第1833話 204日目 祝。(ジーナ、良かったね。)
まだ夜明け前の武雄達の部屋。
「んっ・・・」
ジーナが身じろぎし、ベッドで体を起こす。
「おや?ジーナ、起きましたか。」
武雄が一服していたのかテラスから入ってくる所だった。
「・・・なぜに起きていますか?」
ジーナがジト目で武雄に言ってくる。
「えー?・・・なんで部下に怒られるのでしょう?
ジーナなんでこんなに早く起きるのですか?」
武雄が苦笑している。
「いつもこのくらいに私は起きていますので。」
「え?こんなに早くに?
ジーナ、今回連れまわした私が言うのも変ですが、しっかりと寝なさいね?」
「寝ていますし、ケアも常時していますから大丈夫です。
?・・・」
ジーナがそう言ってベッドから起きようとしたのだが、首を捻ってから布団をあげて自身の体を見ている。
「?」
武雄がジーナの行動を不思議そうに見ている。
「・・・ご主人様、正直に言ってください。
私が寝ている時に何をしましたか?」
ジーナが布団を戻して真面目顔で聞いてくる。
「はい?」
武雄が素で聞き返す。
「・・・何もしていないので?」
「えー?・・・何もしていないですよ?」
「となると・・・」
ジーナがまた布団をあげて確認している。
「ジーナ・・・どうしましたか?」
「いえ・・・血が・・・」
ジーナが布団をあげて確認しながら武雄の問いに答える。
「あぁ・・・パナ。」
「はい。
ジーナ、ちょっと失礼。」
チビパナが実体化しジーナに向かっていく。
「はぁ・・・昨日の今日でかぁ・・・」
武雄が席に着きお茶を用意するのだった。
「あ~?」
「んん~?」
チビッ子達が起きて何が起きているのか見回すのだった。
・・
・
「タケオ、初潮です。」
「今日はお祝いだね♪」
パナの報告に武雄が即答する。
「タケオ!祝い!」
「主~?お祝いなら美味しい物がでるのですね?」
チビッ子達が食べ物に胸を膨らませる。
「ご主人様?お祝いとは?」
ジーナが冷静に聞いてくる。
「ジーナが子供を生める体に成長したという事です。
これを祝わずしてどうしてくれましょう。
パナ、マリとアルに連絡。
エイミー殿下とスミス坊ちゃんに説明して貰ってください。
ジーナは今日は休養です。」
「わかりました。」
武雄の指示にパナが頷く。
「え?お仕事が・・・」
「最初の時ぐらい休みなさい。
もう少ししたらメイドさんを呼んで段取りしますからね。」
「あの~・・・ご主人様、私の為に王城のメイド方を動員するのは申し訳ないのですが・・・」
「他に手はないのでね。
それにシーツが・・・もう秘密裏に進めるなんて出来ないんですから。
堂々とメイドさん達に協力を仰ぎます。
それにメイドさん達の方が生理時での仕事の仕方とかわかっていますからね。
聞いてみてはいかがでしょうか?」
「私に王城内で懇意にしている方はいないのですが?」
「エイミーさんのお付きのドネリーさんでしたか?
あの方にやり方を聞いてみてはどうでしょうかね。
立場上一緒ですし、上手く対処する方法を聞き出せると思います。」
「なるほど、ドネリー様には聞いても良さそうですね。」
ジーナが頷くのだった。
・・
・
朝食前。
「ジーナちゃん!おめでとう!」
「ジーナも女性になったのねぇ。」
「小タオルとか持って来ましたよ。」
レイラ、アルマ、エリカ、パイディアー、ペイトーとメイド達が入ってくる。
「殿下方・・・勢揃いですね。」
ジーナが呆れながら言ってくる。
「では、私は出ます。
アルマさん、あとはお願いします。
パナも置いていきます。
エイミー殿下とスミス坊ちゃんには精霊を通じて連絡はしてあります。」
「わかったわ。
タケオさんはどうするの?」
アルマが武雄に聞いている。
「朝食を取って専売局と外交局に行ってきます。
戻りは昼過ぎですね。
それまでジーナは寝ていなさい。」
「ですが・・・」
ジーナが不安顔をさせる。
「今日は休暇です、ゆっくり過ごせば良いんですよ。
まぁ対処方法を学ぶのでゆっくりは休めないかもしれませんが、それはそれで。
では。」
「「「いってらっしゃ~い。」」」
武雄がアルマ達に見送られて退出していく。
「・・・で・・・あの~・・・アルマ殿下方、私はどうしますか?」
いまだにベッドから出ていない状態で言う。
「ジーナちゃん、今寝間着?」
「下着ですが?」
「うん、いくらなんでもタケオさんの横で下着姿はマズいわね。
まぁ私はタケオさんとジーナちゃんの関係は知っているから別に気にしないけど。
パイディアー、ペイトー、室温上げて。」
「「はい。」」
パイディアーとペイトーがレイラの指示で風系の魔法を発動させて室内の温度を上げ始める。
「うん、ジーナちゃん、とりあえずベッドから起きなさい。
それとシーツを替えましょうか。
そこはメイドにさせれば良いし。」
「替えの下着は一応こっちで用意したわ。
生理の時は初日が大変なのよ。
とりあえず、小タオルで押さえながら汚れちゃった股内を綺麗にしないと。
ああ、それと下着は水にじっくりと漬け置きして血を取るか、捨てるしかないからね。
替えの下着も下は1個くらいは持って歩いた方が良いかも。」
レイラとアルマが言ってくる。
「桶と小タオルと・・・お湯は・・あ、来ましたね。」
エリカがメイド達に指示を出して順々に置き準備しだしている。
「手際が良いですね。」
ジーナがエリカ達を見ながら言う。
「誰でも通る事だしね~。」
「最初は順々に教えておかないとね。」
「慣れればすぐに出来ますよ。」
レイラ、アルマ、エリカが同時に言うのだった。
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