第1681話 夕食。(明日の予定はどうしましょうか。)
王家の夕食前の食堂。
「所長・・・落ち着きません。」
「立っていて良いですか?」
「・・・なんか移動中よりも疲れるのですけど。」
マイヤー達は部屋にいたはずなのに疲れていた。
「・・・え?そんなにですか?
ん~・・・勝手知ったる王城でしょう?」
「だからこそですよ。」
オールストンが言ってくる。
「今回の会議は王家主催だからこうなっていますし・・・次回も同じですよ?
慣れて貰うしかないですよ。
あ、夕食後は自由ですからね。
私は陛下と第3皇子一家に挨拶して就寝です。」
「とりあえず私達3人は落ち着くようにします・・・所長は挨拶で済めば良いですね。」
マイヤーが言ってくる。
「それは言わないでください。
明日はどうしますか?
夕食はジーナとスミス坊ちゃんに米とかを食べさせないといけないですけど、他は基本ありません。
夕方までどこか行きますか?」
「あ、人員募集で王都守備隊と第1騎士団に行きたいですね。」
「あ~・・・王都守備隊の方は引き渡した3人に会いたいから私も行きますかね。
ビエラ平気ですか?」
「平気。」
「ならどうしますか?
総長に挨拶はされるでしょうけど、総長に会うのなら第1騎士団の団長にも挨拶された方が良いですね。
双方に挨拶に行けば受けも良いでしょうし。」
「なら最初に第1騎士団に行きますか。」
「今日は時間も時間ですので朝一で行く事を伝えれば人事に関しては良いかと思いますけど。
総長達に会えるかはちょっとわかりませんね。」
「まぁいきなり行くので居なかったら居なかったでしょう。
それに王都守備隊も第1騎士団も人事の方にお願いしに行くのが主任務ですし、どう扱うかは向こう次第ですからね。
わざわざ一番上に必ずしも会う必要はありませんしね。」
「まぁ・・・そうですね。
第1騎士団の団長とは所長は話されましたか?」
「授与式の前に話したかなぁ・・・
絶対、その場の話で終わってしまっていますかね。
あとはウィリプ連合国から戻った際の会議で顔は合わしましたかね。
どちらにしても話した記憶がないですね。」
「なるほど、なら団長と会えたのなら印象は良くする必要があるでしょうね。」
「マイヤーさん達は?」
「仕事上それなりに。最終的には総長が話していますが、説明だったり雑談だったりしていました。
所長よりかはありそうですね。」
「なら、話はマイヤーさんに任せますかね。」
「わかりました。
では、明日は城内を散策ですね。」
「ええ、出来れば文官達に掴まらない形でお願いしますね。」
「そこは・・・まぁ努力はしましょう。」
と料理長達が料理持って食堂に入ってくる。
「キタミザト殿、お待ちしていました。」
「ええ・・・料理長が自ら持ってこなくても・・・」
武雄が呆れている。
「ははは、キタミザト殿に出すのに私以外に適任はおりませんよ。
で、今日はキタミザト殿に教えて頂いた出汁のスープとカルボナーラのパスタとサラダです。
あ、それとミア殿の為に果物を少し多めに持って来ました。」
「すみません、ありがとうございます。
その後の王城内での食事の評判はどうですか?」
「いやぁ~良いですね。
昼食も王城内でも食べる者が増えましたよ。
一番人気はプリンです。
わざわざ兵士達が食べにも来ていますよ。
もちろん王城外に持ち出されないように注意していますからね。
ご安心ください。
そういえばそろそろピザの発表が近いという噂があるのですが。」
「それはエルヴィス家の話ですからね、私からはなんとも言えません。
伯爵は第3皇子一家のエリカさんに情報を渡しているのは知っていますよ。」
「おぉ!それは重要です。
後ほどエリカ殿に聞きに行きましょう。
おっと、温かい内に食べて欲しいのでまた後程来ます。
それではキタミザト殿、失礼します。」
料理長達は配膳が終わったのを確認し帰って行く。
「・・・料理長、暇なのかなぁ・・・」
「そうではないでしょう。
わざわざ挨拶に来るなんて普通あり得ませんよ。
所長、大人気ですね。」
「「所長、ありがとうございます。」」
「・・・はぁ・・・それはそれでプレッシャーなんですけどね。
さ、食べましょう。
いただきます。」
「「「いただきます。」」」
「いただきまーす。」
「いただきましゅ。」
武雄達が夕食を取り始めるのだった。
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寄宿舎の食堂。
スミスとジーナが夕食を取っている。
「ジーナ、なにかあったの?」
ジーナの対面に座るスミスが聞いてくる。
「いえ・・・ん~・・・
スミス様、明日の夕方は空いておりますか?」
「空いていますよ。
タケオ様はなんて?」
「いえ、順調なら問題ないと・・・明日のゆう」
ジーナが言いかけて。
「あ、スミスとジーナはもう夕食なのね。
今日は早いわね。」
エイミーとドネリーが食堂に入ってくる。
「はい、エイミー殿下、マリとも話して課外授業が近いので訓練は室内のみで終わっているんですよ。」
「皆さまが食事をしている時にします。」
「スミスもジーナも怪我には気を付けてね。
あ、スミス、ジーナ、課外授業の用意は終わってる?
何があっても良いように準備しなさいよ。」
「はい、エイミー殿下。
僕も準備は終わっています。
ジーナの方も問題はないですよね?」
「はい、準備は終わっています。」
「じゃあ、ドネリー、明日戻って来たらジーナとバウアーの荷物確認ね。
女の子の従者だと持って行く物は最小限にしても多いだろうしね。」
エイミーがにこやかに言う。
「・・・」
ジーナがその言葉で固まる。
「・・・そうですね。
僕は男ですから何かなくても大して問題ないですけど、ジーナの荷物はちゃんとしておかないといけませんね。」
スミスが頷く。
「あの・・・エイミー殿下・・・明日はちょっと・・・夕方と夕食時はちょっと用事がありまして・・・スミス様と一緒に所用が・・・」
「うん?どうしたのジーナ?」
エイミーがにこやかに聞いてくる。
「・・・明日の夜はご主人様が・・・」
ジーナが珍しく目を右往左往させている。
「そうよね。
前にタケオさんが今日来るって言っていたわよね。
で?ジーナ・・・明日どこで夕食取るの?
私もタケオさんと話がしたいわ。」
エイミーがにこやかに言う。
「・・・確認します。」
ジーナはそれしか言えないのだった。
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