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第1738話 ジーナ達は到着。(テント・・・大丈夫?)

王都から東に半日程度の森の中。

「到着!全員降車!整列!」

教師が掛け声をかけると皆が荷馬車から降りてきて並ぶ。

「皆さん、ご苦労様です。

 この地で2泊3日の課外授業です。

 まずはグループに分かれテントの設営です。

 これから6名は入れるテントを支給します。

 各グループで何個必要か相談し、グループリーダーは報告しに来るように。

 組み立て方法の概略は渡すので活用するように。

 もう少し森の奥で話し合いなさい。

 以上です。

 教職員は集合、テントの設営場所の区分け作業を確認します。」

全体の指揮を執っている教員が次々と指示を出す。


皆が各々のグループに分かれて話し始める。

「えーっと・・・グループリーダーのグレースよ。

 さてテントの振り分けは男女ね。

 なので2つ用意して貰いましょう。

 異議は?」

「「「ありませーん。」」」

「うん、ジーナは就寝の際はこっちの女子のテントでね。」

「はい、グレース殿下。」

ジーナが頷く。

「よし、まずはテントね。

 2つ貰ってくるわ・・・男子達に・・・いや皆で行きましょう。

 組み立て方もやり方が書いてあるようだしね。

 協力して2つ作ってしまいましょう。」

「「「はーい。」」」

王家、貴族グループはまとまって行動するのだった。


「じゃあ、貰ってくるテントの数は?」

見守る会の男子生徒が仲間5人を見る。

「1個だね。」

「まぁ確かに作るのが面倒だもんな。」

「そうだね。」

「2泊なら別に問題もないでしょ。」

「キノコさえ気を付ければ問題ないよね。」

ルーク達見守る会は作業を少なくする為、1個にするようだ。

「はぁ・・・わかった。

 ルーク、1個なら2人で取りに行けば問題ないだろう。

 その後に教師が居る場所近くに設営してそれとなくテントの設営講義を受けないといけないだろうな。」

「あぁ、概略が入っているとはいっても練習とは違うテントという事もあるしな。

 わからなくなってから教えて貰うと時間を食うし、その時は他のグループも慌ただしくなっているかもしれないな。

 コートニー達は荷台から荷物を下ろして見ていてくれ。」

「あいあい~♪」

「いってらっしゃい。」

「さて、荷物を下ろすかな。」

「そうだね。」

課外授業が始まる。


------------------------

武雄達はちょっと遅めの昼食中。

街道の脇で皆で車座に座ってサンドイッチとエビのスープを食べている。

「そういえば・・・課外授業の食事って何作るんですかね?」

武雄が皆に聞く。

「私の時の魔法師専門学院は最初の遠征時は干し肉と水、自炊が始まれば簡易的なスープですね。

 2年目・・・1年目の最後だったかなぁ。

 まぁ結構初めにやるんですよ。

 王立学院はわかりません。」

マイヤーが言ってくる。

「魔法師専門学院の方は戦闘中の合間に効率良く取るのを経験させるのが主目的ですけど。

 実際にあれって食事の大切さを教えるのが主目的ですよね。

 帰って来た時の最初の食事がまぁ美味しいんですよ。

 俺は今でも思い出します。」

「あれはいつの年代でも感動するらしいですね。

 若手と話していても『あれは辛かった』という話題で盛り上がれます。

 所長はどう思いますか?」

「料理の大変さを教える事でしょうね。

 ジャガイモやニンジンの皮むきなんて王立学院に来るような子供が出来るとは思いませんよ。

 あとは鍋に入れて味を調えてですかね。

 カレーなんかは煮込むだけなので良い食材でしょうけどね。

 あれなら苦労して野菜を切って軽く炒めて水と香辛料のみで後は放っておけば良いだけの簡単料理ですしね。」

「ええ・・・カレーが遠征時に出たら皆が喜んでしまいますよ。」

「むしろ俺達が嫉妬してしまいます。

 もっと味気ない物を食べるべきです。」

「カレーが出たら食事の大変さがわからなくなりませんか?」

マイヤー達が言ってくる。

「あ~・・・タケオ、私もカレー、作る。」

「え?ビエラが料理するのですか?」

ミアがビエラに聞く。

「はい!ミア!最初に食べさせる!」

「え?やったぁぁあ?・・・素直に喜んで良いのか、毒見で食べさせられるのか判断に困りますね。

 まぁ・・・主と一緒に作れば食べられる物が出来そうではありますが。」

「カレーは早く言えばスープですからね。

 野菜を1口大に切れれば後は煮込むだけですよ。

 ブイヨンは面倒なので干しシイタケとかの出汁を用意出来ていればあとは塩加減で何とでもなります。

 そこにカレーにする香辛料を入れればカレーになります。

 野菜がないなら出汁に塩を入れて溶き卵を入れるタマゴスープがお勧めです。

 少し滑らかにしたいなら水溶き片栗粉・・・なかったら摺りおろしたジャガイモを入れると良いでしょう。」

「あ~・・・タケオ、美味しそう。」

ビエラが言ってくる。

「なら、今日の夕食はタマゴスープにしますか。

 出来ればトウモロコシとかも入れても良いでしょうけど、今回は持って来ていませんからね。

 シイタケ入りのタマゴスープですね。

 パンも野菜も肉も大量に王城から持って来ていますから3日くらい問題ないでしょう。」

「所長・・・一応聞いておきます。

 大量にですか?」

マイヤーが聞いてくる。

「はい、ちゃんと貰ってきました。

 皆で朝食を取る前に厨房にお邪魔して残っていた食材をリュックに入れてきましたが?」

「料理人達・・・何か言っていませんでしたか?」

「いえ?買い出しに行くとしか言っていませんでしたよ。

 棚の中の乾燥パスタも貰ってきましたから・・・まぁ在庫処分出来たのではないですかね?」

武雄が笑いながら言う。

「それの費用請求どこに行くんですか?」

「私じゃないですか?

 請求されれば払いますよ。」

「・・・はぁ・・・そうですね。」

マイヤー達が呆れるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] カレーは結構匂いが強いのがね……魔物とか寄ってこないかな??
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