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第1719話 昔の事変。(そうは言っても調べるだけになるよね。)

「とりあえず戻って来たらビエラの話の裏付けですね。」

武雄が考えながら呟く。

「そうですね。

 私は所長と一緒に会議だろうし、ブレアとオールストンは調べられるだけ調べてくれ。

 この手の報告書は王都守備隊か軍務局か総監局内だろう。

 所長の名を出せば戦術考察の一環として閲覧出来るはずだ。」

「「了解しました。」」

マイヤーが3日後に戻って来てからの予定を決める。

「それにしても所長、魔力溜まりって極稀に森の中で起きてオークとかが発生しますが、あまり大々的に知らされていないのに良く知っていましたね?」

ブレアが武雄に聞いてくる。

「ええ、私はミアとビエラから教えられました。

 確か、自然発生する、魔物の亡骸を積んで作る、魔法陣を用いて作るの3通りでしたね。

 ね?ビエラ。」

「はい!タケオ、良く覚えてたりぇ!」

「「「「え?」」」」

武雄の言葉にビエラが返事をしてミアと夕霧が頷くが、マイヤー達は驚いている。

「・・・所長、3つ目の方法を私は知らないのですが。」

マイヤーが目を見開きながら聞いてくる。

「ええ、エルヴィス伯爵達も知らなかったですよね。

 ビエラですら最後に見たのは・・・いつでしたか?」

「あ!」

武雄がビエラを見るとビエラが指を2本立てる。

「200年前だそうです。」

「指1本が100年とか長いですね。

 私が習ったのは自然発生は基本森の中でオークを数体排出して消滅するので危険度は低く、2つ目の魔物の亡骸の方はオークが十体程度が排出されるのですけど・・・魔法陣だとどのくらい排出されるのでしょうかね。」

フォレットが考えながら言う。

「200年前のはヴィクターが数個の村と町に被害が出たと話していました。」

夕霧が言ってくる。

「・・・数個の村と町・・・数十体から100体以上とか?

 オーク100体とか悪夢ですね。」

「それはちょっとした戦争だな。」

ブレアとオールストンが嫌な顔をさせながら言う。

「・・・2年前はゴブリン200体、今回はゴブリン350、オーガ50・・・」

武雄が呟く。

「・・・数は合いそうですね。

 エルヴィス領に戻り次第、その辺の探索が必要でしょうか。

 魔法陣が無くなっていたにしても何かしら痕跡はあるはずです。」

マイヤーがそう言うが。

「ええ、そうですね。」

武雄は生返事をしながら「転移魔法自体はまだ話したらマズいんだろうなぁ」と思っている。

「今は街近郊での警戒監視はサスケ達が担っています。

 前回のように寝起きで戦闘という事態よりかは多少時間が稼げるでしょう。

 それに正直な所、痕跡の発見等の目新しい事が見つかる事には余り期待はしていませんけどね。

 あのあとエルヴィス家の兵士達も発生場所と思われる場所を探しているはずです。

 何か違和感があれば気付くでしょうが、そういった報告はされていません。」

「そうですか・・・

 大規模魔法ですか・・・ん~・・・」

マイヤーが考える。

「マイヤーさん、現状で使われていないなら何かしら理由があるはずです。

 ただ・・・・大量に魔物を呼び出すだけであるなら今も残っているでしょうけど。

 伝承が無くなっているという事は・・・」

「・・・何か不具合がある。

 所長はそう思うのですね?」

「ええ、例えば・・・この呼び出す魔法陣ですけど魔物を呼び出すのみという特性がある魔法陣だと考えたとして。

 オーク10体を呼び出すのに魔法陣には魔力量100を蓄える必要があるとします。

 そして前に倒したリザードドラゴンが魔力量100で呼び出せるとします。

 この2種類・・・必要な魔力量は同じだとしたらどうやって呼び分けるのでしょうか?」

「魔法陣に何かしら種族を特定させる文言を記入する・・・とか?」

「・・・それだと特定の魔物を呼び出すのに伝承ややり方を残せますよね。

 昔の者達が残さないのですよ?

 となると・・・狙った物が必ずしも呼べるとは限らない・・・とか?」

「呼び出す種族を特定できない。

 オークを呼ぼうとしたらゴブリンが来たとかオーガが来たとかですかね?」

「それも1つ。

 100体のオークを呼ぼうとしたら1体のドラゴンが出て来るかもしれないと思ったらおいそれと使えないでしょう。

 要は大地に魔力を濃く染みこませると魔力溜まりになるという事があると仮定出来るから・・・考え方では多くの魔物の亡骸を積んでその場の魔力量を濃くすれば魔力溜まりが発生する。

 ここに魔法陣という何かしらの仕掛けを使うなら・・・いつ起動するか(・・・・・・・)決められる・・・とか?」

武雄が呟く。

「危険極まりないですね。

 それに所長の言葉を裏付けする為には魔法陣が魔力を吸収し、蓄えられるという事になってしまいますね。

 もしくは既定の魔力量が蓄えられたら発動するようにするとかも出来るかもしれませんね。」

「・・・ま、大規模であるならそれなりに何かあるでしょうね。

 異常に魔力を蓄えないといけなかったり、発動させるにも何か条件があるのかもしれません。

 どちらにしても仮定に仮定を重ねても答えがわかるわけではありませんからね。

 今は調べるだけ調べておきましょう。

 今はビエラの子のリツに会いに行くという事だけを熟せばいいだけですからね。

 泊りがけで行くならリツにも何か食べさせないといけないですかね・・・あの体躯だとどんだけの量を用意する必要があるのでしょうかね。」

「相当食べそうですよね。」

「今日はずっと厨房に籠った方がよろしいのではないですか?」

オールストンとブレアが食料が賄えなそうな事がわかり心配そうな声を出す。

「ワインはあるけどツマミがないかぁ・・・

 何か用意出来ますかね。」

武雄も考えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] あー、これやっぱりアズパールで刻印技術が途絶える原因になった例の刻印の村なのでは。 案の定キナ臭かった…
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