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第1751話 スミス実践。(生徒達だけの戦闘。)

課題研修の広場の奥の森。


「ねぇ・・・ルーク。」

「ああ。」

「私初体験なの。」

「ああ。」

「私の初めてがルークとで良かったわ。」

「そうか。

 俺もコートニーと初めてが迎えられて嬉しいさ。」

「うん、記憶に残る体験になるよね。」

「当たり前だろう?

 俺とコートニーなんだから。」

「うん、ありがとう。

 でもね・・・私とルークでゴブリン1体ってどうかと思うんだけど!」

コートニーがルークに言う。

「いや、ジーナ殿の心遣いだろう?

 2人なら何とかなるだろうという。

 まさか、少ないと言うのか?」

「違うわよ!

 一応戦闘訓練したけど!いきなりゴブリンで!この混戦で!

 もっとみんなで1体を囲んでの戦闘初体験じゃないの!?

 なんで1体を任されるのよ!」

「・・・いや、結果的に参加者は俺らとジーナ殿とスミス様だけなんだが。

 一応戦闘経験という事で1体くれたんじゃないか?」

ルークがコートニーの言葉に呆れる。

「ちくしょう!こうなったら丸焼きにしてやる!

 ファイア!」

「じゃあ、その隙に俺が斬り込んで一撃離脱するか。」

コートニーが魔法を発動し、ルークがゴブリンに肉薄するのだった。


ジーナはというと。

「ギャア!」

「ふっ!ん!せいっ!」

「ガ・・・」

魔眼を発動中のジーナは向かってきたゴブリン1体の左側から懐に入り、右手に持った小太刀でもって武器を持つ右手に斬り付けると、その場でくるりと綺麗なステップで左に回転、ゴブリンの左脇に強烈な回し蹴りを入れて飛ばす。

「ジーナ!次あっち!」

ジーナは肩に乗るチビパラスの指示の下、次々にゴブリンを斬り付け逃げれないようにしていく。

まぁ斬り付けると言っても武器を持っている手首を狙い、綺麗に両断しているのだが。

「ギャ!?」

「さっさと終わらせる!

 せやっ!!」

ジーナはゴブリンを次々と撃破していくのだった。


スミスはというと。

「・・・」

「・・・」

1体のゴブリンと対峙していた。

スミスは左足を前にし、剣を握る両手を顔の右に持っていき、タイ捨流の独特の構えをしてタイミングを見計らっている。

ゴブリンは木の棒を片手で持ち構えというより自然体な形で立ち、右腕を大きく横に伸ばして自らを大きく見せようとしている。

武雄が見たら「なまはげのあの構えだ」と楽しみながら見ていただろう。

スミスの少し後ろには人と同じ大きさになった赤い甲冑姿のマリが腕を組んで様子を見ている。

両者がジリジリと近づいていく。

「ギャ!」

ゴブリンが動く。

「せいっ!」

スミスが思いっきり、習った通りに振り始める。

狙いはゴブリンの左肋骨から胸まで。

右足を踏み出すと同時に迷いなく振りぬく。

「ガッ・・・」

スミスの狙い通りに切り裂く。

そしてすかさず倒れたゴブリンの首に剣を突きつけ絶命させる。

「主、お見事です。」

マリがそう一言言う。

「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

スミスはゴブリンから剣を抜き、右手で剣をだらりと持ちながら息を整えるのだった。


教師陣は。

「あ~・・・おかしいなぁ・・・

 もっと苦戦する予定で俺らが指導しながらの森の怖さを教える予定だったはず・・・」

「ジーナ殿の動きが的確すぎて教える事すらないな。」

「ジーナ殿は鮮紅殿と先駆殿の愛弟子だからね。

 エルヴィスと一緒に精霊の剣技を学んでいる・・・化け物だな。」

「それに周囲の警護は狼達がしているし。」

「はぁ・・・着いて早々、ジーナ殿が銀毛の狼になって一言吠えたら大人しくなって周囲でお座りの状態で並び、人型に戻って魔眼で威圧したら平伏ですよ?

 狼ってああやって誰かの下に付く事があるんですね。」

「参加人数も4名って・・・去年や一昨年はもっと参加したのに・・・

 今年は大人しいですね。」

「グレース殿下が参加しなかったからじゃないか?

 良い所を見せる必要もないと。」

「その考えで言うと一昨年はどうだったんだ?・・・お前は一昨年参加していたよな?」

「ええ・・・エイミー殿下は一応参戦したんですが、周りが戦闘経験もない有象無象で・・・

 控えめに言って大混乱でしたね!

 去年はまぁ落ち着いて皆が固まって1体ずつ倒していましたが。」

「今回はジーナ殿が粗方、処理しているな。

 エルヴィスも豪快に両断出来たようだし、ラックとマイヤーも2人で倒している。

 うん、この面子は優秀過ぎだな。」

「はぁ・・・ジーナ殿の邪魔をしそうだから俺らは見守りに徹しているが・・・

 暇だな。」

「たまにはこういう事もあるだろう。

 ジーナ殿の綺麗な打ち込み・・・流石だな。」

「戦闘しながら正確に敵の手首を落とすって・・・現役の騎士団員と王都守備隊員で何人出来るんだろうな。」

「恐ろしい才能だな。」

「見た目が綺麗だからなぁ。

 これが噂になれば二つ名を賜るかもな?」

「なんて呼ばれるんですかね?」

「・・・戦姫?」

「わぁストレート。

 俺は戦闘メイド。」

「それは・・・需要がありそうな響きだな。」

「鮮紅殿の愛弟子だからなぁ。

 鮮紅を襲名とかもあるんじゃないか?」

「あ~・・・それはあるかも。」

教師陣達は怪我をすればすぐに介入出来るようには準備しているが、生徒達の奮戦を見守るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 『銀閃』に一票w
[一言] はい、来ました! 二つ名募集コーナー笑
[一言] 戦闘メイドと戦姫か悩ましい。 両方で!
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