第1778話 陛下との雑談。2(想定自動人形とある物を封印した事について。)
「歩けるかも大事ですけどね。
要は何かしらの死体を使ってそうだなぁとね。」
「ふむ・・・防腐処理出来るのだろうか。
使ってて腐り始めるのは嫌だな。」
「それもそうですけど、まともに動くとしても指先までとか出来るんですかね?
先ほどのキタミザト殿の説明ではないですが、歩くより物を持つというのも結構繊細な行動が必要ですよね。」
アズパール王とオルコットが言ってくる。
「お二人とも死体が使われているという事に何か思う所はありますか?」
「ふむ・・・流石に人間とかでしていたら嫌悪するだろうが・・・
魔法も使って高額だったはずで・・・人間程度の大きさに収めるんなら人間を雇った方が経済的だ。
となると人間の死体を使っている可能性は低くなる。
我がやるなら大きく作る!
金をかけるなら1体で10名程度の戦力にはしたいな。」
「カトランダ帝国に行って変に感化されなければ良いですが・・・
キタミザト殿、他国で研究をしていてもそこまで嫌な感情は覚えません。
確かに我が国では死体を扱う魔法行為自体が禁忌ではありますが、その手の魔法関連は普通に調べればわかる事ではありますからね。」
アズパール王の言葉にオルコットが心配そうに言う。
「そうなのですか?」
「ええ、まぁ誰もかれもという訳ではありませんけどね。
それなりの地位や組織に属する者なら閲覧は出来ますし・・・それこそ魔法師専門学院にもその手の本はあって、しっかりと禁忌である旨の教育はされますからね。」
「禁忌だから教えないという訳ではないのですね。」
「違いますね。
禁忌だからこそしっかりと教えないといけないのです。
死体系の魔法は確かに不朽の部下を作成は出来ますけどね、その際に付随される、万が一の被害や慢性的な疫病の発生の増加、倫理的・法律的な抵触している事項等々・・・まぁ事細かく教えるんですよ。
そして使用しているもしくは使用しようとしている者を見つけたら即報告するようにと徹底的にね。」
「へぇ~・・・しっかりしていますね。」
「しっかりしていないと目を盗んでアンデットとかスケルトンの制作とかおかしな事をする輩が出て来るものです。
まぁおかしな輩は魔法に限らず、政治でもそうですけど。」
「はは・・・確かに。
なので、私の中でも人間を使っているとは思えません。
で、陛下のおっしゃっているように元を取りたいとか、戦力増強という意味で大型化がされると考えて・・・オークとかで出来ていると予想をします。」
武雄が予想を言う。
「ふむ・・・オークかぁ・・・
まぁオークに武具を付けて戦列に加えられたら結構な戦力にはなるか。」
「確かに大型化されるのならオークでも良いですけど。
武具とかを付けると結構な重量になりそうですから、骨格が保つかどうかでしょうか・・・オーガとかもあり得ますよね。」
オルコットも予想をする。
「オルコット、オーガを剝製するぐらいに綺麗に倒すのはタケオクラスが必要なんだがな?
兵士数名で囲んで倒すと結構傷だらけになるんじゃないか?」
「皮の下の肉と骨があれば良いのでは?
皮の部分は何かしら・・・いっその事武具を張り付けるとかして対応するとか。」
「筋肉に直接鉄とかを貼り付けると保守が大変そうですね。」
武雄が呆れる。
「まぁ・・・どんな物が鎮座されていたかは報告をしよう。
この場で話し合っても楽しい空想にしかならん。」
「「はい。」」
アズパール王の言葉にオルコットと武雄が返事をする。
「クリフ達は何か言っていたか?」
「いえ、明日、アルダーソン殿を交えてカトランダ帝国への出張の打ち合わせするぐらいしか言っていませんでしたよ。
あれ?陛下が行くと言っていたような・・・」
「うむ、我が行く。
なのでその話合いはどこでやるかを聞き出して我も参加だな。
タケオはどうするのだ?」
「明日は考えをまとめる1日ですね。
出掛けるかはわかりません。」
「そうか。
まぁ、タケオの事だ。
何かしら動くのだろう。」
「私が率先して暗躍しているように言われるのは心外ですが・・・
まぁ料理やら衣服で小遣い稼ぎしているので強く否定は出来ませんね。」
「十分、王都の文官や貴族にとってキタミザト殿は脅威ですよ。
まぁ王都に還元してくれているので文官達は不問としていますけど。」
「今後もご協力いただけるよう情報の擦り合わせはさせて頂きます。」
「ええ、こちらこそお願いします。」
武雄がオルコットに頭を下げる。
「そういえば、レッドドラゴンに引っ越しが出来るか聞いてきました。
今のままだと調査できないので、明け渡して欲しい旨を説明をしましたよ。」
「ほぉ・・・良い方向に話は膨らんだか?」
「どうなりましたか?」
「問題点は2つ、魔力溜まりと引っ越し先ですね。」
「ふむ・・・発生していたか。」
「ええ、6m程度の大きさでうちの者が言うには知る限りでは最大だそうです。
レッドドラゴンはこれの対応をしています。
湧いて出てきたら即排除をしていました。」
「ふむ・・・即排除か、相応の脅威になっていると仮定した方がいいな。
我らだと騎士団の数個小隊を常駐させるしかないか?」
「6mは聞いた事がない大きさだったと思いますね。
その辺は過去の資料を読み解いて報告します。」
アズパール王の言葉にオルコットが頷く。
「あ~・・・すみません。
レッドドラゴンが生活に不便そうだったので、魔力溜まりを封印してきました。」
「「はぁ・・・」」
武雄の言葉にアズパール王とオルコットが大きなため息をつくのだった。
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