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第1704話 マッタリしよう。(スミス!またか!)

エルヴィス家の客間。

エルヴィス爺さんとアリス、フレデリックが夕食後のティータイムをしていた。

「ふむ・・・無事、彩雲達は飛び立ったの。」

「後はタケオ様がどう動くかですね。」

「タケオ様なら上手く事を運ばれるでしょう。

 ヴィクターからの伝令は関に向かわせていますので向こうで確認し次第返事が来るでしょう。

 また、東町の備蓄状態も問題なく経過しております。」

3人が今日の感想を言っている。

「うむ・・・わしらはやれるだけの事はしたじゃろう。

 あとは、待つだけじゃ。

 なのでその間に料理の発表を行うのじゃが、組合の者達への通達はどうなっておる?」

「はい、皆こぞって参加するようです。

 今、返事が随時到着しておりますので、参加者向けの資料の作成に力を入れております。

 主、始まりますね。」

「お爺さま、街中が忙しくなりそうな予感ですね。」

「そうじゃの。

 久しぶりの大当たりの予感じゃよ。

 アリス、こういった事はそう何度も経験出来んからの。

 まずは慌てずに対処するよう文官と武官を動かさないといけないの。

 アリスにも手伝って貰う事になるじゃろう。」

「はい、経験をさせて貰います。」

アリスが頷くのだった。


------------------------

寄宿舎のスミスの部屋。

スミスとジーナ、エイミーとドネリーがお茶を楽しんでいた。

4人とも寝る前のこのお茶会が定番のような気もしていた。

4人共結構フランクに話をしていた。

「・・・タケオさんが王城に来ると相変わらず忙しくなるわね。」

「ご主人様の所為ではないと思われますが。」

「ですが、その一端ではありますよね。

 それにしてもキタミザト様は凄いですね。

 あの料理を気軽に振舞われているなんて。

 これであと王城の各局とやりあうんですよね?」

「タケオ様的には各局での打ち合わせは本意ではないみたいですけどね。」

「まぁそうよね。

 タケオさん、王家や各局長に気に入られているからなぁ。

 助言も的確だから皆が相談したいんだろうね。」

4人が話し合っている。

とスライムが数体入って来て磯風が吸収する。

「・・・ジーナ、各所より報告。

 今日、タケオは寄宿舎に来る前に魔法師専門学院に行き、ジッロの部屋を視察。

 その後宿舎に寄りマイヤーの部屋の視察をし、ラックの侵入を取り押さえたとの事。」

「・・・取り押さえた?」

ジーナが真面目顔で磯風を見る。

「・・・。

 窓からマイヤーの部屋に入って来たラックをビエラ達が取り押さえ、その後金を渡し解放。

 タケオ達はその後マイヤーに『本気ならしっかりと覚悟を持って危険を包容するぐらいの器量を見せろ』と伝達し退去しました。」

「何やってるのかしらね。」

エイミーが呆れながら言う。

「エイミー殿下、宿舎(むこう)は男女間の部屋の行き来はダメなのですか?」

「許可制ね。

 それも女性が男性の部屋に行く事を申請しないといけないわ。

 窓から入ってくるなら申請していないんでしょうね。」

エイミーがジーナの質問に答える。

「エイミー殿下、寄宿舎(こっち)では申請も何もないですよね?

 どうしてですか?」

スミスが聞く。

「あ~・・・元々貴族用の学び舎という所で緩いのよ。

 こっちは王家と貴族という事もあって、何かあっても責任が取れるでしょう?

 正確には実家がだけど。

 あっちは一般家庭だから何かあった際に責任は取れない可能性があるからね。

 実家の方でも難しい判断もあるだろうしね。

 それにこっち側だと貴族の子弟という事で素養が元々あり、不祥事は起こされないだろうという事になっているわ。

 実際、過去こっちでそういった不祥事はないわ。

 それにお付き制度もあるからね。

 何かあっても外にすぐに報告出来るのよ。」

エイミーが言う。

「なるほど。」

スミスが頷く。

「逆に言えば責任が取れるから何か出来るという事になるのではないですか?」

ジーナが質問する。

「ところがそうでもないのよ。

 権力がある王家と貴族の子弟でしょう?

 そうなると子供達自身が親や家族の事を考えて行動している事が多いわ。

 それは宿舎に居る面々より強固な重荷になっているわ。

 ここでの不祥事は人事局から総監局等々すぐに王城に広まるからね。

 親の知る前に王城内で話題になって親達が王城に来た際に初めて知るなんて恥ずかしいじゃない?

 家の評価にも関わるからね。

 良い方に捉えるなら自主性に任されていると言えなくもないけど、その分ここでの評価は実家の評価に繋がるから大人しく過ごしているという事ね。

 まぁ過去を紐解くと不祥事はないけど結果、同時期に同じ寄宿舎に居て、卒業後すぐに結婚したという例はいくらでもあるわ。

 だからそういう行為も・・・あ・・・バレなければ良いのかなぁ?」

エイミーが最後の方は目を右往左往させながら答える。

「うふ♪」

「ドネリー!うるさい!」

「ジーナ、これはつまり家に迷惑をかけないようにって事だよね?」

「そうですね。

 ですが、エルヴィス家もキタミザト家もスミス様が本気で好きになった方なら妻に認める意向があります。

 なので、スミス様は相手の家とかではなく1人の女性としてしっかりと見て、本気で好きになる事が重要です。」

「本気でかぁ。」

「はい、些細な事かもしれませんが、一緒に居て楽しい、一緒にお茶をして安心する、話しやすいという何気ない事から好きになる可能性もあります。

 要は一緒に居て緊張をせず、楽しめる相手がお妃さまに向いていると思われます。」

「なるほどね。

 それはお姉様方やエイミー殿下のような方なんだね?」

「へ!?ええ!そうですね!

 んんっ!?」

ジーナがエイミーの顔を確認するとエイミーが顔を真っ赤にさせて1点を見つめていた。

「エイミー殿下、今日も遅いですし、今日はこの辺で。

 ドネリー様!」

ジーナがすぐに席を立ちエイミーを立たせ後ろを向かせる。

「はい♪

 エイミー殿下、明日も朝一で第3皇子一家と話し合いですからもう休みましょう。」

ドネリーがそっとエイミーを支える。

「え・・・ええ・・・そうしましょう。

 ジーナ・・・スミス、今日は先に部屋に戻るわ。

 おやすみなさい。」

エイミーが力を振り絞って顔を向けて挨拶をする。

「はい、エイミー殿下。

 おやすみなさい。」

「おやすみなさいませ。」

スミスとジーナが見送る。

ただ、ジーナは「エイミー殿下、今日寝れるかなぁ?」と心配になるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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