第1687話 一旦離れましょう。(募集要項について。)
王城近くのレストラン。
武雄達は昼食を取っていた。
「とりあえず、募集に関しては双方とも掲示はしてくれる運びになりましたね。」
武雄が皆に言う。
「人員募集は問題ないとの事ですが、第1騎士団と王都守備隊の双方であまり人数を出したくないという事でしたね。」
「どちらも今年は人員確保が大変なんでしょうね。」
オールストンとブレアが言う。
「・・・まぁたぶん第二研究所が原因の1つでしょう。」
マイヤーが微妙な顔をさせて言う。
「・・・私のせいというか王都のせいというか・・・・
アンダーセンさんの手腕が良かったという事でしょう。
結果、私は王都守備隊の主要人員を手に入れた。
ついでに才能が開花前の若い子達もね。
あの子達を経験豊かな貴方達に預けられるのは将来を見据えたら一番の収穫なのかもしれません。」
武雄の言葉に3人が頷く。
「今年の分は現在としても将来としても良い人材が確保出来ました。
さて・・・来年はという所ですが、マイヤーさん、アンダーセンさんの腹の内はどうだと思いますか?」
「来年の10名は実働部隊の人員増援になります。
事前に試験小隊は3個小隊になる旨の趣旨は頂いています。
後々、アンダーセンは中隊長という役職になるとの事は所長より言われていますね。
そして組織としては試験小隊は第1小隊と第2小隊が実働部隊、第3小隊がアーキンを小隊長とした新人及び支援部隊となるでしょう。
ベイノン、アーリス、オールストン、ブレア、そして来年度、遅くとも再来年度の選抜者の中から第1小隊と第2小隊の小隊長と副官を決める事になるでしょう。」
マイヤーが言う。
「という事は・・・今回のようにベテランを狙う必要がある。
が、かといって先任しているベイノンさん達が上に立っても腹が立たない人選をしなくてはいけない。
そういう事ですか?」
「はい。
元分隊長であろうと元第1騎士団の小隊長であろうと、年齢が上であろうとです。
アンダーセンが判断した人選に異を唱える者は必要ありません。」
「うん、そうですね。
そもそも人選はマイヤーさんとアンダーセンさんが扱いやすい人選で良いとしました。
なのでマイヤーさんのその言葉もその通りだと思います。
が、今回は第1騎士団を最低1名は入れたいと思っています。
王都守備隊の隊員は今の所、アンダーセンさん達も顔がわかっています。
王都守備隊については人となりがわかるでしょうが第1騎士団というとわからないでしょう。
なので、今回は募集をかけますが第1騎士団でも上で私達に従順な者を入れなければなりません。
そうすれば両部隊員の人柄がわかる人が揃います。
今後の人事で役に立つでしょう。」
「言っている事はわかりますが・・・」
「第1騎士団で全体を知る者・・・ですか。」
「第1騎士団の副官か第1小隊長とか主要人員ですね。」
マイヤー達3人が武雄の言葉に考える。
「まぁ募集要項を貼ったので募集人員を見てからとなりますけどね。
第1騎士団出身者は欲しいですが、最悪は来年も王都守備隊で固めても良い訳ですし。
そもそも10名居なくても良いんですから、無理して採用する必要もないですかね。」
武雄が苦笑しながら言う。
「所長、よろしいのですか?」
マイヤーが聞く。
「・・・別にいつまでに揃えろと言われたわけではありません。
あくまで試験小隊の予算をくれて3小隊作っても構わないという事です。
小隊だからといって基本的な小隊人数である20名を3組、計60名にしなくてはいけないという訳でもありません。
15名ずつにしても良い訳ですし、採用も毎年10名という話はマイヤーさん達としましたが、良い人材がいるなら12名でも20名でも構いませんよ。」
武雄が言う。
「ですが、3小隊になるのはまだ所長の研修での発表のみです。
まだいつ3小隊の予算になるかの連絡は来ていません。
なのでいくら確証が高くても私達はまだ第1小隊分の予算しかないのですよ?」
マイヤーが指摘してくる。
「・・・なら最大10名ですね。
陛下達にお願いして3小隊の予算が付く時期を教えて貰いましょうかね。
マイヤーさん的には・・・というより早くなった方が良いですよね?」
「はい、出来るだけ早急に時期を決めて貰いたい物です。」
「ふむ・・・予算を見ながらと言われているからなぁ・・・
そこはこの滞在中に確認してきましょう。」
武雄は皆にそう言うが「ウィリプ連合国の件もあるし、一研の人員を円滑にする為に早々に実施するとおもうんだが」と心の中では思っている。
「では、私達は来年は10名採用と考え、王都守備隊での人員の動向を確認します。」
ブレアが言う。
「第1騎士団に皆さんは知り合いは?」
「昔の同窓ですかね・・・
今は小隊長とかしていますけど、あまり会っていませんね。」
「私もそうです。
今会うと露骨過ぎますよね。」
オールストンとブレアが言う。
「ん~・・・第1騎士団員かぁ・・・
あ、今日は無理ですけど、後日王都で飲みましょう。」
武雄が何か閃く。
「うん?所長どうしました?」
オールストンが聞いてくる。
「ラックさんの所で飲みましょう。
あそこの女の子は第1騎士団の子も居ましたし、内情も知っているでしょう。」
「あぁ・・・確かにあそこなら両部隊の内情がわかってしまいますね。
でも口は固いと思いますよ?」
「それならそれで良いですけどね。
王立学院内とか王城内の事も聞きたいですし・・・丁度良いですね。」
「いつ行きますか?」
「明日にでも行きますか。
明後日からジーナは課外授業なので前日は監視が出来ませんからね。」
武雄がにこやかに言うのだった。
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