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第1740話 夕食の準備と食前の運動。(大変な事になっている。)

夕食準備中の王立学院の面々。

グループから選抜された数名が用意された食材の下準備をしている。

「「「「・・・」」」」

スミス達のグループからはジーナとバウアー、バイロン、ブルのお付き達が参加している。


一方のスミス達は。

「・・・今度は焚き火で喧嘩?」

グレースが焚き火の前に座って呆れている。

「グレース殿下、焚き火は小枝が基本ですよね?」

「いやいやいや、火はちゃんと付いたんだし、小枝でやる必要はない。

 太い木を入れて長時間燃えるようにした方が良い。」

「・・・どっちでも良いわよ。

 スミスはどう思うの?」

「僕もどちらでも・・・

 グレース殿下、ジーナ達が用意してくれている食材を使って何を作るのでしたか?」

「えーっと・・・野菜のスープね。」

「なら火力は必要ないでしょう。

 火力が高くてもお湯がすぐに無くなってしまいます。

 長時間でもゆっくりと火力が安定する方が良いと思います。」

「なら太いのを入れて様子をみましょうか。

 調理が始まれば小枝を使って火力を上げないといけないかもしれないから脇に置いておきましょう。」

「「はい。」」

イーデンとカイルが返事をする。

「グレース殿下、夕食はしっかりと取りたいですよね。」

「そうね・・・食材が来る前に何やら始めている所もあるわね。

 食材の切り分けはお付きの皆がするけど調理は私達がするのよね。」

グレースが他の所の焚き火状況を見ながら呟く。

「グレース殿下は・・・」

スミスがそう聞くとグレースが何も言わないでスミスを真顔で見てくる。

「そうですか・・・僕もありません。

 イーデンとカイルは?」

「ん~・・・母親が。」

「私も母が。

 やった事はないですね。」

「・・・食べられる物が出来たら良いですね。」

「野菜を炒めて・・・煮るとあるわ。

 炒めるとは何かしら?」

「・・・」

グレースがレシピを見ながらの呟きにスミスは一抹の不安を感じるのだった。


見守る会は。

「ん~・・・食材が来る前にスープの素が完成してしまった。」

コートニーが自ら味付けしたスープが入った鍋を見ながら呟く。

「意外と美味しかったな。」

男子生徒が言う。

「そうだな、意外とな。」

「意外、意外といわないでよ。

 私が料理できないとでも思ってたわけ?」

「「うん。」」

男子生徒とルークが即答する。

「ちくしょう、正直だわ。

 怒る気をなくしてしまうわ。

 私は両親が共働き、店に良く居たから父親が居ない時はお姉様方が料理してくれたわけよ。

 手伝ってたりしたんだからこのくらい出来るわ。」

「「ふーん。」」

「ルーク達は?」

「母親と妹が。」

「同じく。」

「手伝いとかしないわけ?」

「料理はしなかったなぁ。」

「料理以外はしたか。」

「ん~・・・」

コートニーが悩む。

「はい、お待ちどうさま。

 コートニー・・・スープ出来たんだ。」

「へぇ、後は煮るだけだね。」

「これで楽になったわね。」

女子学生達が驚く。

「私だって出来るわよ。

 なによ、皆して。」

「はいはい、ごめんね~、コートニーを見くびっていたわ。

 じゃ、食材を入れて煮込むだけね。

 今日の夕食はスープだけみたいだから味わって食べるように。

 野菜多めらしいわよ。」

「「「はーい。」」」

1日目の夕食は和やかになるようだ。


------------------------

とある村にて。

パパン!

音が聞こえたと同時に黒くなった地面に立つゴブリンの胸から血が飛び散りその場に崩れ落ちる。

ドン!

次の音が聞こえるとゴブリンの横に居たオークの頭部が吹き飛び、体は崩れ落ちる。

「グルゥ?」

レッドドラゴンがその光景を見て首を傾げる。

そして倒れた魔物達はそのまま黒い地面に吸収されていく。

とレッドドラゴンの正面の黒い地面に描かれた魔法陣が点滅を始め。

「・・・ハハハ・・・ワレガチ」

何かが音を発しながらせり上がってくるが。

グシャ

肩ぐらいまで出た所で首から上が無くなる。

「グルゥ。」

レッドドラゴンがいつの間にか点滅していた方とは逆の方を向いている。

どさっ・・・首より上のない人型の物がその場に倒れる。

「・・・」

レッドドラゴンが目線をやってから尻尾で地面を掃き、その亡骸を黒くなっていない地面の方に放り投げるのだった。

そしてしばらく黒い部分の地面を見ていたが点滅しないようなのでレッドドラゴンがその場を離れる。


村の端にある割と大きな建物の前でビエラが待っていた。

「あ~?」

「グルゥ。」

ビエラが話しかけるとリツが頷く。

「へぇ・・・最近、魔力溜まりが大きくなったんですか。

 前は小さかったのですか?」

ビエラの頭の上に腹ばいになっているミアが聞いてくる。

「グルゥ。」

リツが頷く。

「なんで急激に大きくなったんですかね・・・

 前もこんなに数体も出て来たんですか?」

「グル・・・グルルゥ?」

「あ・・・あ?あ~・・・」

「グルゥ?」

「あ!」

「それはそうですよ!

 出てきたものを倒してまた吸収させるなんて半強制的に発生させるようなものじゃないですか。」

リツの言葉にビエラとミアが驚く。

「グル?」

「いや・・・強そうなのは倒したら吸収させないとと言われても・・・

 あ、主達が帰ってきました。」

ミアが武雄達が戻って来たことを感知するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >レッドドラゴンが目線をやってから尻尾で地面を掃き、その亡骸を黒くなっていない地面の方に放り投げるのだった。 魔物の死骸を放置すると「魔力溜り」が発生するんでしたよね。 りつさん?大…
[一言] >「・・・今度は焚き火で喧嘩?」 >グレースが焚き火の前に座って呆れている。 うん、同じく呆れている。 そして、『呆れることができる』グレース殿下に驚いている。 こういうことで『呆れることが…
[一言] えっといろいろと混乱が発生しているようですな。 スミス頑張れ、嫁がもう一人増えるぞ。 コートニーは意外っと。 そしてドラゴンたちはまぁつおいからね。 タケオちゃん指導しましょう。 魔力だまり…
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