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第1746話 穴の底。(下地作業開始。)

武雄とマイヤーはある程度注意しながら穴の底に来ていた。

「・・・綺麗ですね。」

「はい、真ん中に柱があったとは思えませんね。

 魔力溜まりも健在で、魔法陣が・・・ありますね。」

マイヤーが目視で確認する。

「・・・あの攻撃を食らっても健在とは・・・

 まったく魔力溜まりと言い、魔法陣と言い、一度現れたら元に戻すのも大変ですね。」

武雄も魔力溜まりを見ながら言う。

「魔力溜まりは魔物を排出していけば自然と消滅するはずなんですけどね。

 魔法陣の方は解明させるのは難しいでしょうね。」

「その魔法陣はどういった物なのか。

 そもそもそれを誰が書いたのか。

 元の村人が書いたから魔力溜まりが発生したのか、魔力溜まりで呼び出された魔物が書いたのか。」

「呼び出されたのが知識が高い者が居たと?」

「ここでは魔法刻印の工房を集めていた。

 そんな職人が魔法陣を書いたなんて・・・結構な問題でしょう。

 表立っての理由は後者の方が無理はあっても納得させられるでしょう。」

「まぁ確かに。

 ですが、公表をするしないは別としても正しい原因は知っておかないといけません。

 職人だった場合、こんな広場に作るとは相当鬱憤が溜まっていたのでしょうか。。」

「・・・ここが広場と言うのは今だからですよ。

 元々は工房があったかもしれません。

 鬱憤がというよりも、もしかしたら偶然の産物なのでは?

 ほら、アリスのバスタードソードはスーが居ますよね。

 精霊を宿せる方法を試したとするのなら。」

「精霊を武器に付ける方法・・・確かに技術的な事はわからないにしても。

 何かを刻み込まないといけないという事はわかりますよね。」

「当時の参考書でもあれば良いのでしょうけど。

 陛下と宰相が2人揃ってその辺の事を言って来ない事と類似の武器が出回っていない所を見ると。」

「消失しているのでしょうね。」

「一度、ステノ技研で聞き取り調査が必要ですね。」

「そうですね。

 実施はしていないようですから製造は出来ないのかもしれません。

 もしかしたら口伝とかで残っているかもしれませんね。」

「そうですね。

 と、さて、魔力溜まりの周りの壁も・・・まぁ綺麗になった物ですね。」

「少し、滑らかになりましたか。」

武雄とマイヤーが壁を触りながら言う。

「ふむ・・・ちょっとガラス状になっているのかな・・・

 鉱物っぽくはないですね。」

「そこは専売局の管轄でしょうね。

 所長、打ち込んでみますか?」

マイヤーがそう言ってくる。

「よし、時間もありませんから次々にやっていきましょうか。

 ビエラ!ブレアさん達に言って工具と棒を降ろしてください。」

「グル。

 グルル~。」

武雄が穴の上のビエラに声をかけるとビエラが鳴く。

「ビエラ殿が鳴いていますが、所長、お呼びで?」

オールストンとブレアが穴の縁にやってきて顔を出す。

「予定通り、作業を開始します。

 まずは底板の設置をしますから集めた中から剣と大きいハンマー、木の板、製作した棒と板を降ろしてください。」

「「了解。」」

オールストンとブレアが顔を引っ込める。

「・・・上手く行きますかね。」

「ダメなら徒労ですが、まぁ上手く行くんじゃないですか?

 どうせ、上に住むわけでもないですし、大まかで良いんですから。」

「まぁ、所長の説明はそうですね。

 この歳でハンマーを振るうとは。」

「今日の夕食美味しいでしょうね。」

武雄とマイヤーが苦笑している。

「所長!マイヤー殿!降ろしますよ!」

穴の上から声がかかるのだった。

・・

穴の底。

今、マイヤーと武雄が作業を実施していた。

上から見ると底の壁沿いに80㎝の黒い板が配置され武雄がひしゃくで液体をかけながらファイアで炙っている。

一方のマイヤーはというと。

「せいっ!」

カンッ

「せいっ!」

カンッ

 壁沿いの板に乗って大きいハンマーを使い、股の下の踝あたりにある鉄棒のような物を壁に打ち込んでいる。

 かなりバランスが良いです。

「おー魔力溜まりに落ちないように力加減をしているはずなのに・・・器用ですね。

 マイヤーさん、代わりますか?」

「はぁ・・・はぁ・・・打ち込む力より落ちないようにするのに神経を使いますね。

 所長、お願いします。」

マイヤーが大きいハンマーをその場に立てかけ階段の方に移動する。

「よし、やるか。」

武雄がその場所に行き、ハンマーを持って、マイヤーがしていたように、鉄棒状の物を打ち込んでいく。

ある程度打ち込んだら、すぐ横に移動し、コンコンと鉄棒を少し打ち込んでから本格的に棒を打ち込む。

「マイヤー殿!次降ろします!」

「おー!頼む!」

オールストン達も次々と黒い板と棒を搬入してくる。


1.武雄達はまず、魔力溜まりにかかからないように四方の壁際に足場を設置する。

 方法としては高さ10cmのブロックを作成し、50cm毎に配置していくブロックの間には木の板を重ねて置いていく。

2.魔力溜まりに落ちないように奥の壁まで行き、足場から腰の高さ程度の所の壁に古びた剣を加工し短刀程度の長さにした楔を打ち込み、ロープを張り一応の落下予防策をする。

3.足場から2cmの所に50cmの間隔で長さ50cmの黒スライムから作った棒を30cm程打ち込む。

4.棒を打ち込み終わったら黒スライムの体液から作った幅20㎝の板を打ち込んだ棒の上に配置し、横から同液体をかけ、ファイアで炙り固定する。

 これを四方全てに行う。

5.その足場から2cmの所で前の工程で被らない位置を考慮しながら50cmの間隔で長さ70cmの黒スライムから作った棒を30cm程打ち込む。

6.棒を打ち込み終わったら黒スライムの体液から作った幅20㎝の板を2枚横に並ぶように打ち込んだ棒の上に配置し、横から同液体をかけ、ファイアで炙り固定する。

以下略。


 上記のように壁に杭を打っては足場にする幅を多くさせる方法を取っていた。

 もちろん落下予防のロープを都度、高さを変えている。

 そして今は足場の幅が80cm。

 床からの高さは20cmを超えているのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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