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第1754話 見守る会の夕餉。(ジーナが率先的に戦闘を仕切っていたようです。)

見守る会のテント。

「たっだいまー。」

「疲れたぁ。」

コートニーとルークが自分達のグループの所に戻ってくる。

「「「「おかえりー。」」」」

4人が夕食を食べながら出迎える。

「はぁ・・・戻って来て料理があるのはいいねぇ。

 よいしょっと。」

「はぁ、美味しそうだな。

 野菜たくさんだし食べ応えあるな。」

コートニーとルークが皆の輪に入る。

「今用意するわね。」

女子生徒1人が2人の夕食の準備をする。

「どうだった?」

男子生徒が2人に聞く。

「私達は2体だったよ。

 エルヴィス殿が2体、ジーナ殿が7体。」

「うん、おかしい数字だね。」

「いや、順当なんじゃないの?」

女子生徒2名が考えながら言う。

「コートニーもルークも大丈夫か?

 食事が難しいならお湯のみにするぞ?」

「ん~・・・私は大丈夫かな。

 訓練に比べればきつくないし、ゴブリンの生死を見たけど・・・特に何か感じなかったなぁ。

 もっと食欲が湧かないかと思ったんだけど・・・普通にお腹空いた。」

「コートニーは現金だね~。」

「本当、コートニーはもっと女子力磨かないとダメじゃないの?

 普通の女子なら死体見たら動揺するものよ。」

「うるさいなぁ!動き回ったんだしお腹空くんだもん!しょうがないじゃん!

 出会い頭でいきなり襲ってきた向こうが悪い!」

女子達が話し出す。

「ルークはどうだ?」

「俺も腹減った・・・そう・・・普通に腹が減った。

 確かに生き物を殺したんだけど・・・ん~・・・見聞きするような嫌悪感はほぼないなぁ。

 むしろ・・・体が高揚している感じだな。

 異様に力がみなぎっている感じがする。」

「ふむ・・・ルーク、1人になる時間作るか?

 男子達に協力して貰って人を近づけないようにも出来るが?」

「そうだなぁ・・・それはそれで恥ずかしいが間違いが起きるよりかは皆もわかってくれるか。

 よろしく頼む。」

「あぁ、わかった、後で手配しておく。」

「あぁ。」

男子生徒とルークが頷く。

「何々?ルーク何するの?」

コートニーが聞いてくる。

「俺の戦闘を男子達に自慢するんだよ。」

「へぇ・・・2人で対処したのにね。」

「してない奴らはしている奴の話を聞きたいんだろうよ。」

「そんなものかねぇ?」

コートニーが考えながら言う。

「で?2人ともどうだったの?」

食事の用意をした女子が渡しながら聞いてくる。

「うん、ありがとう。」

「用意ありがとう。

 どうといわれても・・・最初こっちが身を潜めながら近づこうとしたんだが、向こうがすぐに気が付いて戦闘態勢を取ってワーッと近寄ってきて、それを見たジーナ殿が駆け出して一薙ぎして先頭のゴブリンを切り倒して。」

「すぐにジーナ殿が狼になって遠吠えしたら狼達が飛びのいて、ジーナ殿が人間に戻って睨んだらすぐに言う事を聞いていたよね・・・それで狼達が周囲を囲んでゴブリンが外に行かないようにしたよね。」

「そこからはジーナ殿が次々とゴブリンの手首を落としまくっていって。」

「その内の1体をエルヴィス殿が、もう1体を私とルークが相手して・・・結果、エルヴィス殿が2体、私達が2体、ジーナ殿が7体だね。」

「何が凄かったって、手首を正確に斬り落としていたジーナ殿だよな。

 本人に確認したら『利き手を落とせば戦力が落ちて後で止めを刺せば良いだけの状態に出来ると考えました、まずは相手の戦力の低減化を目指しました』とか言っていたからな。

 本人は相手の武器と利き手を潰した感覚なんだろうが、普通に致命傷で最後まで生きていたのはいなかったよな。」

「そうだね。

 なんか最後の方は不思議な剣技だったよね。

 まぁゴブリンは木剣というかこん棒?みたいなのを振っていたけど、受けるでもなく・・・こう・・・ゴブリンが剣を振って来たのに対してジーナ殿が剣を合わせたと思ったら弾くでもなく、手首を使って優しく受け止めて・・・気が付いたらゴブリンの懐に入って手首ごと切り落としていたよね。

 で、その後は回し蹴りでゴブリンの後頭部を蹴り上げていたっけ。」

「最初はいきなり懐に入って相手の手首を切り落として、そのあと回し蹴りで蹴り飛ばしていたんだがな。

 途中から戦い方を変えていた感じだな。」

ルークとコートニーがジーナの戦い方を話している。

「「「・・・」」」

聞いている女子生徒達は難しい顔をさせている。

「・・・剣の戦いで蹴ったのか?」

「蹴ってた。」

「綺麗に。」

男子生徒の問いかけにコートニーとルークが答える。

「はぁ・・・そうか・・・完勝だったんだな。

 それで寝返った狼達はどうしたんだ?」

「あぁ、この場所には近づかないという約束をジーナ殿とさせて解放していた。

 教師陣も生徒に何もなければ良いと了承していたな。」

「ジーナ殿がテキパキと段取りしていたよ。

 森の奥に戻っていった狼達は少し項垂れてたけどね。」

「ジーナ殿は狼達から見ても格上だったんだろうな。

 はぁ・・・4人が無事に帰って来て何よりだ。」

2人の言葉に男子生徒が頷く。

「うん、それが一番だけど・・・想像を超えた戦闘があったのはわかったわ。」

「はぁ・・・参加したかったような、しなくて良かったような。」

「私達は魔法師じゃないからね。

 料理をして待っているのが一番なんだよ。

 ほら、コートニー、ルーク君、おかわりあるからしっかり食べてね。」

「あぁ・・・お言葉に甘えておかわりしようかな。」

「あ、私も!」

コートニー達は先ほどの戦闘の話を肴に夕食を取るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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[気になる点] 「俺も腹減った・・・そう・・・普通に腹が減った。  確かに生き物を殺したんだけど・・・ん~・・・見聞きするような嫌悪感はほぼないなぁ。  むしろ・・・体が高揚している感じだな。  異様…
[一言] さて楽しいいいことを男女で頑張るのがいるといいなぁ。
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