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第1715話 アズパール王の考え。(エイミー嘘ではないが報告をする。)

アズパール王の執務室。

「・・・なら組合には教えておいて、レシピ本は遅らせるしかないだろう?

 どちらにしてもエルヴィス伯爵の方からは情報が街中に出て来るのだしな。

 酒場とかで一方は繁盛してもう一方が閑散としているのはあまり良い状態ではない。

 組合には教えるしかないだろう。

 それに街中である程度定着しなければレシピ本も販売はしても品薄になるだけだ。

 まずは外で食べて貰ってから流通が安定してきたらレシピ本だろう。

 あ、王都と王家、エルヴィス領内の同時発売はした方が良いな。」

アズパール王がエイミー達の話を聞いてから言ってくる。

「お義父さまはそう思うのですね?」

「ん~・・・それしかないかぁ。」

アルマとレイラが難しい顔をさせながら言ってくる。

「お爺さま、全部の遅延は難しいのですね。」

エイミーもアルマ達と同じような顔をさせながら言う。

「エイミーの案だと時期を逃す可能性がある。

 ウィリアム達の案だと物価の高騰が懸念される。

 なら物価の高騰はある程度許容して、本格的に国民が食べだす前に準備を進めるしかないだろう。

 それにしても・・・エルヴィス伯爵も大変そうだな。」

アズパール王がエリカが伯爵から貰ったレシピの公表日程を見ながら呟く。

「エルヴィス伯爵方は念入りに準備をしています。

 養鶏場の準備も終わったのでいよいよ発表をとなったようです。」

エリカが報告する。

「うむ・・・価格上昇が抑えられない料理を先にして・・・か。

 領民から慕われてなければ出来なそうなやり方だな。」

「はい、無策でしてしまうと不満が伯爵家に向かいかねません。

 文官方が相当考え抜いた戦略かと思われます。

 王都でもするべきだとは思いますが。」

「ふむ・・・経済局に任せてみるしかないだろう。

 あまりこういった事に我らが口を出すと上手く行かないからな。

 それとレシピ本だがな。

 ウィリアム、いつ出すかは考えたか?」

アズパール王が聞いてくる。

「エイミーの案では同時発売なので初版の数を大量に作らなくてはなりません。

 たぶん・・・11月を目指してとなると思われます。」

「結構かかるな。

 まぁそれも含めて経済局に依頼だ。

 ところで・・・エイミー、昨日はタケオと一緒だったのだな?

 夕食は美味しかったか?」

アズパール王がエイミーを見ながら言ってくる。

「はい、スミスとジーナとで・・・なんで知っているんですか?

 タケオさん、帰り際にお爺さまと会わないように帰ると言っていたのですけど。」

「それは料理長やメイド達に聞いたからな。

 帰城した挨拶もせずに部屋に向かったのだが・・・」

「タケオさんがその手の不手際をするようには思えませんが?

 対策されていましたよね?」

レイラがアズパール王に言ってくる。

「代わりに執事が来て『もう遅いので挨拶は控えます』と伝言だけ残しおった。

 朝に料理の件で話をしようと思ったらメイドから『もう出かけましたよ』と不在を言われてな。

 昨日から会っていない。

 どこに行ったかも誰も教えてくれない・・・エイミー・・・昨日何を食べた?どんな味だった?」

「・・・」

エイミーがエリカをチラリと見るとエリカが呆れながらため息をついている。

「お爺さま、大変美味しい料理を振舞われました。

 私もタケオさんの料理が至高の物だとは思っていますので堪能させて貰いました。」

エイミーが淡々と言う。

「うむ・・・米・・・だったか。

 それだったのだろう?」

「米は我が国では希少性が高いので王都には現状での納入は難しいという事です。

 お爺さまが望まれればタケオさんも嫌とは言わないでしょうが、少量ではあまり意味がないと思われますし、エリカさんの話では準備で半日はかかるそうですので、慣れない王城の料理人では調理が大変なのではないでしょうか。」

エイミーは予定通りの回答をする。


実は先ほどレシピ本関連で第3皇子一家と話をしていたが、その最後にウィリアム達から

『昨日、タケオさん寄宿舎に行ったんでしょう?

 エイミーちゃんがこの話をしている時点で接点があったはず、スミス達にだけ食べさせるようなタケオさんではないから一緒に夕食を食べたのよね?

 私達は今は食べられない事については我慢しているけど、お義父さまは悔しがるから質問来るわよ。』

と話し合っていた。


「そうか・・・

 変に期待させてもというやつだな・・・だが、エリカが食べた米というのは美味しかったというからなぁ。

 我も食べてみたかったと文句を言おうと思ったのに・・・不在だからな。

 ん~・・・今は米の作付けが上手く行って、領内で増産してくれる事を期待するしかないか。」

「はい、余裕がなければ私達の口には入りません。

 私達の口に入る頃に調理をする時間も短くなる方法も一緒に教わるはずです。

 私達が出来るのは期待しておく事のみだと思います。」

エイミーが言う。

「んん~・・・難しい事だな。

 この件では用意しろと言っても収穫がされるまでは何も出来ないか・・・はぁ・・・で、米以外では何を食べたのだ?」

「ウスターソースとか美味しいスープでした。

 特に目新しいというのはなかったですよ。

 王城では食べれないあっさりとした味でしたね。」

エイミーが報告するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「我も食べてみたかったと文句を言おうと思ったのに・・・」 王様が部下にコレ言ったら権力のゴリ押しになって武雄からは嫌われるだろうな…武雄は表面には出さないだろうけど絶対信頼ランクが下がる。…
[一言] 私達の口に入る頃に調理をする時間も少なくなる方法も一緒に襲われるはずです。 教わる です
[気になる点] 市民の、識字率て、どのくらい。
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