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第1832話 203日目 王城に帰還。(自陣営には甘く、他には条件を。)

武雄はジーナ、ビエラ、浦風は夕霧に抱きかかえられ自分達の部屋に戻って来ていた。

マイヤー達は自分達の部屋に戻っている。

ちなみに多くのエルダースライム達は城門近くの東側の森に潜む事になった。

武雄とジーナはお茶を飲みながらまったりとしていた。

「ジーナ、ご苦労様。」

「ご主人様こそ、お疲れ様です。

 上々の結果だったと思われます。」

「ジーナ、あー!」

ビエラが寝間着を持ってジーナの下にやってくる。

「ん?ビエラ、どうしましたか?」

「ジーナ、寝る、私とミアと!」

「いや、私使用人なんですけど?」

「ああ、ジーナも朝まで寝て行きなさい。

 朝には起して上げるから。」

「ご主人様、それは私の仕事だと思うのですが?

 ご主人様こそご就寝ください。」

「ジーナは明日も仕事ですからね。

 先に寝なさい。 

 湯浴みは流石にこの時間ではさせてあげられないですけどね。」

「ですが。」

武雄がジーナに手を向けて言葉を続けさせない。

「良いから寝なさい。

 今は無理をする時ではありませんし、私もジーナが寝た後に勝手に寝ますからね。

 さて・・・用を足してきます。」

武雄が退出していく。

「・・・ん~・・・ご主人様の命令を無下に扱う事はしてはならないのでしょうが・・・」

「ジーナ!寝る!」

ビエラがジーナを引っ張ってベッドに向かわせる。

「はぁ・・・ご主人様はなーんか私に甘いのですよね・・・」

ジーナはそう言って立ち上がり作業服を脱ぎだす。

「あ~♪」

ビエラもジーナが脱ぎだしたので自分の服をババっと脱ぐ。

「ビエラ・・・その脱ぎ方は・・・

 はぁ・・・ご主人様が帰ってくるまでに畳まないと。」

ジーナはビエラが脱ぎ散らかした服を畳み始めるのだった。

・・

トイレからの帰り道。

「キタミザト殿。」

「ん?」

武雄が呼ばれたので振り返るとアモールが居た。

「あ~・・・王城内ですものね。」

「はい、王家専属魔法師部隊員のようなものですので。

 キタミザト殿、お時間はありますか?」

「陛下か王家専属魔法師殿がお呼びですか?」

「いえ、そっちではなく。

 前に言った監視の目の犯人のドライアドを覚えていますか?」

「・・・あぁ、ありましたね。

 今が良い時間ですか?」

「人の目がありませんからね。

 出来れば10分程度で終わると思います。」

「わかりました。

 すみませんが、会わせて貰えますか?」

「はい、すぐに。」

アモールはそう言って軽く目を瞑るとすぐに「こちらです」と武雄を先導するのだった。

・・

王城の裏庭。

武雄はアモールに連れられて来たのだが。

「その節は申し訳ございませんでした!」

美人の女性が直ぐに平伏して出迎えていた。

「・・・なぜに土下座??」

武雄が呆れる。

「タケオ、この子がドライアドです。」

パイディアーが武雄が到着する前に来ており、武雄に言う。

そして武雄が知らない2人の男性もパイディアーの横に居た。

「・・・パナ、合ってます?」

「はい、目の前のがドライアドです。」

武雄がチビパナを呼び確認させる。

「キタミザト殿、それとこっちがヴァーユとトールです。」

「「お初にお目にかかる。」」

ヴァーユとトールが武雄に名乗る。

「はい、王家専属魔法師の方の精霊ですね。

 お疲れ様です。

 それで・・・なんで王家を見ていたんです?

 というより、ドライアド・・・顔を上げ・・・いや、立ちなさい。」

「失礼します。」

ドライアドが気落ちさせながら立ち上がる。

「で?」

「はぁ・・・ドライアドの宿木がこれなのですが・・・

 キタミザト殿、木の下に説明書きがありますからどうぞ。」

アモールが木に手を添えながら言う。

「・・・アルマ殿下とウィリアム殿下の結婚記念樹?」

武雄がメガネをかけて読む。

言われてみれば前にアルマが見ていた木だったのを思い出す。

「人間種や魔物ではわからないでしょうが、木々にも意識と似たような記憶はある事がほとんどです。

 ドライアドがこの宿木に選んだ際にアルマ殿下とウィリアム殿下を知ったようで城内をうろついたそうなんです。

 そこでアルマ殿下と話を頻繁にしていた方々も観察した。

 これが真相です。」

「・・・うん、宿木を植えた方の身辺を確認したと。

 害意はないのでしょう?」

「はい、その辺の説明は実施済みで陛下と第3皇子一家には説明済みです。」

「アルマ殿下のねぇ・・・でも引っ越しますよ?」

武雄が聞く。

「そこでタケオ、お願いがあるのですが。」

パイディアーが言ってくる。

「・・・パイディアーからかぁ・・・アルマさん達の為なのでしょう?

 何が欲しいのですか?」

「タケオ、ありがとうございます。

 ペイトーやアモールから言われているのですが、タケオ、緑スライムを頂けますか?」

「・・・ふむ・・・」

武雄が考える。

「もちろん、キタミザト家がエルダームーンスライムを確保しているというのは王城内ではエリカとエイミーぐらいしか知らない秘密事項であるというのは知っています。

 私達が積極的にエルダームーンスライムの事を話はしません。

 ここに居る精霊達・・・いえ、王城内に居る全精霊はタケオの許可なくエルダームーンスライムの事は口外しないと誓わせます。

 ですから、何卒、緑スライムを数体譲渡して頂けないでしょうか!」

「「「何卒!」」」

パイディアーが深々と頭を下げるとアモール達も片膝をついて首を垂れる。

「・・・パナ、神々が一人間に頭を下げているのはマズいと思うんですけども。」

武雄が肩に乗るチビパナに聞く。

「まぁ・・・タケオだと何回か同様な事があったと思いますけど。

 タケオはどうしたいのですか?」

パナが聞く。

「先の条件もそうなんですけど・・・パイディアー、もう1つか2つ条件を付けて良いですか?」

「・・・タケオが何を考えての条件なのかが怖すぎですが・・・お願いをしているのは私達なので・・・まずは聞かせて頂けますか?」

パイディアーが恐る恐る聞き返すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 文明:由来の異なる、 精霊たちが打ち揃い、膝を折る。 ドライアド 或いは 宿木の移植に、 何かあるのだろうか? タケオの要求は、情報網の関係だろうが。
[一言] >ヴァーユ、トール 風神(インド神話)、雷神(北欧神話)ですか… なるほど、こういう分かりやすい武力を持った精霊持ちが王家専属魔法師として囲われる訳ですね。
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