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第1789話 面接中です。3(今後の見通し。)

「はぁ・・・将来の楽隠居の為に頑張っているのに。」

「その大半が僕の領主時の仕事量が増えるという結果なのですけどね。」

武雄の呟きにスミスがボソッと言う。

「・・・まぁそれは追々考えましょう。

 それとキティ・エメットさんのやりたい事はここで言う必要はありません。

 将来になるでしょうが、それが提案出来る地位に昇った時に提案をしてください。

 下っ端が何を言っても上司が取り合わないのはいつの世もどの組織も同じです。

 最初は仕事を熟す事に集中しながらやりたい事の提案書を練ってくださいね。」

「はい!わかりました!」

キティが返事をする。


「えーっと・・・忙しそうな部署の紹介はしましたよね。

 あと・・・なにかなぁ。

 あ、将来の計画というか見通しをお知らせしておきましょう。」

「はい、お願いします。」

武雄の言葉にキティが返事をする。

「エルヴィス家では15年後には収入は現在の1.4倍~1.8倍、人口は8~9万人になると想定して動いています。」

「あの・・・すみません、現在のエルヴィス伯爵領の人口はいかほどでしょうか。」

「スミス坊ちゃん。」

「現在、エルヴィス伯爵領は6万4000人前後になります。」

スミスが答える。

「15年で最大9万人・・・約3割増し・・・そこまで急激に増加するというのはあり得るのでしょうか・・・」

キティが難しい顔をさせながら呟く。

「あくまで試算上での数値ですからね。

 北町はライ麦を中心にウィスキーの生産拡大をしますし、西町はウスターソースの原材料の一大生産地としての改良に着手、南町は領内の小麦生産を一手に引き受けますし、東町は人工湖関連での宿場町の色が濃くなるでしょう。

 商店が多くなるのかな?」

「町に特色が出て来るのですね。」

「特に西町は魔王国方面4貴族のウスターソースの原材料の生産ですからね。

 どれだけ作っても足りないという状態が続くと思っています。

 住民は増加して貰わないと足らないんですよね。

 なので一番の人口増加を見込めるのは西町ですかね。

 次は北町になりますね。

 ウォルトウィスキーも増産体制を組みますから、ライ麦の生産が盛んになってくれれば領民の生活の安定と更なる人口増加も見込めますよ。」

「キタミザト様は南町や東町でも人口が増えると思いますか?」

「北町、西町、南町は農業主体の町村の発展をしますので人口増加も期待していますが、東町はちょっと違います。

 こちらは人口増というよりも収入増を目指す可能性があります。」

「収入増ですか?」

「東町の発展は人工湖関連の人員の宿泊施設や船や荷馬車の工房の増加が中心になる事が予想されます。

 早く言えば宿泊所や商店、酒場なんかですよね。」

「はい。」

「それだけでは町の発展はないので、何かしら人が来る為の仕掛けが必要です。

 人に来てもらって、お金を落として貰わないといけません。」

「人が・・・来るですか?」

「ええ、キティ・エメットさん、旅というのは基本する事がないという認識ですよね?」

「はい、旅行なんて城門外では魔物の危険があるので冒険者を雇わなくてはいけませんし、その費用も高く、それにそこまでして行くような用事も・・・あ!ここですね!」

「そうですね。

 逆の発想をするなら城門外での魔物遭遇率を今の1割にまで下げれたとしましょう。

 1家族に例えば5名の護衛が必要だったとして、それが2名で済むとします。

 さらに1週間くらい滞在して、休養を楽しむ施設を作ったとしたら?」

「王都での仕事の疲れを癒す為に向かう地があって、魔物の遭遇率が低く、護衛費用が安くなる・・・人が来る可能性があるかと思います。

 キタミザト様、具体的には何を!?」

「そこはこれからエルヴィス伯爵と私、各局の担当者と話し合って見つけて行くのですが・・・キティ・エメットさん・・・これ、すぐにどうこうとか成果が出るという訳ではありませんが、王都から年間数十組くらいが来てくれると噂にはなりませんかね?」

「・・・数十組でなく十数組でも良いかもしれません。

 狙うなら王立学院に子供を入れられる豪商や貴族達、文官が狙い目です。

 基本、王都の人達は外に行った事ありません。

 なので、外の世界がどうなっているのか、地方がどういう生活をしているのかは本でしか知りません。

 そんな生活をしていて、王立学院で友人がエルヴィス領に旅行に行ったという話になったのなら・・・英雄です。

 キタミザト様、これは東町に何かしら人が来る施設を作って、最初は招待(・・・・・)するべきではないでしょうか。

 そうやって口伝で広まっていけば・・・人が来ます。」

キティが確信を込めて熱く言ってくる。

「ふふ。

 スミス坊ちゃん、優秀な部下が手に入りそうですよ?」

「王立学院に入るような・・・いえ違いますね。

 流石、キティ・エメットさんという事なんでしょうね。

 この能力を私達エルヴィス家に使ってくれるというのであれば将来が明るくなりますね。」

武雄とスミスがキティの熱弁をにこやかに聞いている。

「あ・・・その、すみません。」

キティが「話し過ぎた」と恐縮する。

「いーえー、構いませんよ。

 そういう感じで話したかったのですから、全く問題ないです。

 ね、スミス坊ちゃん。」

「はい、頼もしいです。」

武雄とスミスが笑いながら言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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