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第1859話 陛下が何か気が付く。(武雄とマイヤーは確認中。)

アズパール王の執務室。

「・・・あれ?・・・ん~?・・・あれ?」

アズパール王があるページを何回も捲りなおしながら見ている。

「・・・失礼します。

 陛下、お食事の用意が出来ているのですが。」

執事が何回もノックしても返事がないのでコッソリと入ってくる。

「ん?・・・ああ!すまんな。」

「いえ、陛下、どうなさいましたか?」

「いや・・・ん~・・・これ・・・タケオからもマイヤーからも言われてないんだが・・・」

「陛下?」

「あ!すまん、食事だな。」

「はい、ご用意が済んでおります。」

「うむ、では食べに行こうか。

 それとすまないが食事後に執務室に来るように爺に・・・王家専属魔法師に伝えてくれ。」

「畏まりました。」

「はぁ・・・とりあえず、朝食を取るかな。」

アズパール王が席を立って執事と一緒に退出するのだった。


------------------------

移動中の武雄達は。

「ん~・・・今回は第二研究所として新たに決まった事はなしですね。」

マイヤーが改めて陛下直属会議の議事録を見ながら言う。

「今回は追認ですからね。

 次回は進捗、その次くらいに成果と新たな目標でしょうね。

 王家専属魔法師と第一研究所は違うでしょうけどね。」

「あれは・・・所長、通話魔法具とはそれほど難しいのでしょうか?」

「ええ、理論・・・ではないか、全体の流れというのは私でも説明が出来るんですけどね。

 それをどうやって装置として組み込むか・・・

 今の段階ではわからないですね。」

「所長が困難というと相当難しいというのはわかりますが。

 王家専属魔法師は困難を選んだんですね。

 ちなみに所長は戻ったら何をしますか?」

「研究室の面々の相談に乗りつつ私的な製作物に力を入れますかね。

 例えば特産品というかお土産ですよね。

 特色ある装飾の小箱なんかは山地方なので良さそうなんですよね。

 今研究室でスライム関連で良い接着剤が案として挙がっているんですよ。

 上手く行けば家具なんかにも転用出来るかもしれません。」

「・・・ハワース商会がそろそろ闇討ちに出るのではないですか?」

「ん~・・・もう少し出来ないかなぁ。」

「なら、ちゃんと説明しないといけませんね。」

「はーい。

 女性用の生理用品は鈴音とアリスに任せるとして協力工房は・・・ラルフさんの仕立て屋を経由して紹介かなぁ。

 大量生産が出来るのはラルフさんの所だけですし、試作するにしても色んな生地を探すにしても問屋を知っているラルフさんの所から調べた方が早そうですからね。」

「・・・ゆくゆくは縫製工場の規模拡大ですかね。」

「・・・。

 キャロルさんとローチさんは輸送コンテナの試作が出来たら調理車を作るか。

 あ、試作したらオルコット宰相に依頼して耐久試験して貰わないとなぁ。

 それとキタミザト家の馬車作らないと・・・お金ないなぁ。」

「はぁ・・・家として1台は保有した方がよろしいですよ。

 エルヴィス家と親戚であっても毎回借りれるという訳でもありませんから。」

「でも保管と整備はエルヴィス家頼りになると思うんですよね。」

「なら、同型で同じ色で1台購入し、所有する内の1台は常にキタミザト家が使用出来るとした方が良いでしょう。」

「なるほど、キタミザト家専用に1台をずっと使うよりも既存の馬車と順繰り使った方が結果的に長持ちしそうですものね。

 となると、オプション品は後乗せで乗せ換えれるようにした方が良いのか。」

武雄が腕を組んで考える。

「所長?これ・・・他の馬車に乗せれるようにするのですか?」

マイヤーが下を指しながら聞く。

「はい、そうです。

 だって楽じゃないですか。」

「そこは否定はしませんが、ビエラ殿が小さいというのと夕霧殿達はスライムになって隅に行ってくれているというのを考慮しても・・・大人3人が限界ですよ?」

「あれ?普通の馬車は何人乗りですか?」

「確か市販されている物はどれも最大6名だったかと。

 でも4名で乗るのが一般的だと聞いていますよ。」

「・・・馬車止めて輸送コンテナを改造した方が良いのかなぁ?

 頑丈に出来そうだし、この馬車よりも広く使えそうですし。」

「所長も貴族なのです。

 王都に行く際はこういった馬車でしょう。

 世間体もありますしね。」

「そうかぁ・・・まぁしょうがないか。

 しょうもない事で他の貴族を刺激するのは止めましょうか。」

「ええ、それが良いでしょう。

 ちなみに研究室の方は前に話していた内容なのはわかりますが、試験小隊も変わらずですか?」

「戦術の考察ですね。

 その前に私達が陣取るゴドウィン伯爵領側の関での布陣方法の確認をお願いします。

 調理車は持って行きますからね。

 あ、戦争の時はテント暮らしですよね?」

「そうなりますね。

 所長はテントは大丈夫でしたよね。」

「ええ、大丈夫ですけど。

 ・・・輸送コンテナを改造出来るようにしましょうか?」

「・・・寝床としてですか?」

「ええ、移動時は中に荷物を入れていきますけど、現地に着いて荷物を出し終えたら2段ベッドになるようにしておけば4人程度は寝れそうです。

 テントの設営も面倒でしょう?」

「ふむ・・・いや、そういった物は試験小隊員には不要でしょう。

 使うのなら所長用で1つ用意しておく方が良いと思います。

 個室として使えるのも魅力的でしょう。」

「マイヤーさんの分はどうしますか?

 私の次の役職なのですから個室は必要でしょう?」

「私は大きいテントを1人占めでお願いします。」

「わかりました。

 その辺の用意はマイヤーさんに任せます。

 ヴィクターと話し合ってください。」

「はい、わかりました。」

マイヤーが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 布ナプキンかぁ。 タケオはともかく、スズネは日本で手作りしたかな? いっとき流行ったしなぁ。
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