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第1650話 その頃の冒険者は。1(第4軍の出張所。)

ウィリプ連合国 ドローレス国輸送船船着き場。


デムーロ国からの船を降りた4人が港の建物を見ていた。

「ここがウィリプ連合国。」

「あぁ・・・陸だ・・・」

「おぉ・・・揺れていない地面は最高だな。」

「イグノトさん、何とか無事に着きましたね。」

「ええ、やっとですね。

 さて・・・旅はここでお別れですね。

 といってもまずは冒険者組合の方が来るという話で向かう所は一緒だと思いますが・・・」

「「ええ。」」

「船の味気ない料理はもう勘弁・・・ちゃんとした肉が食いたい!」

「あぁそこは同意しますよ。

 酒も極力飲みませんでしたしね。」

「酒に酔って気が付いたら奴隷になっていたなんて事になったら目も当てられませんでしたしね。

 はぁ・・・とりあえず酒飲みたいなぁ。」

「お前酒弱かったろう。」

「酒は弱くても飲みたい時があるものさ。」

「はは、元気そうですね。」

イグノトが3人を見ながら笑う。

「この後はどうされるのですか?」

「ウィリプ連合国内で旅をしようかと。

 ちょっとした冒険者の真似事もしながらね。

 3人共諸国を旅しながら魔王国に・・・でしたね?」

「ええ、私らもちょっとした依頼を熟しながら食べた事のない料理を堪能しようかと。」

「せっかく来たんだから美味しい物だけでなく、観光的な何かも体験したいね。」

「それに良い武器とかないのかなぁ?

 向こうでは金を出せばドワーフのボナ子爵領の物が手にはいりましたけど、こっちだとドワーフの国のでしょう?

 ちょっと気になりますよね。

 人間が編み出した剣とかも気になるし。」

「やる事が多そうで何よりです・・・あ、あの方が冒険者組合の方ですかね。」

「「「ん??」」」

4人の下に冒険者組合と思われる人物が近寄ってくるのだった。

・・

ドローレス国の冒険者組合事務所にて。

「・・・噂がない?」

イグノトが職員の説明に聞き返していた。

「いいえ、リーゾ殿。

 貴方の言われたような人物の噂はこの冒険者組合の私達受付程度には届いていないという所になります。

 噂というのは日々大量にもたらされますので1つ1つを精査しているという訳ではありませんが、重要な情報なのかどうかの判断は職員がしており、冒険者にとって重要な情報があった場合は私達受付に知らされ皆さまに周知させて頂いております。」

「・・・まぁ・・・そうですか。

 確かに冒険者にとっては必要ないですね。」

「はい、必要であれば調査いたしますが?」

「ん~・・・何も情報がないのでは動きようがないか・・・

 では、その調査をお願いします。」

「畏まりました。

 事務所内での職員の作業ですので明後日には大まかな内容がわかるでしょう。

 費用としましては」

受付とイグノトが話し合いをしている。


「あ~・・・あっちは問題なさそうだな。」

「任務完了ですね。」

「ああ、1つ目は終わったな。」

魔王国軍の3人はイグノトを見ながら言ってくる。

「さて・・・じゃあ、私達は宿に行きますか。」

「良い宿見つかると良いですね。」

「酒飲もうよ。」

3人が冒険者組合事務所を後にするのだった。

・・

「あ~・・・今日もお世話になったな。」

「まぁ報酬はトントンだが、達成率が悪くなるのも嫌だしな。」

「そうそう、あそこまで盾の役目をしてくれるのは中々居ないからな。」

3人組の冒険者風の人間が魔王国の3人の横を話しながら擦れ違っていく。

「・・・なんでしょうかね?

 不思議な会話だったと思いますけど。」

「まぁそうだな。

 冒険者は風変りが多いんだろう。」

「これも国によって違うのかもしれませんね。

 あ、魔王国(向こう)を出る時に渡された地図ではここですね。」

と目的の店に着いたようだ。

「普通です。」

「普通だな。」

「普通ですね。」

3人が第一声がこれだった。

そして誰が何かいうよりも3人共店内に入るのだった。


「いらっしゃい。」

店内はがらんとしていてお客が居なく、店番を女性がしている。

「「「・・・」」」

3人は店内を見回し他の客が居ない事を確認する。

「ん?冒険者さん達ではないのかな?

 うちは冒険者組合の依頼を提示して頂いて、お客様に合った奴隷を貸し出す事業をしているんだけど?」

「ええ・・・イルダ補佐官(・・・)殿でしょうか。」

「あぁ・・・そうか。

 ちょっと待っててくれ。」

イルダが席を立ち店じまいを始める。

窓を閉めカーテンをし、扉もきっちりと施錠を済ませる。

「よし・・・っと。

 よく来たね。」

女性が元の席に座りなおす。

「お初にお目にかかります。

 自分はアマデオ・ソルミ、第2軍 第3大隊 第1中隊長を任じられております。

 この2人は部下になります。」

3人が敬礼をするとイルダも敬礼をするし、すぐに直る。

「第4軍補佐官のイルダ・チェステだ。

 遠路はるばるよく来たね。

 さて、おい!同郷の者が来たぞ!」

イルダが声をかけると奥からぞろぞろと出て来る。

皆が一様に嬉しそうな顔をしていた。

「おぉ・・こんなに。

 あるとは聞きましたが、結構居ますね。」

ソルミが人数の多さに驚く。

「まぁ第4軍は諜報もするからね、表向きの派遣事業もするけどいろいろと情報を取りに行く人員もいるからね。

 ここは第4軍の出張所のような所なんだよ。

 皆、とりあえず顔は見せたな。

 よし!買い出しに行ってこい。

 故郷の様子が気になるだろうし、今何が起こっているのか聞きたいだろうが、それはまたあとでだな。

 ほれ一旦奥に戻れ。」

イルダがそう言うと出て来た者達が奥に帰って行く。

「ま、今日は皆潰れるかな?

 すまんが久しぶりの同郷の訪問者だ、付き合ってくれ。」

「はい、よろこんでお付き合いいたします。

 イルダ補佐官殿、こちらが第4軍指揮官殿からの書類になります。」

ソルミがイルダの前に厚手の封筒を置く。

「はい、受領しますよ。

 サインは必要?」

「はい、こちらに。」

ソルミの部下が紙を出すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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