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第1800話 寄宿舎と研究所では。(土蔵を作る?)

寄宿舎のスミスの部屋。

「・・・ご主人様は了承したみたいですね。

 結局、王家一家に食べさせるという事になりましたね。」

ジーナが目の前の3人に言う。

「はぁ・・・また私とドネリーがご厄介になります。」

「よろしくお願いいたします。」

「ははは、まぁ僕達がというよりも。」

スミスがそれぞれの肩に乗っているチビ精霊達を見る。

「アップルパイとラザニアなんてこっちに来てから食べてないもん!」

「たまには食べたくなるわよね。」

「焼きリンゴもまた良きかな。」

チビ精霊達がうんうん頷いている。

即行で返事をしたのは精霊達が「明日は絶対に参加しないとダメ!」と言い張ったからでもある。

「マリ、そこまで美味しい物なんですか?」

スミスが聞いてくる。

「うむ・・・タケオ達が作り出すのはどれも美味しいがな。」

マリが頷く。

「アップルパイは甘いし温かいからホッとするよね。」

「ミートパイもあるけどあれはどちらかというと食事寄りになってしまうわよね。」

「まぁ、スイーツかどうかは議論の余地があるよね。

 アップルパイは間違いなくスイーツだけど。」

「あんパンならぬあんパイは?

 あの日本独特のやつ。」

「菓子パンだが昼食に食べる者もいるし・・・運動時のエネルギー補充には最適だろうが、一般的にはスイーツだろうな。」

チビ精霊達が話し合っている。

「あ~・・・ジーナ、とりあえず明日食べに行けば良いんだね?」

スミスが精霊達が自分達の話に没頭しているのを呆れながらジーナに聞く。

「はい。

 パラス、パナから他に伝言はありますか?」

「うん?・・・明日はレシピ非公開だから助手を」

「なるほど、私の出番で」

「パイディアーとペイトーに頼んだって。」

「・・・」

パラスの言葉に食い気味でジーナが頷いたが失敗だったようだ。

「ジーナ、明日は僕はレイラお姉様の所に行くからジーナはタケオ様の所に行って良いですからね。

 人手は多い方が良いでしょう。」

「はい、わかりました。」

「なら、私は父上の所に行こうかしら。

 スミスと選んだクリナの本を渡しておきたいしね。

 ドネリーも。」

「はい、今回は同行いたします。」

「はぁ・・・ドネリーって本当、王城に行きたがらないわよね。」

「あそこは遠くから眺めて楽しむ場所であって、用もないのに行きたくありませんね。」

「いや、貴女私のお付きだから。」

「王城内でエイミー殿下に何かなさろうとする剛の者はおりませんよ。

 今はアル殿もいますし、至る所に腕利きが潜んでいますからね。

 あそこにいくと監視の目線に疲れるんですよ。」

「・・・タケオさん、そんな中で拉致されたわよ??」

「それは・・・見守られていたのでは?」

「そんなわけないでしょう?

 あの惨事の引き金よ?」

「あ~・・・第2騎士団がやっちゃった件ですね。」

ドネリーが頷く。

「どちらかというとアリスお姉様がやっちゃったんだけどね。」

スミスが渋い顔をさせながら言う。

「そうよ。

 万が一、それが本当ならアリス様が殴り込んで来るわよ!」

「・・・キタミザト様、奥様からの愛が強いのですね、物理的に。」

「・・・はぁ。

 それとタケオさんに冗談でも見守られていたなんて言っちゃダメだからね?」

エイミーがドネリーに口止めする。

「・・・キタミザト様になら問題ないような気が。」

「タケオさん、やる気になったら調べちゃうでしょう!?

 タケオさんの事だからいろんな部署に行って調べるから皆に迷惑かかっちゃうから!

 確たる証拠がなかったらタケオさんには言っちゃダメよ!」

「はーい。」

ドネリーが返事をするのだった。


------------------------

研究所の3階 所長室。

アリスとルフィナは散歩を終えて研究所に来ていた。

「ヴィクター、この文面でどうでしょうか。」

「失礼します。

 ・・・問題ないのではないでしょうか。

 では、紫雲用の残飯を喫茶店から持ってまいります。」

「はい、私は瓶に詰めますね。」

ヴィクターはそう言って所長室を後にする。

「これでステノ技研の話はタケオ様に伝えられますね。」

アリスがホッとしながら紙を折り始める。

「アリスさん、所長はいつ帰ってくるんですかね?」

「・・・書いておきますね。」

アリスが折った紙を広げて追記していく。

「コノハ、こう?」

初雪が所長の執務机で紙に書いていた物をコノハに見せる。

「ハツユキ、上手いじゃない。

 とても習い始めたばかりとは思えないわ。」

コノハが驚いている。

「スズネが教えてくれた。」

「はぁ、やっぱり設計をする者に教わると上達するのね。」

コノハが頷く。

「いや、初雪殿は異常なだけですよ。

 一度教えるとすぐ出来るようになるんです。

 で、これが間取りですか?」

鈴音がアリスの下からコノハ達の居る執務机に歩いてくる。

「ええ、まずは米麹を作りたいのよ。

 だけどその後も使いたいから小さいけど3部屋ある小屋を用意しようと考えたわ。

 左が味噌の仕込みと保管場所、右がお酒の仕込みと保管場所、真ん中が麹作りをする部屋ね。

 出来れば板張りで土足厳禁でしたいわよね。

 木造の小屋に外側に土壁をして隙間風を少なくしたい所なんだけどね。」

コノハが初雪が書いた紙を持ち上げながら言う。

「ふむ・・・これをベルテ一家の所に作るのですね?

 まぁ土地は何とかなりそうですけどね。

 コノハがするのですか?」

「うん、私が総監督で指示はするけど。

 うーちゃんとだーちゃんが居るからね。

 あの2人も味噌を作ると知れば協力はしてくれるわよ。

 アリス、この小屋の総工費の見積もり取って。」

「構いませんが、費用はどうしますか?」

「私とニオでとりあえず手付金を立て替えておくわ。

 あとはタケオが帰ってきてから出して貰う。」

「わかりました。

 夕食までに一軒寄って見積もりを依頼して帰りましょうか。」

「うん、アリス、お願いね。」

少しずつ準備が進むのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「・・・はぁ。  それとタケオさんに冗談でも見守られていたなんて言っちゃダメだからね?」 エイミー、もう遅いよ タケオはスライムという目と耳をいたる所に持ってるから。。。
[一言] >「タケオさん、やる気になったら調べちゃうでしょう!?  タケオさんの事だからいろんな部署に行って調べるから皆に迷惑かかっちゃうから! > 確たる証拠がなかったらタケオさんには言っちゃダメよ…
[気になる点] おおっ、いよいよ、味噌と日本酒作りがスタートですか! ダニエラさんが移住する頃には新しいレシピが又、増えそうですよね。
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