第1673話 192日目 とりあえず終わって夕食にしよう。(大袋は高い。)
夕食前、エリカ達は湯浴みに行っている。
「所長、イノシシの解体終わりました。
肉と毛皮はこちらです。」
マイヤー達が夕食を作っている武雄に持ってくる。
「はーい、お疲れ様です。
結構、多いですね。
帰りにエルヴィス領内の村か西町で売りましょう。」
武雄が貰った肉と皮をリュックにしまう。
「はい、了解です。
で、大まかにしたので今、残りは・・・」
マイヤーがそう言ってイノシシの方を向き、武雄も見る。
「あ、ミア軍団が処理しているのですか。
まぁ良いのではないですか?」
「はい、夕霧殿があの後の後片付けをするそうです。」
「はい、わかりました。
今、夕食準備中でエリカさん達が湯浴み中です。
私は一足先に軽く流したので、マイヤーさん達もエリカさん達が上がったら入ってください。」
「はい、了解です。
じゃあ、それまでテントや馬の様子でも確認してきます。」
「ええ、お願いします。」
武雄達は夕食まで各々で出来る事をするのだった。
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今日の夕食は干しシイタケの出汁(移動中に水筒に入れていたのも追加)をベースにニンジンとキャベツ、タマネギ、ジャガイモ、干し肉を煮込んだ塩味ベースのスープとパン。
食材は武雄が管理している為、最初の頃のような潰したパンのような味気ない物ではなくなっていた。
「はぁ・・・スープ美味しい。」
エリカが満足そうにスープを飲んでいる。
「なんだかんだと肉多かったですからね、野菜多めも良いですね!」
「野菜のみでも良いですよ。」
カサンドラとペイトーも頷きながら食べている。
「研究所としても大袋欲しいですね。」
オールストンが言う。
「エリカ殿達の話だと王家割引でも2個で金貨1000枚ですよね。
予算的に難しいですよね。」
ブレアが難しい顔をさせながら言う。
「予算に余剰が相当出ないと難しいな。
今でさえキツキツだからなぁ。」
「個人が所有するのを流用はしたくないですけどね。
こればっかりは予算がねぇ。」
マイヤーと武雄が首を項垂れる。
「中古というのもあまり出回りませんしね。
王都守備隊や王都の騎士団で使っていた物が古くなって交換が必要になったら、引き取って貰って新しい物の購入費用に充てますからね。」
オールストンが言う。
「あれ?引き取られた古いのはどうなるんですか?」
カサンドラが聞く。
「基本的には業者の方で修繕して、冒険者組合の方に卸すようですよ。
結構安く卸しているみたいです。
まぁでも市場価格があれなので・・・冒険者組合ではしっかりと肉とかを納入してくれる方で上位冒険者を優先に売っているようですが、それでも転売する者が居るとの事です。」
ブレアが説明する。
「あぁなるほど、なら私のは修繕された物ですかね。
冒険者組合で討伐肉の買取金額の足らない分、金貨11枚の代わりで頂いたんですよ。
こんなに安いんですね。」
武雄が言う。
「「絶対それ違います。」」
オールストンとブレアが言ってくる。
「修繕された物というのはそうでしょうが、金額が安すぎます。
まぁキタミザト家に喧嘩を売ったようなものですからね。
機嫌を悪くされないようにしたのではないですか?」
マイヤーが言う。
「ん~・・・私もアリスも気にしていなかったのですけど。
まぁ向こうの気遣いという事で今後は出来るだけ討伐した物はエルヴィス領内で卸しますか。
そうすれば売り上げにもなるでしょうし、そちらで貢献しましょうかね。」
「ええ、それで良いかと。
ですが、あまり領内では討伐していませんよね。」
「冒険者の仕事を奪うのもね・・・この間のエルヴィス領からゴドウィン領まで行く間の道なき道での討伐なら率先しますけど・・・
基本的にはエルヴィス領内ではコラ達の土産程度の討伐だけですかね。」
「そうですね。
まぁ今回のようなイノシシなんて滅多に遭わないんですけどね。
でも今回良く見つけられましたよね。」
「ふむ・・・まぁこの地に居たクゥが居なくなってこの地の主格が居なくなっての生息圏の拡大、もしくは新しく根付こうとした者だったのかもしれませんが、不運なのは私達が通る時期に狙ってしまった事でしょうかね。
実際は居なくなるのを見計らっていたのかもしれませんが、夕霧達が見つけましたし、コラ達も他家族が領内に入る事に難色を示しましたし、エリカさんも協力してくれましたからね。
結果的に討伐という形を取りましたね。
夕霧の報告では他に居ないそうなので一家離散ですね。
まぁクゥが居た場所をみすみす他の魔物にあげる訳にもいきませんし、街道にちょっと近いのでね。
あまり余所者を入れたくはないのは私も同意します。」
武雄が考えながら言う。
「という事はこの地は?」
「時雨達に監視して貰いましょう。
街道の安全は確保しなくてはいけないですしね。
まぁただ今後ともコラ達が出張るとは限りません、今回は見送りに来てたまたまですからね。
不穏な動きがあるのならエルヴィス家の兵士達にお願いして訓練兼討伐ですかね。
コラ達は街と町の間のみの監視と数減らしが主な仕事ですから。」
「了解です。」
マイヤー達が頷く。
「タケオ、コラ達の食事が終わったからスライム達に掃除させています。」
「主~、私達の分の夕食はどこですか?」
「あ~?」
夕霧とミア、ビエラがやってくる。
「おかえり、はい3人共とりあえずお湯張りますから湯浴みしてらっしゃい。」
「「はーい。」」
「はい!」
武雄が3人を連れて湯浴み場に向かうのだった。
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