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第1877話 皆ぐっすり休もう。(料理大会という名の危険な企画。)

武雄達はエルヴィス領西町とエルヴィス伯爵邸がある街との間にある村に到着していた。


「はぁ・・・疲れた。

 久しぶりに村長さんに会ったら話が盛り上がってしまいました。」

武雄が宿の一室にてグッタリとしていた。

夕霧と浦風は武雄が村長宅から貰った残飯の桶に手を突っ込み夕食を取っている。

と扉がノックされ許可を出すとマイヤーが入ってくる。

「失礼します。

 所長、お疲れ様です。」

マイヤーが入って来て挨拶をする。

「うん、マイヤーさん達もお疲れ様です。

 少しは飲酒出来ましたか?」

「ま、軽くですけどね。

 オールストンとブレアは明日も御者をしますので寝かせました。

 それとビエラ殿が思った以上に食べまして、今は満足そうに寝ています。

 ミア殿も同じようにビエラ殿と寝ていますね。」

「ビエラの大食いは前からですよ。

 予算内には?」

「はい、そこは平気です。」

「不味そうに食事をするよりもバクバク食べている方が気持ちは良いでしょう。

 馬は?」

「ミア殿とビエラ殿と話を軽くして早々に寝ています。

 所長が出かける前にケアをしておりますので、体力面は問題はないでしょうが、走り詰めですからね。

 思いっきり厩で寝たいのでしょう。」

「うん、ゆっくり寝て貰いましょう。」

と、窓をノックする音が聞こえる。

「タケオ、サイウンが来ました。」

夕霧が桶に手を突っ込みながら報告してくる。

「夕霧、すみませんが窓を開けて彩雲を入れてください。」

「ん。」

夕霧が窓を開けて彩雲を部屋に入れる。

「馬車を探していて遅れました。」

彩雲がそう言って入ってくる。

「村に泊まる事にしましたから馬車が見つかり辛かったですかね。

 アリスからは何と?」

「街の裏城門から入って欲しいと。

 手紙もあります。」

彩雲がそう言ってコロンと小瓶を出す。

「ん、タケオ。」

夕霧が持ってくる。

「はい、ありがとう。」

「サイウン、こっちで夕食です。」

「はっ!」

そう言って夕霧が彩雲を伴って夕食に戻って行く。

「・・・」

「アリス殿はなんと?」

「・・・魔王国の一行は問題なく街に向かっているそうです。

 今日にはもう着いているでしょうけどね。

 ヴィクターが魔王国一行に同行するように手配しているそうです。

 ウカとダキニはベルテ一家の護衛、ステノ技研にテトとニオ、エルヴィス伯爵邸にコノハとスーが居るそうです。」

「ふむ・・・まぁ・・・無難ですが、相手に完璧にヴィクター殿の事が知られましたね。」

「致し方ないでしょう。

 私が居ればマイヤーさんに案内をさせれば良いのでしょうけど。

 ベイノンさんとアーリスさんではちょっと力不足ですしね。」

「そうですね。

 でも、魔王国陛下とブリアーニ王国の女王陛下の相手はしたくないですね。」

「アズパール王国の陛下の護衛だった者の言い分とは思えませんね。」

「護衛と接待ではする事が違いますよ。

 それに・・・」

マイヤーが言い淀む。

「あの2人、アランさんに似ていますよね。」

「ですよね・・・」

「優秀な君主は時には遊びにふらっと行きたがるものなんでしょうかね?」

「・・・一国の王となれば仕事がびっしりとあるはずなんですけどね。」

「だからこそ・・・なんでしょうけど・・・

 また越境してきましたね。」

「まぁそれだけエルヴィス伯爵領に価値があるという事でしょう。

 そして所長にもです。」

「そうありたいものですね。

 さて・・・ヴィクターが同行するか・・・

 アリスとヴィクターの事です、輸出に繋がるような店を見せに行くのでしょうけども。

 ウスターソースとウォルトウィスキーはもう見せていますしね。

 と・・・今日が養鶏場と関連レシピの発表日のようですね。」

「・・・街中が騒がしそうですね。」

「レシピを公表してすぐに店のメニューに出すとは思えませんが・・・

 エルヴィスさんも流石にマヨネーズはお披露目しないようですね。」

「あれの作り方は知ってしまうと難しくはないというのはわかりますけどね。

 一から考え出すのは些か難しいでしょう。」

マイヤーが言う。

「ふふ、世の中そんなものですよ。

 とりあえず、マイヤーさん達には個人で楽しむ分は許可しますが、周りには秘密でね。」

「心得ています。

 家族にも教えない事にしています。

 作るにしても研究所で作ってからと思っていますし、ブルックなんかは自分で作るの大変だから喫茶店に並んだのを買い込むようですよ。」

「ブルックさん、料理出来るんですよね?」

「確か出来ますね。

 本人は作るよりも食べるのが好きみたいですが。」

「舌が肥えすぎるのも考え物だと思いますけど。

 ふむ・・・時間が出来たら試験小隊皆で料理大会でもしますか。」

「我々もですか?

 あまり料理をしたことがないのですが。」

「だからこそですよ。

 パスタなんかはどうでしょうかね?

 味の濃いソースを考えれば良いのですから何かしら出来ると思いますよ。」

「酒のつまみにパスタがありましたかね?」

「・・・ピザにしましょうか?

 あっちならもっと幅広く出来ますよ?

 あ・・・生地は事前に料理人に作っておいて貰った方が良いかな?」

「具材だけ考えれば良いのであれば楽ですね。」

「戻ったら企画しましょうかね。

 喫茶店でワイワイやりながらご家族を呼んで品評でもして貰いますか?」

「え・・・それは父の威厳が・・・」

マイヤーが審査員の選定に苦言を言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ベイノンさんとアーリスさんではちょっと役者不足ですしね→役不足が誤用なので役者不足にしたのかと思いますが、役者不足は造語になります。なので力不足が正解です。
[気になる点] (料理大会というなの危険な企画。) ~という名の~ですかね?
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