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第1744話 198日目 おはよう。(ジーナは夜警をしたようです。)

課外授業の広場。

「んーーー!」

スミスがテントから出てきて背伸びをしている。

「あ、スミス様、おはようございます。」

「うん、ジーナもおは・・・って、ジーナそのテントの紐にかかっているのは?」

スミスがジーナが朝から何かしているのに気が付く。

「ヘビですが?」

そうジーナはヘビの皮を剥いでテントの紐に吊るして干していた。

「・・・なぜに?」

「昨晩、テントに侵入しようとしましたので対応しました。

 血抜きが必要かと思って・・・スミス様、テント内は確認していますか?」

「していないね。」

「・・・マリ?」

「うむ、侵入をした形跡は確認出来ていない。

 我が見落としていないとも言い切れぬが・・・今の所は平気なはずだ。」

「・・・見て来るね。」

マリがそう言うのを聞き、スミスがテント内に戻っていく。

と。

「きゃーーー!!!?!!」

「え!?なに・・・・ギャーー!?」

「あああぁぁ!!!?」

各テントから悲鳴が出始める。

「野営ですからね、こういった事はあるでしょう・・・数が多すぎて誰かに仕掛けられているのが丸わかりなのですけど・・・」

ジーナはテントに戻るのだった。

「・・・ふわぁ・・・ジーナ、おはよう。」

「おはようございます、グレース殿下。

 バウアー様が起きてきませんね。」

「私もですけど、朝弱いですからね。

 それに・・・まだ起床の合図はされてないように思うけど。

 外が騒がしくて起きてしまったわ。」

「はい。」

「ジーナ、何が起こっているの?」

「ヘビが多数のテント内に入り込んでいるようです。」

「ジーナ、なぜ知っ・・・ここにも?」

「はい、すでに処理しております。」

「そ・・・そう、ジーナありがとう。

 バウアーは知らない方が良いかしら?」

「今は教える必要はないでしょうが、あとで他のグループの状況からわかるかと思います。

 で、桶に水を入れて顔を洗われますか?」

「そうね・・・ってジーナが直接する事ではないわよ。

 私がバウアーに言って、バウアーがジーナにお願いしないとバウアーの面目がなくなってしまうわ・・・だから、もう少し後になるわね。

 バウアーを手伝ってくれるとありがたいわ。」

「そうですね・・・私は水を飲みたいのですが、グレース殿下にもお持ちしますか?」

「そうね、ジーナのついでで構わないから1杯頂けるかしら?」

「わかりました、準備いたします。

 パラス。」

「はーい、コップに水を入れれば良いのね。」

チビパラスがジーナの肩に現れるのだった。


------------------------

武雄が滞在している村にて。

武雄とマイヤーは魔力溜まりを見ていた。

オールストンとブレアは朝食の準備をしている。

「・・・厄介ですね。」

「ですか。

 マイヤーさん、黒い染みが直径・・・6m程度ありますが、これは大きいのですよね?」

「大きいですね。

 森の中で自然発生もしくは魔物が囲っている状態の魔力溜まりは大体2m、大きくても4mです。

 ここまで大きいのは私は初めてです。

 それと昨日の最後にリツ殿が倒した魔物は初めて見た魔物になります。」

「新種?」

「私が知らないというだけだと思われます。」

「ふむ・・・ストーン×10。」

武雄は魔力溜まりの端っこに拳大の石を置く。

とみるみる黒く染まっていく。

「不思議ですね・・・魔力溜まりになりました。

 なら・・・ストーンエイク×10+エクス×10。」

ズドドドドドドドドッと深さ20㎝くらいの溝を作る。

「・・・しばらくすると黒くなるっと。」

「魔力溜まりの除去は盛ってもダメ、掘ってもダメです。」

「はぁ・・・これが可能なら皆がさっさと対応出来ていますよね。

 問題は・・・昨日の夜に見た中央付近の魔法陣ですか。」

「不思議でしたね。

 どういった経緯であんなものが出来ているのでしょうか。

 あれは前にビエラ殿が見たという魔法陣での魔物を呼び出すというやつで間違いないでしょうね。

 王都の王家専属魔法師部隊辺りが喜びそうな感じですけど・・・・些か・・・」

「ちょっと危険ですから封印したいですよね。

 掘って埋めますか。」

「埋めても地表に現れてしまうと思うのですが・・・」

「空間があれば問題ないんじゃないですか?

 ちょっと試してみましょうよ。

 マイヤーさんそっちとこっちにストーンで20cmくらいの台座を作っておいてくださいね。」

武雄がそう言って朽ち果てた家に向かうのだった。

・・

武雄とマイヤーは廃屋から持ってきた板を魔力溜まりの直上に渡して黒くなるか確認していた。

「黒くなりませんね。」

「となると最低20cm離すと魔力溜まりの影響は受けないとなりますね。」

「20cm浮かせて蓋を?」

「そう言えば魔物が出て来る時、決まって頭から(・・・・・・・)出てきましたよね。

 20cmねぇ・・・ニヒッ。」

「わぁ悪い顔です。」

「出てきたら高さ20cmの空間しかなく、重しが重すぎた場合・・・首の骨保つと思いますか?」

「出て来た直後、頭がぶつかり、それでも下から体が這い出て来る・・・最悪ですね。」

「勝手に出てきて勝手に潰れる・・・首が異様に強いとも考えられますよね。

 相当重くしておく必要があるでしょうし、その重しをどけられるなら体力はそれなりに使って出て来るでしょうね。

 ふむ・・・魔法陣の下も掘れるか確認しますか。」

「そこは私達2名ではなく、万が一を考えてリツ殿と成獣状態のビエラ殿が見守る中で実施した方が良いでしょう。

 悪くすれば魔物が出て来てもおかしくないですから。」

「そうですね。

 ちょっとやり方考えましょうか。

 じゃあ、まずは朝食ですね。」

「ええ。」

武雄とマイヤーが朝食を取りに戻るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。


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[一言] >「きゃーーー!!!?!!」 >「え!?なに・・・・ギャーー!?」 >「あああぁぁ!!!?」 >各テントから悲鳴が出始める。 >「野営ですからね、こういった事はあるでしょう・・・数が多すぎて…
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