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第1799話 第3皇子一家との話。2(アルマさんにラザニアを食べさせよう。)

「成果ではなく、見せ方ですか?」

「はい、王都からの評価はどうやってされるか知っていますか?」

「それは・・・わかりませんが・・・」

「盛況である必要があるかはわかりませんが、人がいっぱいくれば成功ですか?

 人が居なくても売り上げが出れば成功ですか?」

「ん~・・・」

「要は最初なんですから次につながる仕組みが始まったと印象付けるだけで評価されるのではないですか?

 それが人が流入している事をわかる事なのか、売り上げが高い事がわかる事なのかは説明次第でしょう。

 ある程度問答集は作っておいても良いですが、良いように捉えて説明出来るようにすれば良いと思いますよ。」

「そういう物ですかね?」

「さて?

 必ずしもそうだとは言えはしませんが、少なくとも対外的には(・・・・・)どんな悪い結果でも『ああ、その程度ですか、これからなのでまずは上々な始まりでしょう』と開き直るぐらいはしていた方が相手は『そんなものか』と安心すると私は思います。

 その後の部下達との反省会は荒れるかもしれませんけどね。」

「ふむ・・・ちなみにタケオさんは来る気ですよね?」

「はい、当然でしょう。

 何を買うかは見てから決めますけど、何かしら買う気では居ますし、持ち込んだものは完売させる気ではいます。」

武雄がウィリアムに言う。

「タケオさんなら本当に持ち込んだ品々を完売させるかもね。」

アルマが呆れながら言ってくる。

「タケオさんなら完売出来る量を持って来そうだけどね。」

レイラが言ってくる。

「まぁ初回はそこまで持ち込みはしないと思いますけどね。

 ただ・・・いえ、なんでもありません。」

「「なに?」」

アルマとレイラが食いつく。

「いえ、キタミザト家はエルヴィス家より対魔王国の輸出入業を委託されていますからね。

 魔王国(向こう)から何か珍しい物を輸入出来ないかなぁと思いましてね。」

「あ!ズルい!」

レイラが言ってくる。

「ズルくはないですよ~。

 私が持てる伝手を使って商売をするだけですからね。

 まぁ機会があれば魔王国に出張する気ではいますけど。」

武雄がレイラに言う。

「良いなぁ、私も旅に行きたいなぁ。

 この間はエルヴィス伯爵邸(実家)だけだったし。

 きっと魔王国も面白いんだろうなぁ。」

レイラが不貞腐れる。

「レイラ、貴女はまだ良いじゃない。

 エルヴィス伯爵邸に帰ってタケオさんの美味しい料理食べたんでしょう?

 私は王都で留守番よ?」

「あ~・・・」

アルマの言葉にレイラが「そうでした」と苦笑する。

「・・・そうでしたね、アルマさん来ていませんでしたよね。」

武雄がアルマを見ながら不思議そうに呟く。

「ん?タケオさん、どうしたの?」

アルマが「気になる所あった?」という顔を武雄に向ける。

「いえ、ウィリアムさんとレイラさんには食べさせたけど、アルマさんに食べさせていない料理があったなぁと。」

「え?そうなの?

 前にレシピは貰ったけど・・・レイラ、あれがすべてではないの?」

「・・・ヒルダちゃんですかね?」

レイラが考えながら言ってくる。

「ええ、エルヴィス家の料理長の娘のヒルダですけどね。

 私が向こうを立つ前にまた1つ考え付いたので私が形にしたんですよ。」

「「・・・」」

武雄の言葉にアルマとレイラが「なにやってるんですか」というジト目で見てくる。

「・・・不当な非難だと思います。

 まぁ良いです。

 で、どこぞの最高権力者が『仕事頑張るので食べさせてください』とさっき言っていましてね。」

「「「あぁぁぁぁ・・・」」」

第3皇子一家が俯く、エリカは「ははは」と笑っている。

「オルコット宰相に確認したら『明日の昼食にて』と指示が来まして。

 レシピ非公開で類似品も作らない事を条件に請け負ったのですよ。」

「はぁ・・・」

アルマが武雄が何を言いたいのかわからずに生返事をする。

「昼食後にヒルダの考えたスイーツを出そうと思ったのですけど、あの流れでは昼食も私が作るのですよね。

 軽くパスタか何か作れば良いかと思っていたのですけど、ラザニアを作るのも良いかなぁと。

 アルマさん、食べたいでしょう?」

「え!?食べたいです!」

「うん、なら明日の昼食は私が作りましょう。」

「やった!」

アルマが両手を突き上げて喜ぶ。

「あの~・・・タケオさん・・・私とエリカさんとウィリアムの分は・・・」

レイラが恐る恐る聞いてくる。

「3人をのけ者にする訳ないでしょう?」

「やったぁ♪

 アルマお姉様のお陰で私達も食べられます。」

レイラが喜ぶ。

「代わりにパイディアーとペイトーは借りますよ。」

「ん?」

レイラがピタリと止まり、首を武雄に向ける。

「明日はレシピ非公開の為、万が一を考え料理人は使えません。

 ですが、私1人では大変なので助手が欲しいのです。

 パナ、パイディアーとペイトーの代わりにアルマさんとレイラさんの体調管理をお願いします。」

「はい、わかりました。

 パイディアー、ペイトー、良いですか?」

「「はい、よろしくお願いします。」」

パナにパイディアーとペイトーが礼をする。

「ん~・・・本人達が良いというなら私も問題ないですけど、エリカさんは?」

「構いません。」

エリカが頷く。

「あ、タケオさん、スミスとジーナちゃんはどうするの?」

レイラが聞いてくる。

「ん?・・・あぁ、あの2人も新作食べさせてないなぁ。

 パナ、パラスとマリに伝言を。

 来れるなら来るようにと。」

「はい・・・4人共、明日はお休みを貰うそうです。」

パナが連絡したのだろう、すぐに返事がやってくる。

「・・・え?返事早くない?

 というより4人?」

アルマが呆れながら聞く。

「エイミーとドネリーが隣に居たようです。」

「という事はアルもか。

 あ、クリフさんとニールさんも出さないと不貞腐れそうですね。

 そこそこの人数が必要かぁ。」

武雄がそう言いながら明日の段取りを考えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 簡単に人にズルいとかいう奴、ほんっとに不愉快。何様なんだろうと思う。流石はアリスの姉だわ。 人の頭脳を当然のように利用してばかりのたかりのクセして、なーにがズルいだか。お前の方がよっぽど「ズ…
[一言] 食いしん坊万歳。 るんるん。 皆明日のお昼待ちきれないはずです。
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