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第1843話 職場見学に行こう。1(皆の息子は平気なのか?)

王城の玄関。

「敬礼。

 では、所長、明日の出立の用意をしてきます。」

マイヤーがそう言い敬礼するとオールストンとブレアも敬礼する。

「今日の朝一で紫雲は戻らせました。

 日程的には普通で戻ると言ってあります。

 一応、途中の町や村には寄りますので食材は多くなくても問題ないです。

 まぁちょっと前に皆さんは引っ越してきていますからね。

 私よりもわかっているでしょう。

 よろしくお願いします。」

武雄も敬礼する。

「はい、その辺も加味して準備します。

 直れ、ではお気をつけて。」

マイヤー達3人が出かけて行く。

「夕霧、ビエラ、行きますよ。」

「ん、まずは王立学院?」

「ええ、昨日の夕食後に誘われましたからね。

 ふふ、楽しみですね。」

「タケオ!楽しそう!」

ビエラが言ってくる。

「ええ、楽しいですよ。

 ミア、ポケットに。」

「はーい。」

武雄達が王立学院に向かうのだった。


------------------------

王立学院の1年生の教室。

教師の授業を皆が寝もせずに聞いている。

「・・・ねぇ、ルーク。」

コートニーが小声で話しかけてくる。

「あまりしゃべるな、あの教師はうるさいんだから。」

「うん、ごめん。

 でもさぁ、なーんか教師陣緊張してない?」

「さっきの授業か?」

「うん、朝の時はいつも通りだったのに授業が始まってからなんか変な間違いしているよね?」

「文字とかページとかな。

 何かあったという事か?」

「さぁ・・・わからないから聞いたんだけど。」

「・・・後で皆で話そう。」

「うん。」

ルークとコートニーが早々に話を止めるのだった。


------------------------

王立学院の正門前。

「こんにちは、遅れてすみません。

 皆さんお早いお着きではないですか?」

武雄がその場に居る面々に言う。

「部屋に居ても暇なんでな。」

アルダーソンが言う。

ちなみにコンティーニを連れて来ていた。

「今は何も急な案件はもたらされていませんしね。」

ボールドが言ってくる。

「家に居てもなぁ。」

バンクスが言う。

「そうそう。」

「王立学院の見学も大事ですよ。」

他の同期達も揃っていた。

今ここに居るのは武雄達新貴族6名だった。

「今日はボールド殿の新しい職場見学ですね。」

「それよりも約3名程、子供さんの成長が気になるのではないですか?」

「それはそれですよ。

 楽しくしていれば良いのだが。」

「ま、息子は好きにしているでしょうからね。

 この距離に居るのに新居に遊びに来ないんですよ。

 まったく新居に寄り付きもしないですね。」

「寄宿舎に入る際に来ただけですよ。」

「何だかさっぱりしているんですね。」

武雄がアルダーソン、バンクス、ボールドを見ながら言う。

「で?・・・息子たちは大丈夫なのか?」

「あぁ~・・・女性関係だな。

 王都に居てその辺の話はあまり聞かないが。」

「聞くのはエルヴィス殿とエイミー殿下だろう?

 キタミザト殿、何か聞いてます?」

「ニール殿下からは『エイミーをよろしく』としか聞いていませんよ。」

「親公認ですか。」

「エルヴィス家もキタミザト家も跡取りのスミスの相手は本人に任せていますよ。

 結果エイミー殿下になるのならそれはそれ。

 エイミー殿下もスミスが相手というのは満更ではない様子ではありますが・・・少し空回り気味というか・・・まだ男女うんぬんではない感じとはお付きから聞いていますよ。」

「エイミー殿下の方が積極的と?」

「割と。

 スミスがまだ気にしていない感じなんだそうですよ。

 まぁまだ数か月ですし、これからでしょう。」

「アルダーソン殿やボールド殿は?

 同じ寄宿舎ですよね?」

「うちは何も報告がないな。

 つい先日も王立学院が終わってからお茶をしたがそういった事は言っていなかったな。」

「私も同じで。

 毎週とは言いませんが、王都内にいるのですからもっと帰って来ても良いと思うんですけどね。」

アルダーソン家とボールド家は何もないようだ。

「バンクス殿の所は宿舎のまま生活しているんですよね?」

武雄が聞く。

「ええ、私が貴族になる前に宿舎に入れたのですが、今更寄宿舎に行きたくないと言い張りましてね。

 そう思うなら自分の力で教師陣を納得させろと言ったら本当に宿舎で過ごす事が許可されました。」

「・・・なぁ・・・宿舎に貴族が居るって良いのか?」

「言い寄ってくる子が居そうではありますね。」

「となると・・・バンクス殿の息子さんはもう子供が出来ていても不思議ではないのか。」

「怖い事言いますね。

 息子からはそう言った事は聞かされていませんし、そういう事実があるのなら噂が出て来ても不思議ではないでしょう?

 今の所そういった噂が聞こえてこないのなら宿舎でも問題はないという事でしょう。」

バンクスが頷く。

「ふむ・・・寄宿舎も宿舎も個室でしたよね。」

武雄が思い出しながら言う。

「おや?キタミザト殿は宿舎に知り合いが?」

「ええ、部下の息子さんが今年入学していましてね。

 父親を連れて今回王都に来たので、一緒に家宅捜索してきましたよ。

 たまたま懇意にしている女性も紹介されましてね。

 健全なお付き合いをしている様子でして。

 初々しかったですよ。」

武雄が言う。

「ほぉ、もう恋人ですか。」

「キタミザト殿の部下の息子さんは良い男のようですね。

 バンクス殿も見に行かれては?

 もしかしたらお付き合いしている方もいるかもしれませんが。」

「ん~・・・いや、息子を信じましょう。

 その気があるのなら紹介してくれるでしょうからね。」

「うん、それも親心でしょうね。」

「楽しみだなぁ。」

「他人事だと楽しいですよね。」

皆が楽しそうに言う。

「えーっと・・・とりあえずクラーク伯爵に挨拶に行きますか。

 予定は言ってあるのですよね?」

「ええ、言っていますよ。

 向かいましょうか。」

武雄達新貴族6人が王立学院内に入っていくのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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