第1671話 192日目 コラ達の演習。(エリカの魔法炸裂。)
武雄達一行はクゥの元住み家に到着していた。
のだが、今、森の中では魔物達が突進している。
「プギィィ!!」
その先頭を行くのは高さが人と同じ大きさぐらいあるイノシシだった。
「ニャ!」
「そうです!鷲が導く方向に追い込みなさい!
コラ!指揮しなさい!右にズレています!」
ミアがコラの首元に乗っかりながら指示をしている。
「ニャ!ニャ!」
「「ガゥ!」」
コラの鳴き声にイノシシの右後方を走っている狼達が圧力を強める。
「プギィィ!!」
イノシシは否応もなく進路を限定させるのだった。
「すぅ・・・はぁ・・・」
エリカが広場の中央付近で森の方を向いて深呼吸している。
「・・・」
ビエラはエリカの2m先で腕を組んで仁王立ちしながら森を見ている。
そしてエリカの少し斜め後ろに武雄が立って見守っていた。
「所長、シールド展開と一撃を入れる準備良しです。
所長の方は大丈夫でしょうか?」
マイヤーが武雄に言ってくる。
「打ち合わせ通り、万が一の時はビエラの前面50cmに展開して一時的に受け止め、解除と同時にビエラが殴り倒します。」
「・・・ん~・・・私達は最後の仕留める事に集中すれば良さそうですね。
その・・・インサイドエクスプロードでしたか?
先程の説明で生物の内部を爆発させるとの事でしたが・・・えげつないですね。
どのくらいの威力なのでしょうか?」
「さて・・・ですが、個人特有という話ですからね。
純粋な血筋の力がわかるというものでしょう。
まぁ慣らし撃ちみたいな物でしょうからそこまでとは思いませんけど。
ちなみに同様な魔法は?」
「聞いた事もありません。
で、手に持っているのは?」
「小銃改3ですが?なにか?」
「いえ、何も。
ん?・・・鷲が来ましたか・・・さて・・・やりますか。」
「ええ。」
マイヤーが鷲を視認し呟くと武雄はビエラに向かって歩くのだった。
・・
・
ドドンッ
森からイノシシが飛び出してくる。
「プギィィ!!」
「散開!」
「ニャ!」
「「ガウッ!」」
それと同時にコラ達追い込み部隊は急いでイノシシから離れる。
「我・・・求めん・・・インサイドエクスプロード!!」
エリカが右手をイノシシの右前足の方に延ばし掌をぐっと握ると右前足の付け根が爆発する。
「プッ!??ギャァァァ!!!?」
突然右前足が無くなり勢いそのままイノシシが顔から地面に突っ込み前転そして横転しながら転がってくる。
ドンッ
と武雄が小銃改3を放ち、イノシシの頭部が吹っ飛ぶ。
だが、勢いが収まらない。
「あ~・・・あ!」
ビエラがいつの間にか移動し、イノシシだった物の前に駆け込み一撃を見舞いやっと止まる。
「はぁ・・・終わりっと。」
武雄が立ち上がる。
「タケオ、周囲に他の魔物はいない模様。」
夕霧が武雄に近寄り報告してくる。
「あ~・・・マイヤー殿、出番なかったです。」
「せっかく待っていたのに。」
オールストンとブレアがマイヤーにやれやれと言ってくる。
「はぁ・・・こんな物だろう。
死亡確認をしたか?」
「頭ないんですけど。
頭落とされて生きていたらもはや生物ではないのでは?」
「本来は私達が首を落とす手はずだったはずなんですけど。
所長に持って行かれました。」
オールストンとブレアが呆れている。
「体狙ったら頭に当たったんですよ。
いや~、当たって良かった。
ほら、心臓でも刺して止めをしてきてください。」
「「はーい。」」
オールストンとブレアがイノシシの方に行く。
「エリカ様、主、お見事でした。
あ、ついでにビエラもイノシシの受け止めお疲れ様。」
コラ達が武雄の下に来て声をかける。
「あ~・・・」
ビエラが殴った手をぷらぷら振りながら頭部が亡くなった事で付着していた血を落としながら苦笑いしている。
「ええ、ミア、ご苦労様。
コラも指揮お疲れ様。
・・・じゃあ、訓練の成果もわかりましたから命名しようか。」
「はい!
おーい、降りてこーい!」
ミアが上空にいる鷲に合図を送るのだった。
・・
・
コラの前には鷲、狼、白狼を先頭に各数体の仲間達が整列していた。
「訓練の成果を確認し、実力の向上が認められました。
今後の人間種との連絡等でわかりやすくする為、主達に命名を実施します。」
ミアがコラの頭の上に立ち、鷲達に連絡をしていた。
「ニャ!」
「クルッ!」
「「ガウッ!」」
コラが鳴くと、鷲達が平伏する。
「命名!
エルヴィス領 街の北の森の主である鷲にフウガと名付ける。
エルヴィス領 街の東の森の主である狼にサスケと名付ける。
エルヴィス領 街の南西の森の主である白狼にハンゾウと名付ける。
今後とも協力し合い、地域の安定に尽力するように!
以上!」
「ニャ!」
「クルゥゥゥッ!!」
「「クォーーーン!!!!」」
コラが鳴くと、鷲達が身を起し遠吠えをする。
「コラ、とりあえず各主達に名が付けられましたね。」
「ニャ。」
「ええ、1家族増えましたからね。
今回の追い込みもちゃんと出来ました。
コラもちゃんと統率出来ていましたよ。
ね?主。」
ミアが近づいてきて武雄に顔を向ける。
「ええ、コラ、ちゃんと狼達を率いましたね。
良くやりました。」
武雄がコラの首をワシャワシャ撫でる。
「ニャ♪」
コラが嬉しそうに鳴く。
「じゃ、狼達も撫でようかな。
ミア、通訳。」
「はーい。」
ミアが武雄の肩に乗る。
「えーっと、この子がサスケ?」
「そうですよ。」
「お疲れ様、良く頑張ったね。
これからは自分の住み家を守りながら地域を監視し、コラの意見を聞き、時には意見し、切磋琢磨して地域の安定をしていきましょうね。
何も隷属する訳ではないのです。
コラだって間違える事はあるでしょう、そこを補佐するのはサスケ達主の役割ですからね。」
「ガウッ。」
武雄がサスケの首をワシャワシャ撫でる。
「鷲がフウガだね。
お疲れ様、地上しか見ていない者達よりも先を見据えるのが仕事ですからね。
今後の」
武雄がミア軍団の皆を撫でながら声をかけていくのだった。
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