第1724話 ラックのお店。2(なんか第二研究所人気ね。)
「あ~~♪ちゅぎは・・・あ~♪こっちも美味ちぃ♪
元に戻っりぇ・・・あ~♪」
「これ辛っ!?・・・飲んじゃうと酔いそうですね。
私はやっぱり果物を食べますかねぇ~。」
「ん、これは飲めます。
これは・・・飲めます。
これは度数というのですか?高いのですね。」
ビエラは2杯を用意してクピックピッと交互に飲み、ミアは舐めるようにして確かめ、夕霧は次々注いでは体内に流し込んでいる。
「・・・夕霧待ちなさい。
もう少しゆっくりとお酒は飲むものです。」
武雄が見るに見かねて止めにかかる。
「ん、タケオ、どうやって取り込・・・飲むと?」
「マイヤーさんみたいに飲めば良いんですよ。
1口飲んだら話、また1口。
水やお茶はさっきのように飲んでも問題はありませんよ。
いや・・・問題はあるのか・・・
基本は飲み物は1口飲んで少し置いてまた飲む方が問題ないでしょう。」
「ん、わかりました。
・・・こう?」
「ん~・・・そんな感じですかね。
とりあえずがばがば飲んではダメですよ。」
「ん、わかりました。」
夕霧は1口飲んで休み、また1口飲んで休みを始める。
「何か違う気がします・・・」
武雄が首を傾げるのだった。
「マイヤー殿!試験小隊待遇良いんですね!」
「何でこんなに休みがあるんですか!」
とある女性隊員がマイヤーに絡み酒中。
「あ~・・・王都守備隊は30日だったか?
第1騎士団は?」
「30日です!
毎週休みって何ですか?
年間60週あるんですよ?それに有給休暇15日って合わせて75日じゃないですか!
年間約1/5は休みですよ!
なんでこんなに休むんですか!?」
「所長が毎週休むって言ってな。
それと年間15日はブルックやケード、コーエンの体調に起因する数字だからなぁ。」
「え!?女性の日の考慮ですか?」
「あぁ・・・所長は何も言わないが、ただでさえ王都守備隊の2倍程度の休みを用意するんだぞ?
さらに毎月休めるようにする理由なんてそこしかないだろう。
それに週番という形で休日出勤を交代制でするが、その振り替えも自由にして良いとしているし、振り替えも1か月以内での実施だから来月に持ち越せるな。
自身の有給と合わせれば2日連続で休めるだろう。」
「「な・・・なんて女性に優しい職場!」」
「だが、研究所所属というのもまた過酷な事情があってな野外訓練時、今回のような王都等への移動時、演習時、戦争時、出向時、他緊急時には週休制は適用されない。
全員が臨戦態勢で臨むことになる。」
「「王都守備隊や第1騎士団ではいつもそうですよ?」」
「・・・そうだったな。
それと給料が王都からすると安くなる。」
「年間75日休めるのに贅沢は言えませんよ。」
「そうですよ。
で、いくらなんですか?」
「俺は総監という役職だからな。
試験小隊員は・・・これぐらいだ。」
マイヤーが口に出さないがささっとそこら辺の紙に書く。
「「・・・今より1割低い程度でほとんど変わらないですね。」」
女性隊員2名が言う。
「騎士章持ちはさらに銀貨5枚引かれるぞ。」
「「私達持っていませんよ。」」
「はぁ・・・王都守備隊になればなれるぞ。
別途で年間金貨20枚が支給される。」
「・・・ん~・・・」
「マイヤー殿、ちなみになんですけど、来年は何名の採用枠があるんですか?」
「今の所10名騎士章持ち優先、これは研究所の懐事情によるがな。
その後も10名ずつの予定だが・・・今の所未定だな。」
「「10名かぁ・・・」」
女性隊員2名が悩む。
「どうした?」
「研究所の設立要件書は見ましたし、キタミザト殿が出席していた会議の議事録も見ましたけど、キタミザト殿ってベテランを要望していましたよね?」
「そうだな。
だが、結果として俺とアンダーセンを除いた場合、ベテラン4名、中堅2名、新人4名となったな。」
「じゃあ、来年はベテランを多く入れたがりますよね?」
「俺の口からは何も言えないが・・・まぁ・・・設立当初の考えだとそうなるな。」
「となると、女性枠があったとしても1人か2人・・・」
「熾烈な争いになるかも・・・」
女性隊員2名が考える。
「順位を付けたとしても能力が1番だから採用する訳でもないしなぁ。」
「「突破の鍵は!?」」
「しらん。」
「「あぁぁ・・・」」
女性隊員2名ががっかりとする。
「まぁとりあえず応募してみたらどうだ?
アンダーセン達と話し合って決まる話だし。
どうなるかはわからんからな。」
「はぁ・・・とりあえず応募の意向で上司と話してみます。」
「そうだね・・・まずは上司と相談して決めます。」
女性隊員が意気消沈するのだった。
「ふふふ・・・キタミザト殿、私をどうぞよろしくお願いします。」
ラックが武雄にお酌している。
「私、最終的な人事権はありますけど、部下に基本お任せ中なので採用権は限りなく低いんですけど。
注いでもダメですよ?」
武雄が呆れながら言う。
「まぁまぁ、大丈夫ですよ。
ブルック達には話していますし。」
「え?いつの間に?」
「ははは、キタミザト殿が居ない時ですよ。
それに『俺らの事もよろしく』と言っただけですよ。」
「俺・・・ら?」
武雄が聞き返す。
「はい、私と第一情報分隊長の同時採用をお願いします。」
ラックが楽しそうに言うのだった。
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