第1846話 職場見学に行こう。4(ムンム、武雄に懇願。)
2年生の教室では3年生と同様に後ろから入ったのだが。
割と問題なく終了していた。
で、今は1年生の教室近くに居たりする。
「はぁ・・・私の授業は面白くないのですが。」
この次の教師が武雄達に疲れた顔をしながら話している。
「いえいえ、教師方の教育内容に何かある訳ではありません。」
「私達は新入生達がどういう姿勢で勉学をしているのかを知りたいのです。」
「3年生、2年生を見させて頂いて、皆真剣に勉学に励んでいると知れました。」
「教師方は重要な事を話しているのは私達はわかっております。
邪魔はいたしませんから。」
「はぁ・・・わかりました。
では、私が入った後に入ってこられるという事ですね。」
「ええ、後ろからこっそりと。」
「「こっそりこっそり。」」
バンクス達が教師と話している。
「・・・キタミザト殿、エルヴィス殿に連絡を?」
アルダーソンが武雄に言ってくる。
「ええ、ジーナとスミスの精霊には教えています。
エイミー殿下の時もしましたが、精霊にのみ教えておいて本人には教えないとしているみたいですね。
本人達には秘密でと精霊達も話しているそうです。」
「先ほどもされていたようですが、精霊同士で話をされているんですか?」
コンティーニが聞いてくる。
「ええ、当初は私の部下が精霊と契約しましてね。
私と住んで居る所が違った為に緊急時に連絡が出来るようにミアとその精霊が連絡用に作った物をいつの間にか私に近い精霊達間でも使えるようにしたんですよ。」
「へぇ~・・・」
コンティーニが口を少し上げて呆気に取られているが、目は思いっきり考えていると右上に向いていた。
「ほら、契約者と精霊は近距離で口で話を必要としないで会話が出来ますよね。」
「はい、出来ます。」
「あれを利用して精霊達は近距離意志疎通網を作りました。」
「・・・タケオ、やり方を教えてくれぬか・・・」
チビムンムがコンティーニの肩に現れ土下座していた。
「・・・いや、ムンム、それなんで知っているのですか?
良いから立ってください。」
「うむ。」
ムンムはそう言ってコンティーニの肩に立つ。
「タケオ、問題ないのではないですか?」
チビパナが武雄の肩に乗って言ってくる。
「うん、それは良いですけど・・・
太古の一級神が土下座しているのですけど?
そこに言及はないのですか?」
「・・・タケオ、そんなことを気にしているのですか?
一応、アモールという原初神を簀巻きにしたじゃないですか?」
「なに!?あのアモールを簀巻きにか!
アハハ!それは面白い事をするな!アハハ!簀巻きか!アハハ!」
ムンムが心から笑う。
「いやいや、簀巻きにしたのはアルやパナ達でしょう?
私は楽しく見ていただけですよ。」
「それはそうですが・・・それに強制的にしたわけでなく、本人が土下座をしたなら本人がしたいからでしょう?
タケオ、そこは誠意なのですよ、するとかしないとかを気にしてはいけません。
ムンムはタケオに教えて欲しいと懇願し、誠意を見せるのに土下座が有効だというのをわかった上でしているのです。」
「・・・まぁ・・・そうですか・・・
で、パナ、教えるのですか?」
「タケオ、良いのですよね?」
「ええ、構いませんよ。
私は皆さんと話しているのでムンムに教えてください。」
「わかりました。
ムンム、こっちに。」
「うむ、よろしく頼む。」
ムンムが武雄の肩に乗ってくるのだった。
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精霊達の近距離意志疎通網での会話。
(ちょっと・・・パナ、どういう事よ?)
(私は何もしていません。
タケオ達が決めた事でしょう?)
(いや、そうなのはわかったけど。
エイミー、呆れていたわよ?)
(それはそうでしょう。
事前にアルに教えたのは入った際に暴走をしない為ですし。
何か問題がありましたか?)
(ないけどさ。
それにしても前日くらいには教えても良かったんじゃないの?)
(それはタケオ達の意図から外れます。
いつもの日常を見たいというのがタケオ達の意向です。)
(全然、日常じゃなくなったんだけどね?)
(それは結果です。
あ、アル、ちょっと待っててください。
タケオから指示が出たので。)
(むぅ、タケオなら致し方ないですね。
早く終わらせてこっちの話を再開しますよ。)
(善処しましょう。)
パナとアルが話している。
(あれ?アルがパナに抗議しています。
それも私達にわかるように。)
(うむ、珍しい事をしているな。
パラス、今日は何かあったか?)
(何もないよ。
ちょーっと教師陣が浮足立っているように見えますけど。)
(ふむ、パラスもそう見るか。
だが、何か不穏な感じはしないから我も何も言わないが、一応、すぐに動けるようにしておこう。)
(はい、わかりました。)
パラスとマリが話をしている。
(うむ、パナ、こうやるのだな?)
不意にいつもと違う者の声が入ってくる。
(((だれ?)))
アル、マリ、パラスが反応する。
(そうです。
これで問題ないです。)
(うむ・・・というか声だけなのだな。)
(((だから、だれ?)))
(うむ、我はムンムだ。)
((・・・))
(あ~・・・)
(あれ?パナ、1名以外から反応がないのだが。)
(でしょうね。
アル、マリ、パラス。
このムンムは第一研究所の研究室長のフェリーチャ・コンティーニの精霊です。)
(ムンム?随分前に実体化していきましたよね?)
アルが言う。
(うむ、この度コンティーニが会議というので一緒に王都に来た。
住み家はバビントンの所の横だ。
ちなみにバビントンの所にはロキも部下として来ていたぞ。
我は研究所、ロキは領地運営を頑張っている。)
(((へぇ~。)))
(ロキがバビントン男爵領にいるのですか。
ロキは気分屋ですからね。
領地が混乱しなければ良いのですけど。)
(((うんうん。)))
(ロキもその契約者も頑張っているぞ。
一段落したら娯楽施設を作る気でいるようだがな?)
((((娯楽施設?))))
(うむ、カジノを作るとか豪語していたぞ?
嘘と誠を駆使するのが人の本分、そういった者達を見るのが楽しいと言っておったからな。)
(まぁロキだしね。)
(そうだな・・・ロキだからな。)
精霊達が話をしているのだった。
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