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第1721話 王都で知り合いの店に行こう。2(他国の販売価格の把握。)

「そんな馬鹿げた国家に負けるのは癪ですね。」

アスカムが言ってくる。

「我が国の国民は強いですね。

 上から下までそう思ってくれているのが我が国の強みという事でしょう。

 親父さんの所は異種族は?」

「残念ながら王都では異種族を見ませんからね。

 雇用しても良いのですけど、なかなか来ませんよ。

 来てくれるのなら種族によって給料の差とかないようにしますけどね。

 出来れば力持ちが良いですね、繊細さも欲しい所です。」

「・・・近くには居なさそうですね。

 街中ではどうですか?」

「あぁ・・・ん~・・・・あまり見ないのですけど、最近、獣人を表通りで目撃しましたね。

 仲間と思われる10人くらいと走っていましたね。

 訓練でもしていたんでしょうかね?

 あ、エルフも見かけましたよ。

 こちらは友人たちと買い物だったようでのんびりとされていました。

 どちらも制服着ていましたし、警備局にでも入ったんですかね?」

「テーアさんとジッロさんかな?

 テーアさんは本気になると獣人化するし、他の人達と一緒なら訓練の一環ですかね?

 ジッロさんは買い物かぁ。」

「・・・キタミザト殿知り合いですか。」

「2人とも私がウィリプ連合国から連れてきましたよ。

 王都守備隊と魔法師専門学院に放り込んでおきました。」

武雄が答える。

「・・・キタミザト殿、魔法師専門学院の方はわかりますが、もう1つは何と?」

「王都守備隊。」

「・・・なんで最高峰部隊に入れるんですか、可哀想に・・・

 もっと下の警備局とかに入れてあげれば苦労せずいたものを・・・」

アスカムが額に手を当てて嘆く。

「まぁ・・・いろいろあってね。

 その内異種族が多くなれば良いですね。

 親父さんの所も採用出来るかもしれないんでしょう?」

「異種族関係なく能力とやる気があれば採用しますよ。

 あ、それとウィリプ連合国のファルケ国の物価とカトランダ帝国の東町の物価情報がまとまりましたよ。

 まぁ先月始め時点ではありますけど。

 えーっと・・・ここの棚にあったはず。

 あ、これだ。

 こちらです。」

アスカムが室内の棚から書類を出して来て武雄の前に置く。

「・・・こんな所に置いて良いのでしょうか?」

「別に秘密にするものではありませんしね。

 キタミザト殿ならここに通しますからね、置いておけば渡し忘れもないでしょう。

 まぁ実際にはキタミザト殿の部下と名乗る者が来なかったのでここに置いておいたのですけど。」

「あ~・・・最初は情報経路も定かではないでしょうからね。

 時間がかかると思って来なかったのでしょう。

 まぁその内来させますよ。」

「わかりました。」

アスカムが言ってくる。

「さて・・・地域差は出ているのでしょうか。

 ふむ・・・まぁ予想通りといえば予想通りですけどね。」

武雄がアスカムから渡された書類を見ながら頷く。

「所長、各国の情勢はどうなんですか?」

マイヤーが聞いてくる。

「カトランダ帝国は武具や鋼材が安く、穀物が割と高い。

 ウィリプ連合国は武具や穀物が安く、鋼材はアズパール王国とほぼ同等ですか。」

「商機はカトランダ帝国側にありそうですね。」

「親父さんは王都の商売人でしょう?

 まぁ・・・小売り程度の量なら大して国家の差が無いように見受けられますが、国家規模でここまで価格差があるとはなぁ・・・

 今後のカトランダ帝国との交易で何かしら進展があれば良いですけどね。」

武雄がそう言って書類を置く。

「キタミザト殿、ウィリプ連合国側には先の通りの話が来ているのですが、カトランダ帝国側にはそういった話がないのですけど、大丈夫なのでしょうか?」

「さて?・・・カトランダ帝国側がウィリプ連合国側と同じ事をしないといけないというわけではないでしょう。

 なので何かの補強等をする材料はウィリプ連合国側へ集中運用をさせる。

 カトランダ帝国側には領内で賄わせるか違う方針なのではないですかね?」

「キタミザト殿も聞いていませんか?」

「そういった話は来ていませんね。

 それに私は自ら首を突っ込んで予定外の事をする羽目になるのはごめんですよ。

 聞かれたら答える、聞かれないなら情報は持っていても口は出さない。

 これです。」

「はぁ・・・キタミザト殿、よろしいのですか?」

アスカムが呆れながら聞いてくる。

「何のために2研究所体制なのか。

 カトランダ帝国側とウィリプ連合国側は一研の領分ですよ。

 私は魔王国側の研究所なんですからあまり口出すのも悪いでしょう。

 困っている同期が居れば相談には乗りますけど、こちらから口を出すのはギリギリまでしない方が良いでしょう。

 それに私が毎回、正しい回答が出来る訳ではありませんしね。

 向こうには向こうの事情があるのでしょうから、それがわかる者が指揮をするべきなんですよ。」

「はぁ・・・そういう物ですかね。」

「そういう物です。

 商売だって店のある土地土地でやり方が違うでしょう?

 王都のやり方が地方貴族でやれるとも限らない訳ですし。」

「まぁ・・・そうですけど。

 あ、それと小麦の入手ですけど、あれは次回からになっていますよ。」

「それは来たらエルヴィス伯爵邸に送ってください。」

「はい、わかりました。

 製作している盾の情報はありませんか?」

「ないなぁ・・・

 まだ検討が始まったばかりなのでね。

 物になるのには時間はかかるでしょうかね。」

「そうですかぁ・・・輸出の盾というのが商売心を擽ります。」

「そこも出来たら良いですけどね。

 他国の情報はしっかりと拾っておいてくださいね。」

「はい、わかりました。」

武雄の言葉にアスカムが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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