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第1781話 報告と思案。(気になる人が居ます、気になる事柄があります。)

「そういえば王城にてスミス様、エイミー殿下がご主人様に押し売りしていましたが。

 精霊の本を良く見つけましたね。」

ジーナが2人に言ってくる。

「押し売り・・・まぁ買い取って貰ったのはその通りなんだけどね。

 僕達では持て余してしまうからね。」

「まぁそうね。

 買って来たから買ってくださいという端から見たら良くわからない事を言ったしね。

 マリとアルが見つけたのよ。」

「そうですか。

 ご主人様が中を見て『王家専属魔法師行きだね』と軽く言っていましたが、宝物庫行きという事ですよね。」

「そうなるわね。

 第2皇子一家(うち)に生まれてくるピーターもそうだけど。

 次の子達にも精霊を付けたいだろうからね。

 1冊でも多く収集するんじゃない?」

「4人同時でしたか。」

「ゴドウィン伯爵の所もそうだから実質5名ね。」

「今回の課外授業が5名同時で・・・ですか?」

「そ・・・そうなるわ。

 教師達の苦労が今からわかるわね。

 その中で1人でも精霊が付いてくれていたら楽にはなるんじゃないかしら?」

「第1皇子一家のご子息が良いですよね。」

ジーナが考えながら言う。

「ん~・・・一概にはそうとは言えないかもね。

 次の王はクリフ伯父上だけど、その次の王となるとね・・・パットに精霊が付かなくて次男に付いた日には精霊付きの方を次期王にと周りが思ってしまう可能性は否定は出来ないわよね。」

「お家騒動ですか。」

「そうよ。

 今回私やクリナ、アンに精霊が付いたけど、嫁ぐのが前提の女子だからね。

 だから誰も何も言わないのよ。

 ただでさえ嫁ぎ先は少ないのに精霊付きの王家の姫なんてもっと嫁ぎ先候補が絞られてしまうだけに思えるけどね。」

「高付加価値ですね。」

「特典がいっぱい付き過ぎて、相手に同情もしちゃうわよ。」

エイミーがやれやれと手を挙げながら言う。

と扉がノックされジーナが扉を開けるとドネリーが入ってくる。

「エイミー殿下、スミス様、失礼いたします。」

「うん、おかえり。」

「おかえりなさい、ドネリー殿。」

エイミーとスミスが挨拶する。

「ありがとうございます。

 エイミー殿下、王都守備隊にお願いした調査結果をお持ちしました。」

「うん、見せて。」

「こちらになります。」

ドネリーがエイミーに冊子を渡す。

「王都守備隊?

 エイミー殿下、何かあったのですか?」

スミスが聞いてくる。

「んー?ちょっと気になってね。

 ここで見ているのはやましい事でないからだからね。

 といっても流石にこの面子以外の前ではしないけど。

 ドネリー、2人に説明して。」

「はい、スミス様、ジーナ様、実はアビー・バウアー様の経歴と身辺調査を依頼したのです。」

ドネリーが2人に言ってくる。

「「身辺調査?」」

2人が驚く。

「うん、少し前にね。

 私達王家の子供が寄宿舎に入った場合、総監局に私達の行動報告をするのもお付きの仕事なのよ。

 で、ドネリーが前にグレースのお付きのバウアーが報告する時期以外で総監局に来ていたらしくてね。

 ドネリーが不審に思って王都守備隊に依頼したの。

 特に何かあるようには寄宿舎では感じなかったから・・・うん、報告書にも大きな問題はないわね。」

エイミーが冊子を閉じる。

「エイミー殿下、小さな問題はあったのですか?」

スミスが聞いてくる。

「ん?・・・うん、小さな問題はあるけど・・・たぶん私の杞憂よ。

 大丈夫、スミス達には関係ないから。

 だから今までと同じように接しなさい。」

「「はい。」」

スミスとジーナが返事をするのだった。

「ドネリー、これドネリーの方で保管しておいて。」

「はい、畏まりました。」

エイミーが冊子をドネリーに渡す。

と同時にエイミーは「先の王都の爆発事件で亡くなったタナー子爵家所縁の者か」と思うのだった。


------------------------

王城の武雄達の部屋。

武雄はアズパール王とオルコットとの話し合いを終えて部屋に戻って来たのだが、ビエラ達が先に寝ているという事もあり、部屋を暗くして窓際にてお湯割りのブランデーを片手に今日の反省をしていた。


「・・・ふぅ・・・」

だが、一向にお酒が進まない。

先程のアズパール王との話し合い。

ほとんどはあまり気にもならない話だったのだが、占領地運営についての話で違和感があって悩んでいた。

「なんだろう・・・この違和感・・・」


武雄はさっきの事を紙に書きながら1つ1つ考えていた。

≪王家領として専売局を配置し、ファルケ国とカトランダ帝国向けの塩の生産と販売を行う≫

これは問題はない。

当初から戦略物資としてカトランダ帝国への主導権を握るのがこの占領計画なのだからあって当たり前。

≪赴任するのはパット殿下≫

王家のみで専売局が塩を作れるという規則を曲げる訳にはいかないから誰かが行かないといけないのはわかる。

まぁクリフ殿下は王都での政務があるだろうし長期間は抜けられない、ウィリアム殿下も移動して数年の領地持ちだから長期不在は無理。

生まれてくる子供もまだまだ小さい。

クリナ殿下が15歳付近だろうが、卒業したてで最前線勤務は難しいというのもわかる。

ニール殿下がという案もあるけど、攻め込まれる貴族に面しているからその後方支援で離れられないというのもわかる。

なので、余っているパット殿下が行くのは順当。

≪パット殿下が若輩者だから経験者として軍務局長と外交局長、地方貴族が付く≫

パット殿下の指示を的確に判断し、もしくは逆に諭し、良い方向に物事を持って行くという事が出来、万が一の際は王都への緊急要請の判断が出来るだろう人選という面では間違ってはいない。

その人選がトップ過ぎるというのが一瞬どうかと思うが。


・・・どれも最悪に悪いという内容ではない、今の企画案という段階ではまぁまともな部類とも思う。

なのに何か違和感がある。

武雄がさらに思案をするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >その中で1人でも精霊が付いてくれていたら楽にはなるんじゃないかしら? 第3皇子のヒナちゃんに精霊ついていませんでした? エイミー殿下も同席してたはず?
[一言] 今日の投稿は、 私たち、読者に判りやすいように、 推敲を重ねたようで、 ありがとうございます。 第1560話 王城でまったり。1(湯浴み後の雑談。) の投稿中に、以下の話がありました…
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