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第1790話 面接中です。4(終わった、終わった。)

「さて・・・なので、エルヴィス領は何気にやる事が多くあるというのはわかってくれましたでしょうか?」

武雄がキティに言う。

「はい、エルヴィス伯爵領全体で産業の活性化を目指し、人口増と収入増を目指すというのはわかりました。」

キティが言う。

「そうですね。

 あとは希望の配属先ですが、何処に行ってみたいですか?」

「はい、お話をお聞きして、今話に上がった部署ではどこに行ってもやりがいがあるというのがわかりました。

 なので出来れば今のお話のあった部署のどれかに配属をお願いいたします。」

キティが頭を下げる。

「ふむ・・・スミス坊ちゃん。」

「エメットさん。

 要望として財政局、経済局、整備局と各町局のどれかという事で良いですか?」

「はい、どれも魅力的な仕事をされていると思います。

 よろしくお願いいたします。」

スミスの問いかけにキティが返事をする。

「わかりました。

 タケオ様、僕からはキティさんの要望をその通りに伝えて頂ければと思います。」

「はい、ならエルヴィス伯爵にはその通りお伝えしましょう。

 キティ・エメットさん、他に言っておきたい事はありますか?」

「いえ!ありません。」

「うん、では志望部署の聞き取りを終えましょうか。」

「本日はお時間を頂きありがとうございました。

 何卒、よろしくお願いいたします。」

キティが立ち上がって頭を下げる。

「はい、ご苦労様でした。」

武雄が言うとキティが面接部屋の扉に行き「失礼しました」と退出して行った。

「さて、人事については報告すれば良いのですけど。

 どうしたものでしょうね。」

「ん~・・・タケオ様、キティ先輩がやりたい事って何でしょうね?」

武雄が腕を組み呟くと、スミスがちょっとした疑問を聞いてくるのだった。


------------------------

面接部屋から少し離れた廊下。

「はぁ・・・終わったよ・・・」

キティがへたり込んでいる。

そして壮絶にお腹が鳴っていた。

「気が抜けたらお腹が元気になっちゃった。

 はぁ・・・今から食堂行っても何か食べる物貰えるかな?」

キティが壁に手を置きながらよろよろと食堂に向かうのだった。


------------------------

王立学院の食堂。

誰も居ない食堂でエイミーが1人来訪者を待っていた。

目の前の机には4人分のスイーツが。

「・・・キティ、大丈夫かしら。」

エイミーが懐中時計を見ながら呟く。

「タケオと面接なんてご愁傷様という感じね。」

用意しているスイーツの1つを食べながらアルが言ってくる。

「タケオさん相手だと私達王家ですら覚悟を決めて話に臨みますからね。

 キティには少し荷が重いかもしれませんが・・・タケオさんとスミスだから優しく話を振ってくれると思うんだけどなぁ。」

「まぁ商談とかではないしね。

 配属先の聞き取りと現状のタケオのしたい事の説明だから・・・あ、パラスから連絡。

 面接が終わったみたいね。」

「はい、了~解。

 緊張が解ければお腹が空くと思ってここに居るけど・・・部屋に帰ったらどうしようかな?」

「こっちだと思うけどなぁ?

 スープ数口しか食べてなかったし、タケオとの面接でお腹が鳴ってないかの方が心配ね。」

「お腹が鳴るかぁ・・・タケオさんとスミスは笑いはしないだろうけど、本人は恥ずかしいだろうね。

 私だったら恥ずかしくて悶えるわ。」

「ん~・・・エイミーが悶えるかぁ・・・

 ま、ジーナが料理を取りに来ていないからお腹は鳴ってはいないだろうけどね。」

「そうね。」

エイミーが頷くのだった。


------------------------

面接部屋では。

「「・・・ん~・・・」」

「憶測の域を出ないので提案がされるまではこっちから聞いたりはしませんがね。」

武雄がキティのやりたい事の推察をスミスとジーナに伝えると2人が考え込んでいた。

「タケオ様が同じことをするとした場合は今可能ですか?」

「無理ですかね。

 人員的にも予算的にも今私がしている事に比べて大がかりすぎます。

 それこそエルヴィス家の収入が増えてある程度余裕が出来ないと検討すら出来ませんよ。

 まぁその話は数年後ですので今はやめましょう。」

「「はい。」」

武雄の言葉にスミスとジーナが頷く。


「マイヤーさん、どうでしたか?」

「そうですね・・・最初は緊張されていましたが、最後に見せた提案を見るに優秀という感じですね。

 ご本人はやりたい事がおありの様ですが・・・まぁどの組織でも新人というのは理想に燃えるものでしょう。

 その熱意で配属された部署の仕事に邁進すれば良いと思います。」

「うん。

 ジーナは?」

「私としてはご主人様の説明はエメット様にとっては誘導に近い感じだったのではないでしょうか。

 エメット様がそこまでわかっていたかは不明ではありますが、結果的に配属部署については絞れたのは面接の結果として問題ないと思われます。

 ただ、やりがいという名の過大な仕事が待っている部署に手を挙げるのは自身の能力をわかっている者でしたら地位と能力向上になりますが、そうでない場合は体調を崩しかねません。

 その辺の配慮をしておけば、どの部署でも配属は問題ないと思われます。」

ジーナが言う。

「スミス坊ちゃん。」

「僕はジーナの言う誘導というのはちょっと違うと思います。

 選択肢は最初に提示していました。

 そしてエルヴィス家での事業や忙しい局の説明はしましたが、あくまで選択肢はエメット先輩にありました。

 『やる気がないと思われるかもしれない』という理由で忙しい部署を選んだのならすみませんが、そういう性格なのだろうとするしかありません。

 ですが『忙しいが面白味がある』という理由で選んだのなら能力を成長させ、ゆくゆくは事業の中核を担える人材になると思われます。

 僕はエメット先輩は後者であると信じます。」

スミスが言う。

「わかりました。

 3名の意見もエルヴィス伯爵にお伝えしましょう。

 スミス坊ちゃん、ジーナ、面接の立ち合いご苦労様でした。

 授業に戻ってください。」

「はい、タケオ様もお疲れさまでした。

 また後日遊びに行きます。」

「ご主人様、失礼いたします。」

スミスとジーナが面接部屋から退出して行くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] ジーナに一票w でも、きっとキティとしては、数例聞いて「あ、これ絶対全部面白いやつだ」と直感し、だからとりあえず今聞いて知ったどれをやってもいいし、どうせなら今聞いて知ることができたどれかを…
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