第1775話 王家とキタミザト家の話し合い。(武雄的輸送経費削減案。)
アルマ達が武雄の輸送計画を聞いたのだが。
「タケオさん・・・それはタケオさんしか考え付かないわよ。」
アルマが呆れている。
「ん~・・・そうですか?
別に商店を使う訳でもないですし、エルヴィス家と王城の専売局の予定を合わせるだけですよ?」
「いや、そもそも専売局を使うって発想がスミスには不可能よ。」
レイラが呆れている。
武雄の考えはこうだ。
まず王家2つからの見積もりには幌馬車ごと買うという見積もりにして王都まで持って来て貰う。
王都からエルヴィス伯爵領までの輸送の人員はエルヴィス家の兵士にして貰う。
その為に専売局がエルヴィス領への荷物の輸送をした帰り道にてエルヴィス家の第4小隊から人員を輸送して貰う。
というエルヴィス家とキタミザト家の力技を使う気でいたのだった。
これには流石にアルマもレイラもジーナも呆れていた。
「んー?・・・輸送だけで商店を使うと費用が割高になる可能性があると踏んだんですよね。
それにエルヴィス家なら割り増しはなくて純粋な人件費だけで済みそうですしね。
回される人員は第4小隊でしょうかね。
事務方で備蓄管理もしているだろうし、総監部と協議して何をするのかの内容は事前に知る事が出来ます。
確か魔法師専門学院の卒業生が多かったはずなので多少の荒事にも対応出来るでしょう。
なので、備蓄の小麦の輸送の為にエルヴィス家の兵士を使っても問題ないと思うんですけどね。」
「その通りなんだけど、費用はスミスからでしょう?」
「ええ、エルヴィス家からスミス坊っちゃんへの依頼金に含まれますよ。
なので予算内であればエルヴィス家に頼まなくても王都で人員を集めても良いです。
私が関与する事ではないですね。
予算内でいろいろ考えてくれれば良いです。」
「まぁ・・・そこはスミスがどう考えるかね。
ジーナちゃん、この案はスミスが何も思いつかなかった時に披露してね。」
「畏まりました。」
レイラの言葉にジーナが返事をする。
「王家に頼む際の上限額は輸送の人件費を引いた額となるとエルヴィス家から依頼が来た際に早々に輸送人員の確保についての目途を立てないといけないという事ですね。」
「まぁそうなるでしょうね。
ざっくりと大まかな金額は知っておかないといけないでしょうね。
どこに聞きに行くかも値段が違うかもしれませんが。
まぁそこは楽しみにしていましょう。」
武雄がそう言う。
後ろのジーナは「今から動こうかなぁ」と思っていたりする。
「そうね。
私達もスミスの考えを逐一確認するようにするわ。
ちょっとミスしたら大損しそうだし。」
アルマが呆れながら言ってくる。
「上手く導いてください。」
「タケオさんみたいに上手く行くかはわからないけど。
まぁ私達の引っ越しに際しての事前演習という程度の考えで取り組むわ。」
「そうですね。
費用の見積もりは同等距離かちょっと遠い私達と大して変わりないなら。
兵士か商店のどちらかに依頼するかの事前検討に繋がりますもんね。」
アルマの言葉にレイラが答える。
「エルヴィス家の方は第3皇子一家が見守りながらジーナ殿が補佐をしっかりするのかの確認をします。
あと、エルヴィス家からの依頼金と王家への発注額との差額はエルヴィス家の利益とすれば良いのですか?
それともスミス殿の小遣いにしますか?」
エリカが確認しながら聞いてくる。
「・・・わかりません。
ジーナの補佐の採点はエリカさんにお任せしますが、費用の差額がどこに行くのかか・・・
私としては、家としての仕事なので、取引費用はエルヴィス家の収支に入れて計上しないといけないでしょう。
その後特別金か何かで小遣いとなると思います。
そこはエルヴィスさんに聞いておきます。」
「わかりました。
そちらはスミス殿かジーナ殿に指示を出す際に明記しておいてください。」
「はい、わかりました。」
武雄が頷く。
と扉がノックされウィリアムが入ってくる。
「ただいま~、あれ?
タケオさん来ていたんですね。」
「お邪魔しています。
レイラさんに引っ張られました。」
「ははは、ご苦労様です。
えーっと・・・お茶ありますかね。」
ウィリアムが自身分のお茶を淹れて執務机の所に行く。
「何の話を・・・と言いたいですけど、レイラはスミスの教育の話を聞きたがっていましたからね。
それですね?」
「はい、今スミス坊ちゃんの提案をレイラさん達で確認して貰うように依頼しました。」
「うん、そうですか。
わかりました、スミスの立てる計画は僕も目を通しましょう。
それで依頼される方の王家の方はどうしますか?」
「アルマさんはパット殿下がミスをするんじゃないかと心配なようですね。」
「わかります、その気持ち。
僕もエイミーは大丈夫だと思いますけど、パットはね~・・・
一応、第3皇子一家で下積みをさせているので輸送面の注意点とかは授けてあります。
エルヴィス家の購入計画はパットにとっても良い実践になるでしょうが・・」
ウィリアムが言ってくる。
「ミスをするから経験になるんですけど。」
「まぁそうですね。
それとクリフ兄上とニール兄上は今父上とオルコット宰相からこの計画の概要を説明受けていますよ。
僕は知っていたので退出してきましたけどね。」
「この計画って・・・まだ発注来ていないんですけど。
来る事前提なんですか?」
「はい、2人ともやる気でしたよ。
子の成長を確かめるんだそうで嬉々として準備しています。」
「あの2人が嬉々として?
・・・エイミー殿下とパット殿下・・・何か仕組まれる可能性がありますよね。」
「はぁ・・・タケオさんもそう思いますか?
僕は説明不要との事で退出させられましたが・・・エイミーとパットに情報が漏れない為でしょうかね?」
「かもしれません。
・・・ジーナ。」
「はい、ご主人様。」
「王家からの見積もりが来たら3回は確認しなさい、それとウィリアムさん達にも確認を依頼しなさい。
何か私達が見落とすように書かれている項目がある可能性があります。
その上でエルヴィス家の有利になる事であるならそのままで、不利になる事ならすぐに問い合わせと再見積もりを実施。
相手が王家とか関係なく、不利になるような事をそのままに契約する必要はありません。
もちろんスミス坊ちゃんの判断を尊重した上でね。」
「はい、畏まりました。」
ジーナが頷くのだった。
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