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第1825話 面談の反省会。1(陛下と中隊長の反省会。)

武雄達が王都守備隊の第八兵舎を後にした頃合いにて武雄達が面談していた隣の会議室では。

「・・・なーんか・・・おかしかったよな?」

アズパール王が先程までの面談の議事録を見ながら首を傾げていた。

「キタミザト殿は子供達やジーナ殿の話を伝え、連絡手段を構築するという事でしたね。

 相手は中隊長という中間管理職ですが、知り合えたのは良い事ですね。」

外交局長が言う。

「あぁそこは良い。

 ウィリプ連合国に魔王国が拠点を作っているというのもタケオは推測とは言っていたがテーアの事情聴取に出てきたことだ。

 そこも問題ない。

 ・・・あの中隊長は子供達を輸送した輸送業者をウィリプ連合国に連れて行ったのだよな。」

「はい、そうなります。

 なぜその輸送業者が無事なのでしょうね?」

「あぁ・・・そこもだな。

 話にもあった会合の所で何か仕掛けたのだろうというのはわかる。

 だが、魔王国は何を知ったのか・・・」

アズパール王は言いながらも「タケオの話では魔王国の中枢部はこちらに敵意を向けていないという確証が高いという事だったな、そして穀物の輸送とデムーロ国か」と思っている。

「陛下、エルヴィス伯爵殿から情報は来ておりますか?」

「タケオを通じて内々には来ているがな。

 だが・・・繋がってはいるが、確証は今一つという所だろう。

 なので外交局までまだ出せない状況だ。」

「ふむ・・・我が国だとどう対応するでしょうか。」

「警備局と軍務局で何とか対応するだろうがな。

 先の話のような迅速な人員投入が出来るかは些か自信がない。

 そもそも数日で関に行かせる方法が馬でしかないからな。

 魔王国のようにワイバーンで一気に関になどといった事が出来れば話は別だろう。」

「そうですよね・・・ワイバーン買い付け出来ませんかね?」

「外交局長、それは無理というものだ。

 どうやって従える?どうやって操れる者を雇う?

 はぁ・・・現状では無理というしかあるまい。」

「便利そうなのですけど。」

「そこは認めるがな。

 無いものは無いのだ、我らは我らでやれることをするしかない。

 とりあえず街道の整備をして無駄に日数がかからないようにする事から始めないとな。」

「そうですね。

 それと陛下、キタミザト殿の爵位どうしますか?

 他国と真っ当に交渉をしておりますし、向こうとの窓口の開設も成し遂げてくれそうですが。

 成果として十分ではないでしょうか。」

外交局長が言ってくる。

「・・・我も外交局に渡していない情報も加味すれば十分に伯爵だと思うがな。

 ただ兼ね合いがなぁ。

 男爵から子爵への昇進が最速だろう?」

「数日でしたね。」

「そして今伯爵にすれば何を言われるか・・・」

「勤続年数ではないと思いますけどね。」

「そうは思わん者もいるだろう。

 少し経ってからとなるだろうな。」

「わかりました。

 それと魔王国方面以外の情報ですが、王城で聞きますか?」

「あぁ、そうしようか。

 いつまでも第八兵舎(ここ)に居ては迷惑になるだろうからな。」

アズパール王がそう言うのだった。


------------------------

王城近くの酒場。

ソルミ達が面談の余韻と感想を話し合っていた。

「なんで・・・子爵がいるんだよ・・・それも当事者だし。」

ソルミが愚痴っていた。

「キタミザト子爵は陛下とブリアーニ王国の女王と知り合いでしたね。

 第1軍指揮官殿とカスト伯爵とは・・・確かアズパール王国に行っているとは言われていましたが。

 キタミザト子爵が対応していたんですね。」

部下達が思い思いに言っている。

「・・・あれ絶対知っていた・・・絶対に。」

ソルミが唸っている。

「でしょうね。

 知っていなきゃあそこで言う必要ないですし。」

「事実我々も驚きましたし。」

「まぁそれは子爵がしっかりと考えられる方だったとわかったから良いじゃないですか。」

「それより、輸送業者がアズパール王国に連れて行ったのが子供だとは・・・

 中隊長、知っていましたか?」

「いや、我々は早々に輸送業者に近付くために関に出向いた。

 詳しい状況までは我らには知らされては居ない。

 むしろ子供がという情報がなくて良かった。」

「知っていたらイグノト殿をしっかりと護衛出来たのかはわかりません。」

「同意。」

ソルミと一緒にウィリプ連合国に行った部下がソルミの言葉に同意する。

「戻ったら事の経緯を確認しないといけないだろうな。」

「そうですね。」

ソルミの言葉に皆が頷く。

「それにしてもファロン伯爵家ですか。

 ジーナ殿の魔眼と狼形態を見ましたが、銀髪でしたね。」

「確か狼系の魔物で銀髪は上位種だったか?」

「そう言われる種族もいますし、そうじゃない種族もいます。

 一概には言えませんが、そういう銀髪系の者が上位に多く居るのは確かな事ですね。」

「ふむ・・・信憑性として高くなる要因だな。 

 はぁ・・・大隊長か・・・なりたくてなれるのであれば良いのだが、流石になぁ。」

「私達も中隊長にあやかって一緒に昇進しますかね?」

「同時昇進はあるが、仕事の成果や資質なんかも重要視されるからなぁ。

 個々で努力するしかないだろう。

 皆、頑張ってくれ。」

「甘い話は無いかぁ。」

部下が落ち込むのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 毎日楽しく読ませていただいております。 [気になる点] 最初から読み返していたら、いくつか疑問が... 初っ端、何故エルヴィスさんはお供もつけず1人で馬で移動していたのだろう? エルヴ…
[一言] motimoti さんに一票。  >伯爵になるまえにとっとと温泉地開発して  >自治領作って独立しましょうね。 アラン さんの、  >「・・・なーんか・・・おかしかったよな?」   …
[一言] 「・・・あれ絶対知っていた・・・絶対に。」 だってタケオちゃんだよ。 確実にそうだろうなぁと当たりつけて動いているっと。 伯爵になるまえにとっとと温泉地開発して自治領作って独立しましょうね…
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