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第1729話 小麦購入方法。(ジーナに事前情報。)

「真っ当に考えるのなら輸送も含めての見積もりと小麦販売のみの見積もり、運送業者に運送の見積もりを数件取って見比べるという手がありますね。

 出来れば長距離の輸送実績の有無も調べられたら良いでしょう。

 価格が安い所が良いという訳ではありませんからね。

 スミス坊ちゃんに与えられた課題は適正価格以下でちゃんとした品質の小麦を購入し、安全にエルヴィス伯爵領まで持っていくという事ですからね。」

武雄が言ってくる。

「それは数日あれば出来そうですね。

 真っ当でない方法はなんでしょうか?」

「王城を巻き込むという手があります。

 幸い私だけでなくジーナも王城内で顔見知りはいるでしょう?」

「・・・まぁ主に王都守備隊の方々ですが。」

ジーナが考えながら言う。

「・・・ん~・・・ちょっと私が想定したのとは違いますが・・・1つは王家です。」

「・・・最大ですね。

 動いてくれるでしょうか?」

「動いてくれるようにするのが交渉ですよ。

 ただ単にお願いして動いてくれれば良いですが、世の中そんなに簡単ではないですよ。

 私達が欲しい結果を引き寄せる為にどの相手にどういった情報を渡し、向こうにはどんな利害があるのか説明し、納得して動いて貰う。

 これが交渉の基本。

 私達が望む結果とは先ほどあげた内容ですね。

 ジーナならどうしますか?」

武雄がジーナに聞く。

「・・・レイラ殿下にお話しする・・・は、安直すぎですね。

 ご主人様ならもっと面倒な事を考えそうです。」

ジーナが「んー」と悩みながら言ってくる。

「いや、ジーナ?

 そこに私は関係ないと思いますけど。

 まぁ1つは第3皇子一家を頼るというのも選択肢としては間違ってはいませんね、王都の評判の良い問屋は教えてくれそうです。

 次は?」

「・・・エイミー殿下でしょうか。

 エイミー殿下なら第2皇子一家に話が通ります。

 西側の方から集めてくれそうです。」

「まぁ・・・そうですね。

 エイミー殿下に頼めば第2皇子一家が動いてくれるでしょう。

 穀物の販売とはいえ損がなければ引き受けて貰えますかね。」

「その言い分だと違うのでしょうか・・・」

ジーナが考え込む。

「さてと・・・ジーナはもう帰りなさい。」

「え?」

ジーナが不思議そうな顔を武雄に向ける。

「あとは私がそれなりに準備しておきます。

 明日は課外授業でしょう?

 お付きの仕事の方が今は大事ですよ。

 ゆっくり寝なさいね。」

「スミス様には何か言いますか?」

「準備が出来次第という所ですが、実際は魔王国から依頼がなければ実行は出来ないのです。

 なので、今はそういった企画があると思ってくれているだけで結構です。

 正式に考え出さないといけない時は文書なりなんなり指令が行きますよ。」

「私の準備は何かありますか?」

「まぁ休日にでも街中の問屋にでも行って王都の市場価格の調査をしておく程度ですよ。

 あ、そうだ。

 ジーナ、私が懇意にしている輸出入業者が王都にあります。

 気が向いた時にでも顔を出しなさい。

 私の小太刀やアリスのバスタードソード、小銃自体を仕入れてくれた所です。

 店の外見というか本業は材木商ですけどね。」

「?・・・ご主人様は変な所と面識があるのですね。」

「たまたまね。

 場所については私よりもマイヤーさん達に聞いた方が詳しくわかるでしょう。

 戻って来たら聞いてみなさい。」

「はい、では、ご主人様、私は寄宿舎に戻ります。

 ご主人様は明日はどうされるのですか?」

ジーナが席を立ち、磯風を抱えバックに入れる。

「私達はビエラの娘のレッドドラゴンに会いに行ってきます。」

「・・・何しにですか?」

ジーナが眉間に皺をよせて首を傾げながら聞いてくる。

「ジーナ、その顔は可愛くないのでやめなさいね。

 別にお宅訪問して酒を届けて雑談してくるだけですよ。」

「はぁ・・・ドラゴンの巣に遊びに・・・本当に遊びに行く者が居るとは・・・」

ジーナが呆れている。

「ビエラも一緒ですしね。

 挙式に来ていたのに引き出物を渡してないですからね。

 ワインを樽で渡す予定です。」

「リュックに入りましたか?」

「逆ですよ。

 リュックに入るサイズで購入してきています。

 感覚的にはドラゴンのサイズだと樽1個で人間でコップ1個と同じくらいじゃないですかね。」

「相当数という事ですね。」

「引き出物ですからね。

 そこそこの金額は出しましたけど、まぁ無下にするような事でもないでしょう。

 機嫌をとっておいて損はない相手ですし。」

「ドラゴンに目を付けられるよりかは各段に良いのは確かですか。

 はぁ・・・ではご主人様、課外授業より戻り次第、ご確認に伺います。」

「そんなに早く動くとは思えませんけどね。

 ジーナ、気を付けてね。」

「はい。

 では失礼します。」

ジーナが武雄に礼をしてから扉に向かう。

「ジーナ、護衛はいりますか?」

「走って帰りますので問題ありません。」

「うん、ゆっくり寝ときなさい。

 ジーナ、おやすみ。」

「おやすみなさいませ、ご主人様。」

ジーナが再び礼をして出て行く。

「・・・ふむ。」

武雄が机のベルを鳴らす。

少ししてメイドがやってくる。

「失礼します。

 キタミザト子爵様、お呼びでしょうか。」

「夜分にすみませんね。

 陛下に今時間があるか聞いてください。

 緊急ではないので忙しいなら遠慮しますが・・・先ほどまで一緒だったのですけど、オルコット宰相が楽しそうに引っ立てて行きましたからそろそろお茶休憩でも必要ではないかと。」

「はい、畏まりました。

 すぐに予定を確認してきます。」

メイドが部屋を出て行く。

「じゃ、皆、寝る前に陛下に挨拶に行きましょうね。」

「「「はーい。」」」

ビエラ達も問題なく答えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] >第3皇子一家を頼るというのも選択肢としては間違ってはいません エルヴィスの爺さん=タケオの視点:求めていること で考えると  条件反射的に、麦を購入してエルヴィス領まで輸送をする  こと…
[一言] ジーナちゃんに楽しい生活を教えないとダメだよ。 遊ぶもとても大事。
[一言] > ご主人様ならもっと面倒な事を考えそうです。」  ↑ お ま え だ お ま え っ ! ! と小一時間ツッコミたい今日この頃・・・・・
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