表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1699/3625

第1685話 195日目 朝の一時。(グレース何したの?)

王城内の食堂。

「ごちそうさまでした。」

「美味しかったです。」

「あ~。」

「「「ありがとうございました。」」」

武雄達が朝食を終えた。

「さて、出かけますか。」

武雄が席を立つ

「一応、昨日の部屋へ戻る際に言われましたが、このまま行くのですね?」

マイヤーが聞いてくる。

「ええ、部屋に戻っても意味はないですからね。

 第1騎士団は・・・この時間ではまだ始まっていないですかね?」

「騎士達は朝練をしていると思いますけど、団長は軽食中でしょうか。

 たぶん執務室でのんびりとされているはずですよ。」

「軽食?」

武雄が聞き返す。

「ええ、騎士団長は確か朝食からしっかりと家で食べてくる方でしたからね。

 今は仕事が始まる前にお茶でも飲んでいるでしょう。」

「そうですか。

 ま、機嫌が悪ければ受付だけで終了でしょうから問題ないか。」

「ええ、そうでしょうね。

 朝食前に連絡は入れていますから・・・まぁ平気でしょう。

 さて、忘れ物はないな。」

「「はい、行きましょう。」」

皆が席を立つ。

「キタミザト子爵様、先ほどの第1騎士団と王都守備隊へのご連絡の回答が来ております。

 双方とも問題ないとの事です。」

「はい、ありがとうございます。

 だそうですよ。」

メイドの伝言を聞き武雄がマイヤーを見る。

「動きが速いですね。

 返答が来たという事は騎士団長は居ますね。

 まぁそう留守にする方でもないですけど。」

「いらっしゃるなら仕事始めの時に雑談・・・歓談をして貰えるという事でしょうか。

 じゃあ着くまでに第1騎士団の情報を教えてくださいね。

 あ、そうだ、メイドさん。

 今日の昼食は外で食べます。

 夕食は私は寄宿舎で義理の弟と部下とエイミー殿下達と取ってきますし、マイヤーさん達は?」

「私達は前の上司と飲むことになるでしょうね。

 それと近況の交換してきます。」

「「ですね。」」

マイヤーとオールストン、ブレアが「飲んできます」という顔をしている。

「なので、今日の昼食と夕食の用意は不要です。」

「はい、畏まりました。

 各所に伝達をしておきます。

 では、いってらっしゃいませ。」

「はい、行ってきます。

 メイドさんもお仕事ご苦労・・・違うか、ありがとうございます。

 お陰で昨日はぐっすり寝れました。

 では~。」

武雄達が食堂を出て行くのだった。

・・

武雄達に頭を下げて見送ったメイドが頭を上げる。

「よし!はい、入って来て食器の片づけ、次の準備を。」

メイドが手を叩くとメイド数人が入って来て食器を片付け始める。

「次は王家でしたね。

 アルマ殿下、レイラ殿下の座られる所に問題点がないか再確認、それと配膳には細心の注意を払いなさい!」

「「はい!」」

メイドが指示を出す。

「あと、キタミザト子爵の帰宅等の情報を各所に連絡を入れて・・・

 それにしても『ありがとう』か。

 はぁ・・・全ての貴族があぁならやりやすいのになぁ。」

メイドが愚痴りながら食堂を出て行くのだった。


------------------------

寄宿舎の職員の部屋。

ジーナと職員が朝食前ではあるが、打ち合わせをしていた。

「いつも2人が運動の為に使っている会議室を使用するのは良いのですが・・・お酒はねぇ・・・」

職員が難しい顔をさせていた。

「・・・ご主人様に問い合わせたら飲まなくても平気と言われておりますが。」

ジーナが即座にパラス-ミアで武雄に確認して答える。

「それはありがたいんですけど。

 人事局として、流石にキタミザト子爵様に夕食に来て頂いているのにワインの1つも出さないというのは・・・

 でもなぁ・・・」

「いえ、そこはキタミザト家が無理やりここで食事をさせて頂くのですから寄宿舎内での禁酒の原則は守ります。」

「そう言って頂けるのはありがたいですね。

 ん~・・・それは一旦上に確認します。

 ダメだったらすみませんが禁酒で、ジーナ殿には事前に連絡を入れましょう。」

「はい、わかりました。

 あ、そろそろ朝食ですね。

 私はこれで失礼いたします。」

ジーナが職員の部屋を退出していく。

「・・・ジーナ殿は何だって?」

他の職員が近寄ってくる。

「何でも、今日の夕食はキタミザト子爵が寄宿舎に来て一緒に取るそうだ。

 だから会議室を利用しても良いかという確認なんだがな。」

「問題ないだろう。

 貴族だし、ジーナ殿からの申請書は来ているのだろう?」

「あぁ書類上問題ないが寄宿舎の規則だと酒を飲めないんだよ。」

「ん~・・・外部から入って来ての夕食の想定はしていなかったな。

 そういった場合は王城とかどこかの屋敷でと考えられているからな。

 上に確認に行くのか?」

「あぁ別の用事もあるから昼過ぎに局に行って聞いてくる。

 他に用事があれば代わりにしてくるが?」

「あ・・・確か報告書があったはず。

 昼前には用意しておく。」

「あぁ頼む。」

職員達は普通に過ごしているのだった。


一方の寄宿舎の食堂では。

「ドネリー様、予定通りです。」

「わかりました。

 殿下にはその通りに。」

ジーナと横に座るドネリーがコソッと話をしている。


「・・・ジーナ、機嫌が元に戻っているわね。」

ボソッとグレースが呟く。

「グレース殿下も、そう思いますよね?

 いやぁスミスに聞いても問題ないというからさぁ。

 本当か疑っていた。」

「イーデン・・・スミスが問題ないというんだ。

 少なくともエルヴィス家とキタミザト家では問題なかったんだよ。」

カイルがイーデンの言葉に釘をさす。

「なにコソコソしているの?

 グレース、何かしてないわよね?」

エイミーがグレースに言う。

「何もしておりません、エイミーお姉様。

 私は王家ですし、皆は貴族でお付きも完璧です。」

「ふ~ん・・・まぁ変な企みしてたら私が潰すからね?」

「エイミーお姉様、私そこまで信用ないのですか?」

「ええ、パット並みね。

 過去の逸話・・・いつまでも尾を引くわね。」

「若気の至りです。

 お忘れ頂きたいのですが?」

「残念、それは出来ないわよ。

 そして今後も皆が知らされる事だからね。

 若気の至りとかで誤魔化せる内容でもないし。

 信用は日々の努力でしか良くならないからね。

 ま、頑張りなさい。

 さて、私は先に行きます。」

エイミーが席を立つとドネリーも席を立ち後に続く。


「・・・グレース殿下・・・若気の至り?」

「え・・・イーデン、聞いてないの?」

「いや聞いたような・・・聞いていないような?」

「あとで教えるから、今はグレース殿下には聞くなよ?」

「おぉう。」

カイルとイーデンがコソッと話をしているのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ