第1696話 どこの捜査員ですか?(交際現場を押さえます。)
ルーク・マイヤーの部屋の前。
「こちらになります。
それでは帰りの際にまた声をおかけください。」
職員が武雄達を扉の前に案内して去っていく。
「・・・行きますよ。」
「「「はーい。」」」
マイヤーの言葉に武雄達が頷く。
と、マイヤーが扉をノックする。
少し間をおいて扉が開き。
「はーい、どちらさ・・・親父?」
「ああ。」
「こんにちは。」
武雄達が顔を出す。
「あ・・・キ、キタミザト様?」
「うん、臨検ね♪」
「え?」
「お前の部屋が荒れてないか確認に来た。
入るぞ。」
「うん、別にかまわ」
「「「失礼しまーす♪」」」
マイヤーを先頭に室内へ。
「あ!所長!女の子発見!
窓です!」
「へ?」
オールストンが報告してくるが、ルークは「なんでこんな時に」と諦める。
「よーし!物証だ!
パナ!ビエラ!ミア!確保!」
武雄が笑いながら号令をかける。
「「はーい。」」
「あー。」
ビエラが皆の間をススっとすり抜けて駆け出す。
ミアとチビパナがチビながら窓から室内に体を入れていた女の子を確保しに行くのだった。
「あれ?ルーク!?これなに!?
なんでこっち来るの?ええ!?
なにこのチビッ子!?引っ張らないでぇーー!」
・・
・
「君がコートニー・ラックさんね。
お父さんとは顔見知りでね。」
「はぃ・・・キタミザト様。」
大人しく捕まったコートニーと武雄が話をしている。
「なんで窓から?」
「一応、男女の階への訪問はあまり外聞がよろしくありません。
なのでジーナ殿関連の連絡は窓からしていました。」
「・・・ルーク君、補足はありますか?」
「はい、宿舎内では女子が居る階に男子が行く事は厳禁になっています。
逆に男子の階には許可があれば女子は来る事が可能ですが、コートニーは取っていません。」
ルークも大人しく答える。
「・・・うん、まぁジーナ関連の打ち合わせとなれば・・・致し方ないかなぁ・・・
それにしても窓からというのは危ないですね、もっと安全に出来ないの?」
「他に方法が思いつかなくて。」
「はぁ・・・まぁ良いです。
その辺は私が関与する事ではないでしょうからね。
怪我には気を付けてね。」
「はい、キタミザト様。」
コートニーが頷く。
「それはそうとパナ、どう?」
「未着手ですね。」
「ですって。」
パナの答えを聞き武雄がマイヤーを見る。
「・・・はぁ・・・」
マイヤーが安堵のため息をつく。
「コートニーさん、ジーナ見守り隊の人員は?」
「私達は6名ですが。」
「うん、なら美味しい物買っておいで、皆の分をね。」
と武雄が銀貨2枚を渡す。
「あ・・・わかりました。
皆の夕食後のおやつを買ってきます。」
「うん、行ってきなさい。」
「はい、失礼します。」
コートニーが立ち上がり扉から出て行く。
「さて・・・マイヤーさん、どうぞ。」
武雄がマイヤーに促す。
「ルーク、お前・・・部屋にラックの娘を・・・いや女性を連れ込んでいるとは・・・どうなんだ。
お前はちゃんと覚悟を持ってやっているのか!?」
「いや・・・連れ込むと言うか・・・勝手に窓から入ってきているん・・・いるんですが。」
マイヤーの言葉にルークが反抗する。
「ルーク君。
というか、現場をこう押さえられては経緯がどうであろうと立派な連れ込み行為だぞ?」
ブレアが言う。
「不倫現場と同じだな。
行為をしてようがしていなかろうが現場に踏み込まれたら終わりだ。
特にこういう現場は男性の発言権は低いのが世の常だ。」
オールストンが言う。
「こういうのが既成事実と言うんでしょうね。」
武雄も言う。
「・・・あぁぁ・・・」
ルークが顔を伏せて苦悩している。
「・・・お前は!」
マイヤーは怒りながらも目は憐れんでいる。
「はい、ストップ。」
武雄が止める。
「ここで言い争っても何も出来ません。
マイヤーさんは抑えなさい。
さて・・・ルーク君、要はルーク君の覚悟の問題なんですよ。
今の所、私達が発見したからこうやって言ってあげていますけど、この現状は無許可で男子の部屋に女子が居るという明らかに罰則級ですよ?
万が一は退学であってもおかしくないんです。
規則を破るとはそれぐらい厳しい事なのです。」
「はい。」
ルークが頷く。
「で、万が一、王立学院に発覚して処罰が下ったとして、ルーク君、コートニーさんを守る気はあるのですか?
その覚悟がないならこんな密会はやめなさい。」
「そうですね、所長。
ラックの娘との交際うんぬんに口は出す気はない、付き合う、付き合わないは本人達が決めれば良い。
それに今交際しても後々別れることだってある、そのまた逆もな。
だから・・・そうだな・・・その女性に対して本気になれないなら危険な事を犯させるな、本気ならしっかりと覚悟を持って危険を包容するぐらいの器量を見せろ。」
「・・・わかった・・・いや、わかりました。」
ルークが頷く。
「・・・はぁ・・・ここにいてもこれ以上の話はないでしょうね。
所長、すみませんが、今日は。」
マイヤーが退出を促す。
「はいはーい。
あ、ルーク君、課外授業についてはジーナにも用意はさせますが、見守りよろしくね。
それと他の皆さんによろしくと。」
「はい、わかりました。」
ルークが頷く。
武雄はルークが頷くのを見てからマイヤーと扉を出て行く。
「まぁ・・・良く考える事だね。
私が言えるのは本気ならとことん本気で楽しめば良いという事さ。」
「そうだな。
だって所長も親父さんもルーク君の自主性に任せると言ったんだから。
あとは楽しめば良いさ。
ビエラ殿、夕霧殿、行きますよ。」
ブレアとオールストン、ビエラと夕霧が退出していく。
・・
・
「はぁ・・・覚悟かぁ・・・
あれ?キタミザト様も親父も・・・他の人もコートニーの覚悟云々は言わなかったな・・・
まぁどっちにしても俺が覚悟を決めないといけないという事か。」
ルークがベッドに横になり天井を見ながら考えるのだった。
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