第1634話 小銃の訓練方法。(スコープの改良を依頼しよう。)
「ふむ・・・という事は通常の訓練では2発連続で撃つようにした方が良いと。」
「そうなりますね。
出来れば1発ごとにと言いたいですけど・・・
それと見ていた感じでは4発目以降はまとまらずにバラけていました。
小銃としては相当熱くなっていたのではないですかね?」
「だから、訓練時は最大でも2発まで連続で撃てるとしてその後は5分程度休むと。
でも、それだと訓練になるのかな?」
アンダーセンと鈴音、トレーシーが話し合っている。
「連続で撃つのは本番では自身を守る為なのでして当然なのですけど。
訓練ならまずはちゃんと当てる事を重視して貰いたいですね。
その為には銃身を熱くさせないことも1つのやり方です。
それと日の光が当たって銃身が熱くなったりもしますから簡易的な屋根か何かあると便利ですね。」
鈴音が言う。
「となると2発撃って照準の調整、そしてまた撃つという感じが良いのか?」
アンダーセンが考える。
「毎回照準を合わすというのも・・・やっても最初だけだよね?
するにしても基準となる照準を何mで調整させて・・・最大400mとは言われているけど、400mに合わせて良い物なのかな?」
トレーシーも考えながら言う。
「タケオさん専用の小銃改1、3は1200mの射程ですけど、600mの射程を用意しますよね。
なら200mの距離で調整しておいても良いのではないですか?」
「250m以下は魔法での攻撃を想定しているからなぁ。
現状では200~400mで小銃を使うとして運用方法を考えているんですよ。」
「なら間を取れば300mでしょうけど・・・的で考えると400mで合わせた方が良いですかね・・・
基準を400mにするのは良いとしてもまずは皆さんに400mで全弾的に当てて貰わないといけないですよね。
ちなみに400mの照準で200mを撃つ時は若干下めですよ。」
「そこは慣れしかないな。」
「そうだね・・・
ま、僕やスズネさん、ハツユキ殿は50mを確実に当てられるようにすれば良いんだから、50mで調整かな?」
「そうですね。
私達は近距離での・・・この建物に籠っての迎撃要員ですから余程の事がない限り使わないでしょうね。」
鈴音が「私は非戦闘員なんです」と主張するも、
「400mかぁ・・・一番当て易いとしていた伏せ撃ちで200mがあの結果だからなぁ。
しばらく伏せ撃ちでの訓練だな。」
「しゃがみ込むのと立ち撃ちだと惨憺たる結果になるだろうね。」
アンダーセンとトレーシーが言う。
「実践だと伏せ撃ち、しゃがみ撃ち、立ち撃ちは状況により変わりますからね。
ほぼほぼ同じくらい練習した方が良いと思いますよ。
私達留守番組は伏せ撃ちよりもしゃがみ撃ちか立ち撃ちの方が使いそうですけどね。」
「ん~・・・慣れたらしゃがみ撃ちの練習をした方が良いんだろうなぁ。」
「俺達も満遍なくと言いたいが初日がこれではいつ次の撃ち方に移行できるか・・・
それに実弾使う時は間隔も空けるから・・・あ、そうだ、模造小銃の予約入れないと。」
「そうだね。
それと見積もりを貰ってヴィクター殿に予算からいくつ作れそうか・・・交渉しないと。」
「あ~・・・それが一番大変そうですね。」
「そうだなぁ。」
「そうだね。」
3人が物を作ったり訓練をしたりより予算を下ろして貰うのが大変そうなのを感じ取っているのだった。
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テイラーの魔法具商店。
「ふむ・・・で、タケオ、次はどうする?」
「次ですか・・・ん~・・・」
「ニオ、キタミザト様がそうポンポン作りたい物なんてないでしょう?」
「いや、テイラー、タケオは作りたい物が多すぎて・・・費用的に断念している人ですよ。」
「タケオ、私達も仕事欲しい。」
「そうっス!もっと残飯欲しいっス!」
武雄達はアップルパイを食べながら雑談をしている。
「費用がどうのより・・・ステノ技研やテイラーさんにはスコープの改良をして欲しいですね。」
「スコープですか?」
テイラーが聞き返してくる。
「ええ、今のスコープの倍率が約3倍、私の小銃改1と3は600mと1200m、足らないんですよね。
倍の6倍から出来れば4倍の12倍のスコープが欲しいですけど・・・」
「今のスコープはベインズ親子がタケオが分捕って来たスコープを分析して模倣して作った物に過ぎない。
これの改良となると・・・原理を知る必要があるだろうな。
我も手伝いはするが・・・時間はかかると思うぞ。」
ニオがそう武雄に言う。
「まぁ・・・研究課題として資金提供のみしていきますか。
直ぐにという訳ではありません、あったら私が便利ですからね。
それと6倍から12倍が出来たら現行の3倍の方は王都に販売しにいきますからね。」
「ふむ・・・自分達よりも低倍率を流通させるか・・・
だが、模倣もされると思うが?」
「そこはほら、魔法刻印なんかを使って、無理やり開けたら中身のガラスが溶けるようにすればすぐには発覚しないでしょう?」
武雄が笑顔で言う。
「はぁ・・・まぁ親方方にはお伝えしておきます。
初期の研究費はどうされますか?」
「金貨20枚置いていきますから、手が空いた際にやってみてください。
成功すれば高倍率のスコープは試験小隊の人数分発注と私の小銃改シリーズに装着という流れにします。
現行の倍率は王家中心に売り込みをします。」
武雄が言う。
「・・・はい、わかりました。」
テイラーがメモを取りながら言う。
「あとは・・・まぁ今日はそのぐらいで良いでしょうかね。
あ、わかる範囲で良いですけどステノ技研の売り上げどうなっていますか?」
「それこそブラッドリーさん達に聞いてください。」
「警棒とか懐中時計とかちゃんと売れているのかなぁ?」
「売れていますよ。
端から見ていても毎週しっかりと納品しているんですから仕事がないという事は最低でもありません。
それに職人自体も少し増えて皆さん頑張っていますよ。」
テイラーが呆れながら答えるのだった。
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