第1884話 緊急を要する物は案外少ないのね。(ヴァレーリ達は今日も飲みだ。)
武雄は皆に王都での話を終えていた。
「ほぉ・・・ジーナがの。」
「そうですか。
なら下着多めに送っておきますね。」
エルヴィス爺さんとアリスが頷く。
「ええ、それと生理の対応品見ましたけど、ちょっとかわいそうなんですよね。
なのでアリス、生理用品とおむつの開発をしてみませんか?
補助に鈴音を付けますよ。」
「ふむ・・・さっき言っていましたが、確かにタケオ様ではやり辛い分野ですね。
化粧水作りますからその一環でやってみましょうか。
女性用の化粧品と生理用品なら一緒にした方が良いのでしょうか。」
「化粧水?・・・あ、夕霧が前にアロエを時雨が探していると報告していましたか。
アロエの確保をしに行くのでしたよね。」
「はい、タケオ様、準備していますからその辺が決まったら打ち合わせしましょう。」
「ええ、そうですね。
アロエの化粧品かぁ・・・パナ、コノハも補助になって貰いましょうか。
パナ、やる事多いですが、お願い出来ますか?」
「問題ありません、コノハも大丈夫でしょう。」
「うん、こっちもOKよ。
アロエは使い勝手良いしね。
タケオ、生理用品ってナプキン?」
チビパナとチビコノハがそれぞれ実体化して言う。
「ええ、ですが高性能はまだ見込めないでしょうからね。
あくまで下着と服を汚さないようにとの一時しのぎですね。
すぐに替えられるように小さくして持ち運べたらと思います。
それに防水性の布を作りますからね、少し大き目の巾着袋でも作ればその中に入れておけば漏れは少ないでしょうし。
いろんな布を使ってみたいのでナプキンはラルフさんの所を頼ってみようかと思うんです。
パナ、提案書を作ってくれましたよね。
コノハに見せてください。」
「はい。」
パナがコノハに紙を渡す。
「はい、どれどれ・・・・うん、わかったわ。
でもパナちゃん、想定人数が低すぎね。
提案するなら1割じゃなくて3割にして出した方がまだ事業化に向けて良い印象を与えるし、向こうの試算でさらに半分程度にするはずだから・・・数字上は少し多く出した方が良いわ。」
「わかりました。
手直しして渡します。」
パナが頷く。
「手紙にもあったが、例の小麦の買い付けは実施出来るのじゃな?」
「はい、ジーナに話はしてあります。
レイラさん達の協力の下、第1、第2皇子一家から買い付けます。
丁度、殿下方が居たので陛下から実施要請が行われていますし、オルコット宰相からは損失時の補填は少々あると言われています。
王家の協力は取り付けてあります。」
「うむ、下準備は上々なようじゃの。
あとは・・・シモーナ殿がどういう依頼を持ってきたか・・・だが。」
「見積もりを2種類でしたね。
多い方を選んで貰っていると睨んでいますが、エルヴィス家としてはどうですか?」
「多い方が採用されると予想し、事前の準備は終了しています。
キタミザト家より注文を受けてから9日で東町より発送します。
タケオ様の方はどうでしょうか?」
「正式文書はすぐにお送りします。
緊急として送るので約2日、彩雲か紫雲でジーナには1日で到着させ陛下の耳に入れておきます。
魔王国王都からの視察同行は専売局、外交局、軍務局の誰か。
少数でお願いをする事になるでしょう。
私と試験小隊は出立・・・アリスは行きますか?」
「はい、行きます。
と言いたいのですけど、流石に国外だと私はいけませんね、家で大人しくしています。
アロエはタケオ様が戻ってからですが、生理用品はその間に打ち合わせもしておきます。
タケオ様、ヴィクターとジーナの故郷の様子も見て来てくださいね。」
「ええ、わかりました。
特段、他にはないですかね?」
「うむ、タケオはまず輸出と視察交渉を上手くまとめる事じゃ、我らはスミスに穀物の依頼を上手く経験させる事に注力しようかの。」
「「「はい。」」」
その場の皆が返事をするのだった。
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エルヴィス伯爵邸がある街の酒場。(昨日とは違う店にて)
「ほぉ、ここはウスターソースのメニューが多いのだな。
酒は・・・なに!?ウォルトウィスキーがあるだと!?」
「本当!?すぐにあるか確認しなくちゃ!?
すみませーん!」
驚くヴァレーリとブリアーニ、メニューも決まらないままに店員を呼ぶ。
護衛の皆は慌ただしく、注文する物を決めにかかるのだった。
「兄さん、これ。」
シモーナが紙に包まれた物をヴィクターに渡す。
「うん?なんだ?」
「ジーナ、1人で頑張っているんでしょう?
これジーナにプレゼント。」
「・・・ん~・・・お前どこで買ったんだ?
ラルフ様の仕立て屋では奥に行ってなかなか出てこなかったが。」
「あ~・・・あれね、カールラさんが激しく打ち合わせしてたから私達は奥で打ち合わせしてたの。」
「一緒にすれば楽だったろうに。」
「そういう訳にはいかないさね。
あっちはどちらかといえば技術買収みたいなもんさね。
でもこっちは流通だしね。
具体的な話をしていたのさね。」
「ふむ・・・有意義だったか?」
「ん~・・・スポーツブラはつけてみたけど良い感じさね。
あれなら少し手を加えると可愛く出来ると思うのよ。」
「お前、歳を考えろ。」
「余計なお世話さね!」
ヴィクターとシモーナが話し合うのだった。
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