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第1784話 もうすぐ面接しますよ。(各々の前段階。)

王立学院の1年生の教室。

「今日の授業はここまでだな。」

教師の一言で皆が一気にだらける。

「あ、そうだ。

 エルヴィス。」

「はい。」

スミスが返事をする。

「昼食後に学院長室に向かえ。

 今日は夕方まで実家の手伝いだそうだから、授業も出なくて良い。」

「わかりました。」

「うん。」

そう言って教師が出て行く。

「スミス、何かあるのか?」

「実家で何か?」

イーデンとカイルが聞いてくる。

「別に何もないですよ。

 ただ、来年採用予定の生徒に会うだけです。」

「スミスが会って採用を決めるのか?」

「違いますよ、姉上の旦那様が王都に来ているのでその方が面接をします。

 僕はそれの付き添いですね。」

「姉?」

「どのお姉さん?」

「アリスお姉様のですよ。」

「ならキタミザト殿ね!」

グレースが話に入ってくる。

「あのアリス様の旦那様!

 文武両道のアリス様が見初めた最高級の文官でしょう!

 爵位も与えられ研究所という学問の最高部署を任された逸材ですよね!」

「・・・うん、まぁ・・・うん。」

スミスがグレースの言葉を否定しようか迷いながら頷いている。

ジーナは我関せず軽く無視している。

「あのキタミザト子爵様か。」

「まぁ私達の親が貴族になった切っ掛けの人ですからね。

 そんな人がエルヴィス家の人事を?」

「ええ、お爺さまの代わりに人となりを確認に来るんですよ。

 僕もエルヴィス家だからね。

 立ち合いをしてくるのです。」

「「ふーん。」」

「ちょっと!イーデン、カイル、私の話を無視しないで。」

「無視するわけないじゃないですか!

 グレース殿下、なんですか?」

「イーデン、聞きなさいよ。

 アリス様の凄いのはね。」

イーデンに対してグレースがアリスの凄い所を話し始める。

「実際は?」

カイルがスミスに聞く。

「普通の姉と姉の旦那さんなんですよね。

 アリスお姉様はちょっと力が強かったり、タケオ様は発想が奇抜で行動力があったりするんですけど。

 グレース殿下の言うような感じではないんですよ。」

「まぁ・・・そうですよね。」

「ええ、家族だとあの様に言われると違和感が半端ないんですよね。」

「なるほどね。」

カイルとスミスはグレースとそれを素直に聞くイーデンを温かく見守るのだった。


------------------------

王立学院3年生の教室。

「私は明るく皆と笑顔で会話ができ、皆の意見も聞きながら意見集約が出来ます。

 また、教師方との話し合いを随時行い、宿舎での生徒の生活の向上を考えています。

 実際の成果としては」

キティが紙を見ながらぶつぶつ言っている。

「キティ・・・それ何回読むのよ・・・いい加減なにか魔法でも出るんじゃないかと思ってきたんだけど。」

エイミーが隣のキティを見る。

「・・・不安です。

 私がエイミー殿下に今日の面接の内容をお聞きして一生懸命に内容を考えて・・・今日失敗したらと思うと。」

「いや・・・うん、まぁ気持ちはわかるけど。

 それよりもそんな顔でタケオさんとの面談に臨む方が不利になるんじゃない?」

「私そんなに酷い顔ですか?」

「うん、どことなくやつれた感じよ?」

「・・・顔は作り替えられません。」

「キティの顔の出来が悪いというなら世の女性は皆悪いとなってしまうわよ。

 いや、そうじゃなくて。

 キティは美人さんなんだから顔色を良くして微笑みながら打ち合わせに臨めばそれだけで印象良いからね。

 それだけ読み込めば頭に入っているでしょう?

 あとはタケオさんの質問にハキハキ答えて、わからないならわからないと言った方が良いわよ。

 タケオさんは無理に答えを捻りだされても困ってしまうんじゃない?

 それにタケオさんは無理やり聞き出すような人じゃないし、間違っても怒らないから大丈夫よ。」

「・・・不安です。

 エイミー殿下、付いてきてください。」

「キティの面接に私が同行してどうするのよ。

 どちらかというと私はタケオさん側に座るんだけど。」

「エイミー殿下ぁ。」

キティがエイミーに抱きかかる。

「弱々しくなって・・・はぁ・・・キティ、大丈夫かしら。」

エイミーが心配になるのだった。


------------------------

王立学院の面接部屋。

武雄達が空き部屋を借りて面接の用意をしている。

「あ~・・・」

「ビエラもですか。

 主~、お腹空きました。」

チビッ子2名が少し早くお腹が空いたようだ。

「え?・・・あぁ、もうこんな時間ですか。

 マイヤーさん、机の配置も終わったし王立学院の食堂で昼食を取りに行きますか。」

「そうですね・・・えーっと、机も椅子も配置終わりましたし。

 特に配布物はないのですよね?」

マイヤーが確認しながら武雄に言う。

「ないですね。

 ただ単に本人のやりたい事を聞き出すのが本命ですしね。

 何をやりたいかによって私が帰ってからのエルヴィスさん達への報告の仕方が変わるぐらいですね。」

「ふむ・・・改めて考えるとエルヴィス家で空いている部署に志望されれば良いですが、どの部署に空きがあるのですか?」

「総監部と総務局はちょっとわかりませんが、財政局は万年金欠で全体の予算繰りで慌ただしいですし、経済局は人工湖の稼働と養鶏場の軌道に乗せる事が今は目玉ですよね、整備局はウィリアム殿下領に向けての村作りと街道、環境局は都市のゴミの収集とスライム達への配達、分配等々・・・

 まぁどの部署でもやる気のある文官は歓迎されるのですよ。

 特に今回は初めての王立学院からの新卒者ですからね。

 いきなり何か1つ任せるかもしれないし、一から教えるかもしれないし・・・

 そこはエルヴィス家の文官達が考えますよ。」

「何がしたいかですか・・・王立学院の生徒がどう自身を売り込むか楽しみですね。」

「まぁ緊張でまともにしゃべれないかもしれませんけどね。

 そこは私達で落ち着かせながら話を進めましょう、まぁなるようにしかならないかな?」

武雄が苦笑して言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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[一言] >グレースが話に入ってくる。 >「あのアリス様の旦那様! > 文武両道のアリス様が見初めた最高級の文官でしょう! > 爵位も与えられ研究所という学問の最高部署を任された逸材ですよね!」 >「…
[一言] エルヴィス領から、 魔王国へ、糧食を納入する時に随行する、 王都の官僚たち(専売・外交・軍務)が エルヴィス伯爵家に、天職をしないかな? 外交局の随行は、キティーの父上で。 そんな楽し…
[一言] キティが採用されたら、エルヴィス家にとって時限爆弾になりそう エルヴィス家をないがしろにして、キタミザト家の為にだけ働きそう エルヴィス領でも 『未知数のスミス様より、実績のあるキタミザ…
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