ると言っているそうです。」

「はい、わかりました。

 アスセナ、私は軽く朝食を取ってきます。」

「私達は先ほど食べ終わりました。

 目立たないようにご一行の行動を見ております。

 万が一は、私達は動かずに初雪様から預かっているスライムが後を追うようにします。」

「ええ、一応宿から出ないようにとはお願いしましたが・・・すぐに戻ります。」

ヴィクターが一旦、その場を離れるのだった。


------------------------

シモーナ一行が泊まる宿の向かいのレストラン。

「なんであんなことを言ったの?」

ブリアーニがコソッとダニエラに聞く。

「ん?あぁ、昨日の酒場でな、ヴィクターやキタミザト家の監視の者が定期的に懐から何か出して確認していたんだ。

 たぶん、時間はあれの事を指すんだろうな。

 一体どんな物なのか気になってな。」

「あれだけ飲んで良く見ているわね。」

「カールラ、普通、上に立つなら飲みながらでも周りの動きを見ておくものだろうが。」

「そんなのダニエラしか出来ないわよ。」

ヴァレーリとブリアーニの双方がお互いに呆れる。

「はぁ・・・無礼講というのがあるがな、あれは部下に酒を飲ませて本心を聞き出す上司が使う交渉手段の一つだろうが。」

「それって本人は酔わないって事?」

「当たり前だろう?

 酔っている風を飲んでいる風を装うのが上司の技能の一つだろう。」

「いや、そんな技能ないし、それじゃあ上司は楽しくないし。」

「楽しい飲みがしたいなら部下を排して個室で同格の者と飲む事を勧めるぞ。

 部下の前で飲んだくれる上司なんて目も当てられない。

 少なくとも我はそんな姿を部下に見せる気はないな。

 カッコ良くない。」

「意識高いわね~。

 簀巻きは良いくせに。」

「遊びと飲みは違うさ。

 まったく・・・我が酔っていないと皆知っているから飲まないんだよなぁ。」

「あ、バレているのね?」

「もっと飲めば良いのに。

 ま、我が飲んでいるのに水を飲む者はおらんがな。」

「ペース物凄くゆっくりそう。」

「全くだ。」

ヴァレーリとブリアーニがコソコソ話し合っている。


「ダニエラさん、カールラさん、宿に戻ってのんびりしましょう。」

「「はーい。」」

シモーナに促されて2人は素直に返事をする。

頭には時計の事などさっぱりとなくなっているのだった。


------------------------

エルヴィス家の食堂。

エルヴィス爺さん、タケオ、アリス、パナ、コノハ、ビエラ、クゥ、スー、夕霧が揃って食事をしていた。

「あ!テトちゃんからだ。

 タケオ!玄米精製機がほぼ完成したから米で最終試験したいって!

 うーちゃんとエンマに配達よろしくって言っているよ?」

コノハが食事をしながら言ってくる。

「へぇ~、もう出来たんですか。

 一応、このあと寄るので私が米を屋敷まで持って来て、話合いが終わったら持って行きますよ。」

「はーい、伝えとくね。

 あ、ニオから追伸が来た。

 タケオが依頼した微振動を使っての比重選別機について、よくよくテイラーと話し合った結果、テイラーが頭を抱えました。

 つきましては新たな方法を模索したいので打ち合わせしましょう・・・だって。

 タケオ、何しでかしたの?」

コノハが言ってくる。

「あ~、テトが高速微振動の剣を作ったと聞いたんで、その原理を用いて唐箕から出たのをゴミと玄米に選別出来る装置を作れたらなぁと。」

「・・・テトちゃんのって前後に高速振動じゃなかったっけ?」

「え?ダメですか?

 斜めに置いた鉄板の底をそれで叩いたらと思ったのですが、どうですかね?」

「叩くのが1点に集中するんだから穴開くんじゃない?」

「あ~・・・ならオルゴールの中身のような円筒形にボツボツを作って、高速で0.1mm程度鉄板を振動させたら?」

「・・・それならいけるかなぁ・・・

 まぁどちらにしてもテイラーと相談してあげなよ。」

「わかりました、時間があったら話しましょう。

 急ぐことじゃないですしね。」

「テイラーも大変ね。

 あ、それと・・・だーちゃんからもだ。

 魔王国一行は予定通りに行くと説明したのはさっき聞いたけど、今の所大人しく宿に入ったって。

 それと2件ほど、また新しいピザメニューを発見したって!

 アスセナとニルデは試しに食べたんだぁ・・・アリス、メイド長に言ってメイドさん派遣しなきゃ!

 市場調査よ!」

「はいはい、そこは時間があればね。

 よし、食べ終わった。

 コノハ、すぐに出るからね。」

「もう食べ終わっているわよ?」

「うん、早いね。

 お爺さま、出かけます。」

「うむ、タケオ、アリス気を付けての。」

武雄達はやっぱり情報を握っているのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今日は、本当に疲れた。 バカ温かい陽気もあって。 そんな時、この作品を読むと「ほっと」する。 [気になる点] >「ええ、ニルデ様、ダキニ殿にお願いして、パナ殿とアリス殿に連絡を。    …
[一言] ・・・・・う゛ぁれーりさんが何やら仰ってますが・・・え?不敬だって?知らんがなw だってそれ単にあーたが『酔っぱらえる』前に周りの人が潰れてる、つまり単にあーたの酒量が底無しってだけでしょお…
[一言] 夫婦揃って一騎当千 出るとこに出れば優秀な試験小隊 魔族、竜、スライム、獣を従え 商売も好調、情報も抑えてる 何こいつら怖い 素直に報じられてるとか信じられない と思われたら大変ですね
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