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第1674話 194日目(5/9) 王立学院では。(不審者1名発見。)

王立学院の1年の教室。

今日も授業がされているのだが・・・

「な・・・なぁ・・・カイル。」

「イーデン、授業中に声をかけないでください。

 何ですか?」

王家、貴族の子弟は横並びに座って授業をしている。カイルとイーデンは隣同士のようだ。

「うん・・・どうも斜め後ろから威圧されている感じがあるんだが・・・」

「そんなの朝からでしょう?」

「あれ?そうなの?」

「はぁ・・・気が付いていなかったんですか・・・

 何があったか知りませんが、今日の朝から授業中はジーナ殿が不機嫌なんですよ。

 おかげでグレース殿下のお付きのバウアー殿はジーナ殿の横でビクビクしていますよ。

 お宅のバイロン殿やうちのブルも気を張っていますし・・・

 グレース殿下は気にしていないようを装いながらこの話題は触れないようしています。

 スミスは気にも留めていません。」

カイルがイーデンに説明している。

「なるほど・・・グレース殿下は危ない物には近づかないようにしているんだな?」

「まぁ・・・そうですね。

 この話題は触れない方が良いと思います。

 スミスもわかっているでしょうけど、解決策があるならとっくにしているはずですからね。」

「お・・・おぅ、わかった。」

貴族の息子2人がコソコソ話をしている。

「アルダーソン!集中出来ていないな?

 私の授業がそんなに暇か?

 前に出てこの問題を解いてみろ。」

教師がイーデンを指名する。

「は・・・はい!」

イーデンがおずおずと前に行くのだった。


当のジーナはというと。

「はぁ・・・」

ノートに現状の事を箇条書きにしては頭の中で確認し、チェックを入れて考えをまとめていた。


《ジーナのノートの箇条書きの部分》

・部屋の掃除はスミス様も私も実施した

・情報収集のまとめも終わった

・第3皇子一家への報告と予定も確認した

・王城の料理長にはご主人様の到着日を連絡入れた

・念の為にご主人様が泊まる王城の部屋の確認は実施した

・王都守備隊に預けているエルヴィス家の馬車も確認した

・魔法師専門学院のジッロの予定も軍務局に問い合わせをして確認した


「・・・何かやり残してないかしら・・・」

ジーナが眉間に皺を寄せながら見落としがないか考えているのだった。

・・

「ねぇ・・・ルーク・・・ジーナ殿が怖い。」

「平気だ、室内の皆が怖がっている。

 でもなんでだ?キタミザト様は15日に会議で13日程度に到着と予想したよな?」

コートニーとルークもコソコソ話をしていた。

「なんだろうね?

 でもそれ関係なんだろうけど・・・」

「コートニー、ルーク君、声大きいわよ。

 はい、これグループ内回覧。

 教師に当てられないでね。」

仲間内の女子生徒が紙をルークに渡してくる。

「すまん。

 ・・・あぁ・・・そういうこと。」

「ん?なに?」

ルークが回覧を見てすぐに紙をコートニーに渡し、すぐにコートニーも回覧を見る。

「あぁ・・・キタミザト子爵(ご本家)が今日来るのか・・・」

コートニーがジーナの不機嫌がわかりこの雰囲気はどうしようもないと諦めるのだった。

・・

授業も終わり、教師が今日の伝達事項を話している。

「以上、前にも連絡していますが、5月12日から14日に渡って課外授業を実施します。

 配った書類で記載されている物の用意を怠らないように。

 では、今日はこれまで。」

教師が教室を退出していく。

「スミス様!お先に失礼します!」

ジーナがいつの間にか・・・というより教師が連絡事項を話している時には帰り支度を済ませており、出て行ったと同時に立ち上がる。

「あ~・・・はい、わかりました。

 僕は大丈夫だからジーナも気を付けてね。」

「はい!では!」

ジーナが小走りに教室を出て行く。

「はぁ・・・」

スミスが苦笑しながらジーナを見送る。

「・・・スミス、どういう事?」

グレースがスミスの下にやって来て聞いてくる。

イーデンやカイル、お付き達もスミスの周辺に集まる。

「どういう事もどうも・・・ジーナに急用があってですね。

 それで向かいました。」

スミスが半笑いしながらグレースに言う。

「いや、そうじゃなくて・・・朝からジーナ殿機嫌悪かったでしょう?」

「いえ?全然?

 むしろ機嫌良いですよ?」

グレースの問いかけにスミスが即答する。

「「「「いやいやいやいや。」」」」

皆がスミスの答えにツッコむ。

「すっごく眉間に皺寄せて考えていましたよ!」

「隣の俺ら冷や汗物だったんですけど!」

「あぁ・・・心労が・・・」

お付き3人がぐったりしながら言ってくる。

「まぁ・・・考え事していますけど、大したことではないですし。

 昨日は僕と鼻歌交じりに掃除していましたよ。」

「夕飯前にスミスの部屋でドタバタしていたのは私も知っています。

 で、なんでそんな事をしていたの?

 それは今日のジーナ殿の機嫌の悪さに関係が?

 はっ!まさか!スミスの部屋で何か見つかったの?

 スミス、ジーナ殿に何を見せているのよ!」

グレースが何か閃く。

「スミス、ちゃんと隠しておけよ。」

「そうだ、簡単に見つかる場所に隠すな!気を抜くな!」

イーデンとカイルがスミスを非難する。

「はぃ?何を言っているので?」

スミスが級友達に呆れるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ちょっと考え込んだだけで周囲を威圧してるって、魔眼ダダ漏れですか? それを当たり前とすら気にもしていないスミスは、多少の威圧程度は気付きもしない、肝の据わった施政者に・・・・・ ・・・…
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