第1813話 王城の昼食。3(アップルパイを食べよう。)
食堂にて。
「はい、出来ましたよ~。」
武雄達とおかわりのお茶を持ったメイド達が入ってくる。
「おぉ!タケオ、待ちわびたぞ!」
アズパール王の言葉に皆が頷く。
「では、配膳をお願いします。」
「「はい、畏まりました。」」
メイド達がその場で切り分けて配膳を始める。
武雄はとりあえず空いている席という事でオルコットの隣にジーナはスミス、パイディアーとペイトーはレイラ達の所に夕霧はミアの横に座る。
「キタミザト殿、素晴らしい物でしたね。
ありがとうございます。」
オルコットが軽く頭をさげてから武雄に言ってくる。
「リフレッシュ出来ましたか?」
「ええ!前のコロッケの衝撃以来ですね。
ジャガイモ料理は不人気なのですが、今ではウスターソースと一緒に人気メニューになっています。」
「ほぉ、それは良かったです。」
「それで一応、情報をキタミザト殿にも上げておこうと思うのですが、経済局と外交局が共同で他国での穀物調査を始めたいとの要望が出ております。」
「私の米と同様な事ですね。」
「はい、今回のジャガイモも料理方法によっては人気になるとわかりました。
ジャガイモについては味と生産量の両面からの品種の改良を各地にお願いしている状況ではありますが、他国では出来ている物があるのではないかという事なのです。」
「ふむ・・・小麦や豆ならわかりますが、ジャガイモやトウモロコシも含まれるのではありませんか?」
「はい、そうです。
我が国の品種だけでなく他国を含めて品種を確認し、国家として良い品種を根付かせられないかという事らしいのです。」
「ん~・・・良し悪しがありますよね。」
「ええ、その通りです。
おっと、配膳が終わりましたね。
申し訳ありませんが、この話の続きは。」
「ええ、アップルパイを食べてからで結構です。」
「ありがとうございます。」
オルコットが感謝を述べる。
「タケオ!説明はあるか?」
アズパール王が皆に行き渡ったのを見て武雄に声をかけてけくる。
「ありませんよ。
強いて言うならば、ヒルダに感謝して食べてください。」
「ははは!了解だ!
ヒルダの発想に感謝しよう!では、皆頂こうか!」
「「はい!」」
皆が一斉に食べだす、が。
「「「熱っ!」」」
数名が被害を被るのだった。
・・
・
「キタミザト殿、これはちょっと甘すぎですね。
美味しいですけれども。」
オルコットが完食してお茶を飲みながら言ってくる。
「そうでしょうね。
リンゴの砂糖漬けのようなものですし。
万人受けするようにするにはどうするべきかが今後の課題でしょうかね。
これの類似品はエルヴィス伯爵家にて考えています。」
「エルヴィス殿の所に出張に行きたがる者が出てきそうですね。」
「真っ当に仕事に来てくれるのであれば良いですが・・まだ街中には公表していませんからね。
来るだけでは食べれませんよ。
かと言ってエルヴィス伯爵に直接言わないといけないような内容の仕事がそうある訳もなく。
なので結果的に食べれないでしょう。」
「それは確かに。
キタミザト殿の方へはどうでしょうか。」
「私は王都守備隊との研究の成果品のやり取りがあるので機会はあるでしょうね。
王都守備隊の数名ぐらいはやる気になってくれているでしょう。」
「なるほど。
・・・このアップルパイもそうですが、料理は発想なんですね。」
「発想と経験ですよ。
発想は出来ても出来る腕を持つ者が居なければ形にはなりません。
ですが、腕を持つ者は経験に裏付けされていて、今までのやり方を変えづらいでしょう。」
「ふむ・・・難しい物です。
あ、それとさっきの穀物調査ですが、少量でも良いので魔王国は出来そうですか?
要望的には、まずはカトランダ帝国でと書いてあったのですが、出来れば周辺3か国を同時期に行った方が結果を見比べやすいと思うのです。
カトランダ帝国とウィリプ連合国へは現地に赴いた時に買わせる事になると思うのです。
魔王国相手だと・・・正直、キタミザト殿とエルヴィス殿に頼った方が上手く行くのではないかと私は思うのです。」
「普通に魔王国の商店に穀物の輸出を依頼すれば良いのですけど・・・少量でというのはちょっとわかりません。
それなりの量をお願いした方がやりやすいとは思います。
その辺の数量は商店等で確認した方が良いのではないでしょうか。」
「なるほど、わかりました。
この件はまだ要望なので正式になった場合のみ依頼をさせて頂くと思います。」
「あ~、なら依頼はエルヴィス伯爵宛にお願いします。
そこから私の方に依頼してくれればと思います。」
「ふむ・・・わかりました。
そのように致しましょう。」
オルコットが頷くのだった。
「レイラ・・・凄いわ。」
「はい、食べ慣れたリンゴがパンの中に・・・焼きパンの中ですよね。
こんなに美味しいとは思いもよりませんでした。」
アルマとレイラがおかわりしたアップルパイを見ながら言う。
「流石、タケオさんですね。
これは前に頂いたのと寸分違わぬ美味しさです。」
エリカが納得している。
「エリカ!美味しい?」
「はい、ビエラ殿も・・・今何個目ですか?」
「あ~・・・3つ!」
ビエラは指を数えてからエリカに言う。
「ほぉ・・・流石にビエラ殿もラザニアの次にアップルパイは厳しい物がありましたか。
ミア殿は?」
「1切れが限度でした・・・ラザニアとアップルパイ、どちらも重量級でした。
お腹いっぱいです。」
ミアがお腹をポンポン叩きながら言うのだった。
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