第1881話 帰宅。(疲れたねぇ。)
エルヴィス伯爵邸の前に馬車が着く。
「あ~・・・着きましたね。」
武雄が馬車を降りて伸びをしている。
「あ~!」
「んー・・・!なんだかんだと長かったですね。」
ビエラとマイヤーも降りてきて一緒に伸びをする。
夕霧は浦風を抱えて降りてくる。
「所長。お疲れ様です。」
「この後は引き渡しですね。」
オールストンとブレアも御者台を降りて馬を労いながら言う。
「おかえりなさいませ、タケオ様。
皆様も無事に着かれて何よりです。」
「「「キタミザト様、お帰りなさいませ。」」」
フレデリックと執事とメイド達が玄関から出てくる。
「フレデリックさん、戻りました。
馬車は?」
「こちらで対応いたします。」
「わかりました。」
「・・・キタミザト様、荷物が少ないようですが?」
執事が馬車を確認しながら言ってくる。
「あ~、極力軽くするためにリュックにしまいましたよ。
マイヤーさん、とりあえず大きい荷物は明日にでも渡します。
今は・・・旅に持って行った服とかを返却しますね。」
武雄がマイヤー達が持って行った個人の荷物をリュックから取り出し並べ始める。
「はい、なら今日は解散ですね。
明日はどうなっているかわからないので通常通り研究所に出向いてから予定を決めます。」
「ええ、それで良いでしょう。
後日、試験小隊の面々と話し合って休暇予定を考えてくださいね。
王都出張お疲れ様でした。」
「はい、ならオールストン、ブレア、所長に挨拶して解散だ。」
「「はい。」」
オールストンとブレアがマイヤーの横に並ぶ。
「所長に対し敬礼!」
武雄に3人がその場で挙手の敬礼し、武雄も答礼する。
「直れ!
では。」
3人が自分の荷物を持って敷地を出ていくのだった。
「さてと・・・エルヴィスさんとアリスは客間ですか?」
「いえ、主は今執務室で仕事を、アリス様は子供達と玄関でお待ちしております。
すぐに話し合われますか?」
「いや・・・着替えたいので一旦自室に行ってから客間に向かいます。
話合いはエルヴィスさんが一段落してからで結構です。
特段、今直ぐにというのはないと・・・ないですよね?」
「キタミザト家の方ではヴィクターが今日も同行しております。
今日はラルフ様の仕立て屋ですね。
エルヴィス家としては卵と養鶏場が始動しました。」
「・・・うん、ラルフさんなら上手くするでしょう。
何かあっても事後で対応します。
とりあえず今日は王都での報告とその間のこの地の出来事を知ろうと思います。」
「はい、畏まりました。」
武雄達はフレデリックと共に玄関に入るのだった。
「タケオ様、おかえりなさい。」
「「「「キタミザト様、おかえりなさいませ。」」」」
「タケオ、おかえりなさい。」
アリスと子供達、そして初雪が出迎えてくれる。
「はい、ただいま。
アリス、留守をありがとうございます。」
「はい、タケオ様が無事に戻って来てくれて何よりです。
ここ数日以外は特段何かあった訳ではありませんので・・・たぶん大丈夫です。」
「ええ、手紙もしていましたしね。
割と急を要するのは1つですけど、今日はお互いの報告のみでしょう。
明日から動く事にします。」
「はい、わかりました。」
アリスが頷く。
「元気に仕事と勉強していましたか?」
武雄が子供達に聞く。
「「「「はい!」」」」
子供達が返事をする。
「よし、じゃ。」
武雄がしゃがみ込み両手を広げる。
「「「あ。」」」
「あ~・・・」
子供達が察する。
「ほらっ、おいで。」
「「「キタミザト様~♪」」」
ルフィナ、セレーネ、ルアーナが飛び込んでくる。
「ヴィート。」
動かないヴィートに武雄が声をかける。
「私はご遠慮します。」
「なーに言ってるの、じゃ命令。
おいで。」
「しょうがありません・・・」
渋々ヴィートが武雄に近寄る。
「はーい、ただいまぁ。
仕事お疲れ様♪」
武雄が子供達を抱きしめる。
「うわぁ♪」
「これも中々・・」
「4人一緒だと苦しいね♪」
「うう!苦しい!」
子供達が各々で楽しんでいる。
その光景をフレデリックとアリス、指導員達がほのぼの見ている。
「アリス、アリス。」
ビエラがアリスの腕の裾を引っ張りながら顔を煌めかせて自身の顔を指さしている。
「あ!やって欲しいのね。
じゃあ、夕霧ちゃんと初雪ちゃんも。」
「アリス?私は屋敷に居ましたよ?」
「あっちには入れないでしょう?
私が代わりにしますよ。
おいで。」
「アリス~♪」
「ん。」
「はい。」
「ビエラちゃん、夕霧ちゃん旅お疲れ様。
初雪ちゃんも毎日お疲れ様。」
アリスがしゃがんで3人を抱きしめる。
「アリス!ただいま!」
「ん、アリス戻りました。」
「お疲れ様。」
ビエラ達が答える。
その光景をやはりフレデリック、指導員達がほのぼの見ているのだった。
「さて、私は一旦部屋に向かってからエルヴィスさんの仕事終わりを見計らって客間で報告ですね。」
武雄が抱擁を解いて立ち上がって言う。
「なら、私はタケオ様と寝室に行きます。」
アリスも抱擁を解いて言う。
「あ~♪」
「そうですね。
主、アリス様、私とビエラはその報告をするまで部屋に戻っています。
クゥとスー助が部屋に居るのですよね?」
「ええ、昼寝すると言って部屋に行きましたよ。」
「あ~。」
「ええ、なら私達も昼寝ですね。」
「あ、私も休むわ。
パナちゃんも一緒にお茶しましょう。」
「そうですか。
まぁ報告は必要ですね。
タケオ、私達もビエラ達の部屋に行っています。」
ビエラとミア、コノハ、パナは部屋に戻るようだ。
「ハツユキ、これがウラカゼです。
全エルダームーンスライムは客間に集結してください。」
「はい、既にシウンとサイウンは居ます。
もうすぐシグレも到着します。」
「ん、なら皆で一気に情報の共有を実施します。
タケオ、アリス、フレデリック、平気ですか?」
夕霧の問いかけに武雄とアリスはフレデリックを見る。
「はい、問題はございません。」
フレデリックが返事をする。
「ん、ならハツユキ、全員を集めましょう。」
「はい。」
夕霧と初雪が頷く。
「タケオ様、アリス様、主の方が準備出来ましたらお呼びいたします。
あと・・・2時間はありえませんので、寛いでください。」
「わかりました。
じゃあ、のんびりさせて貰います。」
武雄達は一旦、各々で別れて休憩する事にしたのだった。
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