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第1834話 厨房と専売局。(お肉をくださいとお金ください。)

王城の厨房。

「ふむ・・・初潮ですか。」

マイヤーが言ってくる。

「そうなんですよ。

 はぁ・・・昨日の今日で始まるとはね。」

武雄がパンを食べながら言う。

「でも、王城内で良かったですよ。

 寄宿舎だったら誰に言って良いかわからなかったのではないですか?」

「スミス殿に言う訳にもいかないしなぁ。」

オールストンとブレアも言ってくる。

「キタミザト殿?・・・なんでここで朝食を取っているんですか?」

料理長が聞いてくる。

「たまたまですよ。」

武雄が良い笑顔を向ける。

「たまたまで来る場所ではないんですけどね。

 ・・・で、ジーナ殿の為に何を作るんですか?

 生理用の食事を作るのですよね?」

「牛のレバーはありますか?鶏でも良いです。

 あとプリンをお願いします。」

「プリンは明日のスイーツなので今日と入れ替えれば良いのでやっておきます。

 で、キタミザト殿、レバーとは?」

料理長が聞き返す。

「肝臓です。

 臓物?内臓?」

「臓物は食べませんね。」

「まぁ・・・肝臓は傷みやすいですしね。

 あまり出回らないかぁ。」

武雄が腕を組んで頷く。

「いえ、腐食が問題ではなく、基本的に手を出していませんよ。」

「え?」

「え?」

武雄と料理長が見つめ合う。

「・・・料理長、ハムとかソーセージは腸詰めでしょう?」

「そうですね。

 2度洗浄をして使いますね。

 それ以外は破棄しますが。」

「・・・ん~・・・」

武雄が考える。

「所長、肝臓という臓物は入手が難しいのではないのですか?

 食べてないのですから業者も気を付けて処理していないでしょう。」

ブレアが言ってくる。

「となると・・・牛の赤身肉、カツオ、マイワシ、鶏卵、アサリ、小松菜、ほうれん草、大豆・・・大豆?」

武雄がぶつぶつ言いながらメモを取っている。

「キタミザト殿?」

「いえ、今パナと相談していたんですが、大豆がありますね。

 なら豆乳と豆腐、大豆になる前の枝豆も良さそうですね。」

と武雄がチラリと料理長を見ると興味津々で見ている。

「はぁ・・・大豆は第2皇子一家にレシピを売っていますからそちらにどうぞ。」

「了解しました!」

料理長が嬉しそうに言う。

「今出来るのは赤身肉かぁ。

 料理長、ジーナに牛肉の赤ワイン煮を出してあげたいんですけど。」

「脂身のない部位でですね?

 わかりました、昔から生理の時は赤肉が良いとは言われていますしね。」

「あ~、そうなんですね。

 昼食なので薄味でお願いします。」

「ワイン煮で薄味もなにもないと思うのですが・・・」

「お願いしますね。」

「はぁ・・・わかりました。」

料理長が渋々頷くのだった。

「さてと、私は外交局と専売局に行ってきます。

 マイヤーさん達は自由で良いですよ。」

「ん~・・・私達何していましょうかね。」

「王都守備隊の所に行っていますか。」

「そうですね。

 あ、そうだ帰りは確かエルヴィス家の馬車で帰るのですよね?

 様子を見に行きましょう。」

「うん、なら中の清掃もだな。」

マイヤー達が話している。

「なら、3人共馬車の整備をよろしく。

 交換する物があるなら領収書貰っておいてください。」

「はい。」

マイヤーが返事をするのだった。

・・

専売局にて。

「ちょうどですね。

 代金頂きました、私が戻り次第、資料を専売局に送りますね。」

武雄が専売局長に言う。

「はい・・・お願いします。

 キタミザト殿、実際にこの素材は使えますか?

 陛下が了承したのでやってはいるのですが・・・今一不確かで不安が。」

「使えると思いますよ。

 今は私達のみですけどね。

 一研が作り出す指輪が高性能であればあるほど、配合の価値は高まるでしょう。

 出来ればこの配合の次の高性能配合がわかり次第、公表および売り出すのが良いと思いますけどね。

 そうすれば研究所の実入り自体は多くなりますのでね。」

「ふむ・・・良い値段で売れますよね?」

「知られていない配合ですからね。

 集団で買って皆で共有するのか、個々に買うのかはわかりませんけどね。」

「それは・・・多くは売れないという事ですよね。」

「・・・どう考えるかはお任せします。

 個人としては多くの人が買えるように安くしてあげたいとは思いますが、何も知らない人に先に買った人が暴利で売りつけるというのもなくはないでしょう。」

「んん~・・・どうしたものか・・・」

専売局長が悩む。

「あ、そう言えばエルヴィス伯爵領の雑貨屋でパイプの葉の仕入れ値が上がるという噂が王都であると聞きましたよ。」

「え?そんな予定ないですよ?」

専売局長が即答する。

「私としては王都に居る王家の入れ替えの影響かと思ったのですが。」

「あ~・・・それですか。

 陛下の宣言は急でしたからそれで出た噂ですかね?

 現在のニール殿下領とクリフ殿下領の生産量と備蓄量の総量と異動後のクリフ殿下領の耕作放棄実施とニール殿下領での現増産を加味しての量、ウィリアム殿下領の新規作付け分を計算したんですけどね。

 ウィリアム殿下領の新規生産分が物になるまで今の在庫量と今年の収穫量で賄えますよ。

 なので、値上げは見送っているんですよ。

 まぁクリフ殿下領のパイプの葉とウィリアム殿下領のパイプの葉では味が若干違う可能性は否定できませんが、品種は同一の物ですしね。

 違いがそこまで出るとは思っていません。」

「わかりました。

 帰ったら雑貨屋に伝えておきます。」

「ええ、お願いします。

 そうかぁ、そんな噂があるんですか。

 なら、卸し関連に通達出しておきますね。」

専売局長が考えながら答えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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