第1837話 生理用品事業する?(意外とクリアするのに障害は少ない?)
王立学院の1年生の教室。
「ふぅ・・・」
教科が1つ終わり、スミスが息をつく。
「スミス、食堂にいこうぜ。
今日はジーナ殿は居ないんだな?」
イーデンが聞いてくる。
「ええ、今日はジーナは休暇なんです。
今頃、王城内でレイラ殿下とお茶でもしているんじゃないですかね?」
スミスがにこやかに言う。
「お付きの休暇が王家とお茶かぁ・・・凄いな!」
「僕達は出来ないし、したくないですね。
いろいろと大変そうですし。」
イーデンとカイルが言ってくる。
「まぁ僕が姉弟ですしね。
ジーナも気軽に行けるんですよ。
タケ・・・キタミザト殿も居るから一緒にでしょうね。」
「それは気が抜けなそうだな。」
「それは休暇になっているの?」
「休みに仕事になってしまっていますね。」
イーデン、グレース、カイルが言ってくる。
「・・・平気ですよ。
ジーナも慣れたものですし。
キタミザト殿とレイラ殿下達との楽しい話し合いを聞いているだけですから。」
スミスが言うのだった。
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武雄達の部屋。
「タケオ!おかわり!」
「主~、美味しいです。」
チビッ子達がさっきまで大人しかったのに今は武雄が持ってきた昼食をもりもり食べていた。
「ご主人様、これはお祝いなのですか?
いえ、お昼から豪勢なのはわかりますが。」
ジーナが目の前の料理を見ながら聞いてくる。
「ん~・・・牛肉の赤ワイン煮とパン、サラダとスイーツでプリンなのでちょっとした贅沢程度ですね。
本当ならお米に小豆でも入れて炊いたので力を付けさせたかったのですが、現状ではこれぐらいしか用意が出来なかったのでね。」
武雄が考えながら言う。
「いえ、ありがとうございます。
昼にここまでしっかりとしたのが出るとは思ってもいませんでした。」
ジーナがそう言いながら食べる。
「あ~美味しい♪」
「昼からがっつり食べてるわ。」
レイラとアルマが満喫している。
「王立学院を休んできて正解ね。
美味しい。」
エイミーも満面の笑みで食べている。
そんな中。
「タケオ、生理用ナプキンを作りませんか?」
パナが言ってくる。
「生理用品ですか?」
「はい、見ていて不安になります。」
「そんなに?
・・・使用前の各処理する物はありますか?」
武雄が控えているメイドに言う。
「こちらになります。」
メイドがドネリーの下に行ってから武雄に持ってくる。
「・・・タオル?・・・」
武雄が小タオルを手に取って広げながら言う。
「タケオ、どう思いますか?」
「これ・・・なの?」
「キタミザト様、他には生理パンツというのがございますが、伸縮性もなく漏れないように硬いのです。」
「硬いですか?
伸縮性がほぼないかぁ。
硬くても下着だよね・・・ん~・・・経血の漏れ防止という事だけど、そんなに硬いのですか?」
「はい。」
メイドが頷く。
「伸縮性がないかぁ・・・日常生活していると拷問だろうね・・・苦しいでしょうに。
それに股も擦れそうですし。」
「なのでタオルを使うそうです。」
パナが言う。
「当てるの?」
武雄が小タオルを手に取る。
「そのようです。」
「ふむ・・・小タオルと言いながらもそれなりに厚いね。」
「ですよね。」
「タオルかぁ・・・吸水は良くても保持はしない感じですよね。」
「タオルですからね。」
「下着も体も経血で真っ赤になりそう。
・・・これが一般的な生理用品なんだ・・・」
武雄がタオルを見ながら言う。
その様子を見ている女性陣達は。
「ねぇ・・・タケオさん、普通に生理の話しているわよ?」
「普通、男性なら眉を顰めそうなのにですね。」
「タケオさんはこのぐらいでは動じないとは思っていましたが、こうも堂々と話していると心配しているこっちがおかしいのかと思ってしまいますが。」
アルマの言葉にレイラとエリカが言う。
「ご主人様が常識に囚われないのは前からです。」
「ジーナ、主人にそんな事言っちゃダメよ。
それよりこの流れは何?
何か作るのでしょうかね?」
ジーナの言葉にエイミーが嗜める。
「ふっ・・・ジーナ様、おかしい主を持つ同志です。
そこは黙するのが従者の役目ですよ。」
ドネリーが言う。
「・・・私のどこがおかしいと?」
「毎朝晩に『豊かになりますように』と唱えていますよね。
あれ、なんの魔法の詠唱ですか?」
「なぜそれを!?・・・ドネリー、後で話があります。」
「はっはっはっ♪」
エイミーがドネリーを凄い形相で睨むがドネリーは気にもしない。
「タケオ、難しいですか?」
パナが聞いてくる。
「まず肌に当てる部分は綿か何かで柔らかい物を探さないといけないですね。
さらに経血を吸収し、吸収したら漏らさない吸収体が必要になる。
万が一、吸収しきれずに漏れた経血を下着に付けないように全体を囲む防水の紙か布も必要。
それを下着に付ける粘着剤も必要ですかね。」
武雄が指を折りながら必要な事を言ってくる。
「吸収体以外は何とかなりそうな気配があります。」
「1品物なら素材を探すだけですけど。
生理用品となると事業化が必要ですよね。
となると素材は安価である事が望ましい。
製造工程はなるべく少なくし、毎月ある程度の量を生産が出来る事が条件になりますね。
いくら高性能でも価格が高ければ意味がないでしょう。
アズパール王国の総人口は・・・エイミー殿下、何人ですか?」
武雄がいきなりエイミーに聞く。
「ふぇ!?約220万人です!」
「半数が女性と考えて110万人、生理がある年齢は約6割として約66万人。
その内1割が買うとして6万。
年間生理用品に銀貨1枚は使えるとして、銀貨6万枚、金貨だと6000枚か。
エリカさん、王都の人口は?」
「30万ちょっとと聞いています。
ちなみにエルヴィス伯爵領は6万ちょっと、ゴドウィン伯爵領は確か18万ちょっととアリス殿から聞いています。」
「半数で6割の1割か・・・王都が9000人、エルヴィス家は1800人・・・
パナ、出来るかは持ち帰ってラルフさんの所で打ち合わせですね。
向こうで工房を巻き込めるように私用の資料を用意してください。」
「はい、わかりました。」
パナが頷くのだった。
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